「色眼鏡で見る」の意味・読み方・英語【使い方や例文】
色眼鏡で見るという表現は、一般の会話でもよく使われています。
ただし、決していい意味で使う表現ではないので、その点は覚えておきましょう。
目次
- 「色眼鏡で見る」の意味とは?
- 「色眼鏡で見る」の語源
- 「色眼鏡で見る」の使い方
- 「色眼鏡で見る」を使った例文と解釈
- 「色眼鏡で見る」を英語にすると?
- 「色眼鏡で見る」の類義語や置き換えられる表現
「色眼鏡で見る」の意味とは?
「色眼鏡で見る」は、「偏見をもって物事を見る」ことを指す慣用句です。
つまり、この表現の対象は、何かしらの偏見をもって見られている(言い方を変えると、ハンデを背負っている状態だという)ことになります。
例が悪くなりますが、高校卒と大学卒のそれぞれの新入社員に対して、高校卒の人は最初から能力が大学卒の人と比較して多少劣ると考えてしまうような場合、「高校卒の人を色眼鏡で見ている」ということです。
このように、いい意味で使う慣用句ではありません。
特定の人に対して使うと、その人を「偏見のある人」だと判断することになるからです。
- 「色眼鏡で見る」の読み方
「色眼鏡で見る」の読み方
「色眼鏡で見る」は、「いろめがねでみる」と発音します。
見たままを読めば、問題なく正しく読むことができます。
「眼鏡」を無理に難しく「がんきょう」などと読まなければ問題ありません。
読み方は問題ありませんが、使い方には注意が必要となる為、問題はそちらの方でしょう。
「色眼鏡で見る」の語源
色眼鏡で見るの語源は、「色の付いた眼鏡で人や物事を見ては、正しい色で(何の偏見もなしにという意味です)見ることはできない」ことからです。
例えば青色のレンズの眼鏡で見れば、何を見ても青掛かって見えてしまいます。
偏見というフィルターを通して人や物事を見てしまうことが、この「色眼鏡で見る」ことなのです。
「色眼鏡で見る」の使い方
色眼鏡で見るは、偏見が絡む言葉なだけに、前述のように使いどころには注意が必要です。
その手の偏見をもちやすい人に対して用いるのが普通の使い方になりますが、そのような人だけに、それによってトラブルを起こさないように、くれぐれも気を付けてください。
「色眼鏡で見る」を使った例文と解釈
色眼鏡で見るという表現を使った例文をいくつか挙げていきます。
どの例も、実際に使われることの多い形です。
何事に対しても全く偏見を持たない人間など居ないかも知れませんが、そういう人間だと見られない程度でないと、何かしらの色眼鏡でしか(その人なりの偏見を含まないと)人や物事を判断できないと思われてしまいかねません。
また、人をすぐにそのように見てしまう人は、自身も同じように見られることがあると覚えておかないといけません。
それこそ、「すぐに色眼鏡で何かを見る人」だという色眼鏡で見られてしまうということです。
- 「あの人はすぐに色眼鏡で人を見るくせがあるね」
- 「色眼鏡なしで見ると、とても優れている技術だと分かった」
- 「あんなに優秀な人が合格できなかったのは、恐らく色眼鏡で見られたんだろうなぁ」
「あの人はすぐに色眼鏡で人を見るくせがあるね」
相手の年齢や性別などによって、すぐにそれら(の条件、理由)による色眼鏡でその相手を見てしまうという人に使っている例文です。
そのような人は実際にも多く、何故(その人は)そうなってしまったのかということの方が気になってしまうくらいです。
「色眼鏡なしで見ると、とても優れている技術だと分かった」
この例は、「色眼鏡」と「見る」を離して使っているという点と、どれだけ優れている技術でも、それを開発した会社の規模や歴史などによっては、技術自体の評価より、まず先に色眼鏡で見られることも少なくないということを表現しています。
「あんなに優秀な人が合格できなかったのは、恐らく色眼鏡で見られたんだろうなぁ」
何かの試験の面接で、その人の現在の姿だけでなく、関連する何かの理由や条件という色眼鏡で見られてしまい、それによって落とされてしまったと思われる例になります。
繰り返しになりますが、特に日本ではこのようなことは決して珍しくありません。
これについては、保守的な考え方が基本とされている国民性にもあると言えるかも知れません。
「色眼鏡で見る」を英語にすると?
「色眼鏡で見る」をそのまま英語にしてしまうと、それこそサングラスのような色の付いた眼鏡で人や物事を見るというだけになってしまうので、英語にする際には、この言葉の意味から考える必要があります。
「偏見をもって見る」というその意味から、“prejudiced”が適切な英語表現になると考えていいでしょう。
“prejudice”が「偏見」という意味の英単語で、“Are you prejudiced?”と使うことで、「あなたは偏見をもって(色眼鏡で見て)いませんか?」という文になります。
英語ではこの形で、日本語で言う「色眼鏡で見る」を表現できるでしょう。
「色眼鏡で見る」の類義語や置き換えられる表現
「色眼鏡で見る」と置き換えられる他の慣用句や言葉です。
いい意味で使う慣用句ではないながら、これらもよく使われる表現となっています。
- 「レッテルを貼る」【れってるをはる】
- 「先入観をもつ」【せんにゅうかんをもつ】
- 「食わず嫌いをする」【くわずぎらいをする】
「レッテルを貼る」【れってるをはる】
これは「色眼鏡で見る」と同じくらい使われている置き換えだと言っていいでしょう。
レッテルとは、マークとして貼り付ける札やシールのことで、(悪い意味の)そういったものが貼られていると思って人や物事を判断してしまうことを指しています。
色眼鏡というフィルターを通して対象を見るのと同じなので、完全な同義語として扱うことができます。
「まだ若い」という偏見をもって判断してしまう場合、その「まだ若い」というレッテルが貼ってあることになります。
「先入観をもつ」【せんにゅうかんをもつ】
「先入観」という言葉が、そのまま「色眼鏡」だと考えていいでしょう。
「あの人はどういう人だから」などという先入観をもってその人を見てしまうと、正しい判断や評価ができないのは言うまでもありません。
この先入観もまた、上記のレッテルと同様です。
言葉が違うだけで、どれも「色眼鏡(のレンズ)」と同様の比喩表現になります。
「食わず嫌いをする」【くわずぎらいをする】
この表現は、文字通りの意味で使うこともできますが、多くの場合、「よく知らないのに、思い込みだけで判断してしまう」ことを意味する例えとして使います。
この使い方は、色眼鏡で見ることとほぼ同様だと言える為、それとの置き換え表現の1つだと考えて構いません。
色眼鏡で見るは、決していい意味では使わない表現ですが、実際にこの表現を見たり、耳にすることが多いのは、そのような人が思っているより多いからに他なりません。