「嬉々」の意味とは?「嬉々」とした表情はどんな表情か?類語、使い方や例文を紹介!
日本語の中には、色々な言葉の形態があります。
四文字熟語や昔から伝わる故事や方言など、様々なジャンルの言葉が有ります。
中には、季節感を堪能できる言葉も有ります。
また、人の心の状態を表す言葉もあります。
その言葉だけでも、その人がどのような状態にあるのかも理解できる程です。
それだけに言葉の意味を理解するだけで、とても相手の気持ちを理解できるのです。
目次
- 「嬉々」の意味とは?
- 「嬉々」の類語
- 「嬉々」の使い方
- 「嬉々」を使った例文
- 「嬉々」とした表情はどんな表情
- 「嬉々」の対義語
「嬉々」の意味とは?
「嬉々」という言葉も、人の心理状態をよく表している言葉と言えるでしょう。
実際には、心の底から喜んで、楽しむような気持ちの状態に示しています。
とてもうれしくて、跳び跳ねるくらいの、気持ちになっている様が目に浮かぶようです。
- 「嬉々」の読み方
「嬉々」の読み方
「嬉々」は、「きき」という読み方になります。
「嬉」という字を見て思うことは、「喜」という字に、「おんなへん」を付けた漢字になりますが、女性の人が喜ぶことで「嬉しい」ということは、男性にとっても、心が朗らかになるかとしれません。
そのように考えると、「嬉々」という言葉自体にとても柔らかな印象と明るい喜びの光景が連想できそうです。
「嬉々」の類語
「嬉々」が心が踊るほどに楽しく嬉しい気持ちになるのが分かりました。
このような意味を持つ言葉は、他にどんなものがあるでしょうか?
- 「有頂天」【うちょうてん】
- 「熱狂」【ねっきょう】
- 「お祭り気分」【おまつりきぶん】
「有頂天」【うちょうてん】
「有頂天」も、「嬉々」に近い意味が込められているでしょう。
「有頂天」と言うと、「うっとりしていること」や、「喜色満面」という珍しい意味や、「陶酔」、「夢見心地」、「バラ色」、「恍惚」、「夢心地」、「気も狂わんばかり」、「熱に浮かされたような」、「気もそぞろ」、「夢のような」、「浮つく」、「落ち着かない」、「熱狂する」、「興奮状態」、「心に羽が生えたように」、「心を躍らせる」、「ハッピーな」、「調子に乗る」、「天にも昇る心地」といった表現にも繋がって来るでしょう。
「桁違いの当せん金が当たって、もう気分は有頂天。」
こんな使い方になるでしょう。
仏教の言葉でもあり、有(存在)の頂きを意味しているとも言われています。
下から欲界・色界・無色界の三界がありますが、そのうち、無色界の最高の所を指しています。
それほど嬉しい気持ちになっているのかもしれません。
「熱狂」【ねっきょう】
「熱狂」も、「嬉々」と限りなく近い意味を持っています。
「うわの空」や「空騒ぎ」、「浮き足立つ」という意味もあり、若干ニュアンスが異なる面もありますが、「夢のような」、「まるで足元に地面がないような」、「狂喜乱舞」、「気持ちが高ぶる」、「居ても立ってもいられない気持ち」、「高揚感」という意味もあります。
「狂うほどに熱い」気持ちになっている状態が「熱狂」でしょう。
「コンサートでは、ラストソングで、観衆はもう熱狂状態!」
プロミュージシャンのラストソングを聞いている観衆は、もう周りが見えないほどに盛り上がって、大盛り上がり。
こんな空気の中にいると、それだけで恍惚状態になっていることでしょう。
「お祭り気分」【おまつりきぶん】
「お祭り気分」も、「熱狂」、「嬉々」に近い意味があるでしょう。
「もう、気分はお祭り気分。」
「今夜は金曜日だから、ゆっくりと楽しめる!お祭り気分だな。」
居酒屋で、日頃のストレスを晴らすがのごとく、仲間とすごく盛り上がっている光景を見ていると、まさに「お祭り気分」と感じるかもしれません。
日本でも海外でも、「お祭り」好きの人はたくさんいます。
そんな人達の頭の中は、もう真っ白になっているくらいに楽しいはずです。
「お祭り気分」も「嬉々」と同じように心から楽しくて、仕方がないのかもしれませんね。
「嬉々」の使い方
「嬉々」は、心から嬉しい状態や楽しい気持ちを最高に表しています。
それだけにどんな使い方ができるのか、とても興味深くなってきます。
「嬉々」を使った例文
「嬉々」を利用した文は、こんな時に使われるでしょう。
- 「嬉々」の例文1
- 「嬉々」の例文2
- 「嬉々」の例文3
「嬉々」の例文1
「難関校と呼ばれる高校に見事に合格した息子。合格率数%の高いハードルをよくくぐり抜けたものだ。あいつは嬉々として、もう有頂天になるもの仕方がない。」
普通ならば、絶対に合格できないと思っていた高校。
自分の子供の学力であれば、決して合格は期待できなかったのですが、最後の頑張りが効いたのです。
「嬉々」という言葉は、この時の心境を見事に表しています。
「嬉々」の例文2
「あいつは、嬉々として、自慢話をしているけれど、聞いている僕の方は段々と辛くなってきて、話の聞き流すようになってきた。人の自慢話ほど、面白くないものはないな。」
こんなケースでも使われる「嬉々」。
嬉しい気持ちを身体全体で表しているのかもしれません。
それほど楽しくて心がけウキウキしている相手なのでしょうが、聞いている方は、次第に話が、つまらなくなってきて、聞き飽きているのかもしれません。
片方の人は、心が踊っていても、もう1人は、気分がブルーになっていることもあるのですね。
自慢話も相手の顔を見ながら、話すべきでしょう。
「嬉々」の例文3
「昨日、何気なく買った絵画が、なんとオークションでは、数千万円の高値が付き添そうな名画だったことが分かりました。嬉々として、これからどうするか考えている彼でした。」
「お宝発見!」と言ったところでしょうか。
まさかそんなに高値がついてしまうほどの名画が、自分の手元にあるのですから。
それで、とても大きな財産が作れるかもしれないと喜びいさんで、狂喜乱舞の彼。
まさに「嬉々」の状態です。
日頃の生活では、まずあり得ないことが起こったのですから。
もう、心がウキウキしても、当然のことです。
「嬉々」とした表情はどんな表情
「嬉々」の状態では、どんな顔をしているのでしょうか?
- 「狂喜乱舞」【きょうきらんぶ】
- 「うわの空」【うわのそら】
- 「気も狂わんばかり」【きもくらわんばかり】
「狂喜乱舞」【きょうきらんぶ】
おそらく、「狂喜乱舞」の状態になっているはずでしょう。
狂おしいくらいに喜び、乱れるほどに踊っている状態ですね。
あまりにも嬉しすぎて、両手を上げながら、飛び回っているのかもしれません。
もしかしてすると、街のど真ん中でも、周りの人のことを気にしないくらいに飛び回って踊る状態かもしれません。
「うわの空」【うわのそら】
「うわの空」だったら、その人の視線は定まっていないかもしれませんね。
あまりの嬉しさで、頭の中は、ハッピーな出来事で一杯のはず。
人が声をかけても、全く視線があっちの方向に向いています。
「気も狂わんばかり」【きもくらわんばかり】
この状態も、ある意味、常人の領域を越えているかもしれないと思えるくらいに、心はどこか遠くに飛んでいるのではないでしょうか。
もしかすると魂が抜けたように、真っ白な状態にまでなっているかもしれませんね。
「嬉々」の対義語
「嬉々」がとても嬉しいことならば、反対の意味を持つ言葉は、次のようなものが挙げられるでしょう。
- 「冷淡」【れいたん】
- 「沈着冷静」【ちんちゃくれいせい】
「冷淡」【れいたん】
「冷淡」は、「人への同情や物事に対する熱意を持たない態度」や「熱心でないこと」を指しています。
周りの人々がとても熱く関心の高いことであっても、全く興味を示さないことでもあります。
ある意味、淡白とも言えます。
「友達付き合いに冷淡な人」、「困った人にも冷淡だ」と言うような使い方になってきます。
とても冷たい感じがするのですが、すごく冷たい印象と、どんなに困ったことでも、冷静になれるドライさがあるような印象さえ受けてしまいます。
「嬉々」や「熱狂」とは、対局的な言葉です。
「冷淡」は、とてもクールで、機械的な感情のない人や事柄を連奏させてしまいます。
時には、このようなクールさも必要ですが、あまり持ちたくはない感情です。
悪い意味では、「思いやりがないこと」や、「同情や親切心を示さない」ということにもなります。
「沈着冷静」【ちんちゃくれいせい】
「沈着冷静」も、「嬉々」とは、全くぎゃくの意味になりますが、「冷淡」のように機械的な無表情的な雰囲気とは違うことでしょう。
「沈着冷静」は、態度や心がとても落ち着いている状態で、極めて冷静なことを指していますを。
「沈着」とは、どのような状態や環境でも、決して驚いたり、取り乱したりせずに物事に動じないことです。
「冷静」は、感情に左右されずに理性的で落ち着いた態度のことを言っています。
おそらく、淡々と物事に対して、動揺の顔を見せずに、沈黙を守りつつ、さばいていることでしょう。
世の中色々な出来事や想定外のことが起きても不思議ではありません。
それでも、冷静になれることがとても大切なことでもあります。
「嬉々」という、言葉の意味を調べていくと、本当に成功する人は、心の生き物だと思ってしまいます。
悲しい時は、大きな声で泣いたり、叫んだりします。
中には、心を押し殺して泣く一儲けいます。
それとは逆に嬉しい時は、心から大喜びをしたくなります。
嬉しい時、楽しい時には、「嬉々」として身体全体を使って、その時の気持ちを表現したくなります。
その事は、とてもいいことですし、周りの人を楽しく明るくさせてくれる効果もあるでしょう。
喜怒哀楽があるだけに、人はとても楽しかったり、苦しかったりと、山あり谷ありの人生を送ることと思います。
しかし、大きな幸せや喜びを手に入れたことで、誰かが不幸になっていることも少なくありません。
大きな喜びを素直に表現することや顔に出すことも決して悪くはないのですが、「バカ騒ぎ」だけはしたくないものです。
嬉しいことで、人に不快感を与えてしまうような騒ぎ方、喜び方は、少し慎むことです。
それが周りの人に対するエチケットでもあるからです。
自分が「嬉々」の時、その喜びを分かち合える人がいるならば、一緒に楽しんではしゃぐのもいいでしょう。
それでなければ、1人で静かに喜ぶことも必要かもしれません。
笑うこと、喜ぶことは、精神的にとてもプラスになることですが、決して人の気分を害さない程度にとどめておくことが大切です。
一番理想的なのは、自分の喜びと他人の喜びが一致した時に、本当の「嬉々」と言えるような気がするのです。
素直に顔に感情を出すのも、時と場合によって、使い分けなければなりません。