「とんでもございません。」の意味とは?言い換えや類語、例文や英語を紹介!
日本語では、色々な言葉があります。
コミュニケーションとして数多くある言葉の中から、流れに沿った適切な言葉を選び出して、意思疏通を図ることが必要です。
目次
- 「とんでもございません」の意味とは?
- 「とんでもございません」の類語や言い換え
- 「とんでもございません」は「とんでもないです」の方が正しい
- 「とんでもないです」を使った例文や使い方
- もっと褒められるビジネスシーンの謙遜表現
- 「とんでもないです」の英語
「とんでもございません」の意味とは?
「とんでもございません」は、「とんでもない」と「ございまいせん」の2つの用語が組み合わさった言葉ですが、と物事の道理や筋道から外れた時に使う言葉です。
普段から使われている言葉なのですが、間違った言葉として認識されている傾向が指摘されてきました。
「とんでもない」の「ない」が敬語として表現されるために、「とんでもございません」となっていますが、正式には間違っている言葉遣いなのです。
正しくは、「とんでもないことです。」
が正式な表現なのですが、今では普通に用いられることようになっています。
「とんでもございません」の類語や言い換え
今では問題なく使われるようになった「とんでもございません」は、他にも色々と似たような意味の言葉があります。
- 「甚だしい」【はなはだしい】
- 「目に余る」【めにあまる】
- 「あり得ない」【ありえない】
「甚だしい」【はなはだしい】
「甚だしい」という言葉。
普通の状態から、想定外といえるほどに度を越している状態のことを指しています。
「あの人の言っていることは、とても甚だしい。常識では考えられないことを言っているよ。」
「今年の販売実績は、近年、稀に見る悪い状態です。甚だしいレベルだ。」
「なんということだ。彼の行いは、公私混同も甚だしい。」
このようなケースで使うことがあります。
私達が考えている常識レベルを遥かに越えた状態のことを指しています。
「目に余る」【めにあまる】
これも「とんでもございません」に近い意味を持っています。
あまりにも悲惨な状態からになっていて、見ることも辛くなるほどの状態を指しています。
「彼の行いはとてもひどすぎる。目に余る行為だ。」
「あいつの部屋は、きれいに片付けられていないね。目に余る状態だよ。」
「何という残虐非道な仕打ちだ。目に余る行いだ。」
あまりにもひどい状態だったり、汚いことを見ることさえ辛くなるくらいに、視線を思わず反らしてしまう様のことを言います。
この言葉も日常会話の中で使われる言葉として身近な用語です。
「とんでもない」というレベルをさらに上回る状態をも連想させてしまいそうです。
「あり得ない」【ありえない】
「お前の言っていることは、あり得ないよ」
普段会話している中で、こんな言葉が出てくることはないでしょうか?
「あり得ない」も普通の状態を大きく逸脱した状態を指しています。
「さっき見た事故は、普通ではあり得ないこと。一体どうやってあんな大事故になったんだ?」
「今年の夏の暑さは、異常だね。あり得ないな。」
「どうしてこんな結果になったのかな?とてもあり得ない出来事だ。」
このような使い方として、私達の身近な周りで使われていることが多いと思います。
「とんでもございません」は「とんでもないです」の方が正しい
今では、「とんでもございません」は「とんでもない」の敬語として使われるようになっていますが、正式には謝った使い方とされています。
正しくは、「とんでもないことです」、「とんでもないことでございます」という言い方が正しいのです。
しかし、最近では文部科学省の見解でも間違った用法ではないとされるようになっています。
「とんでもないです」を使った例文や使い方
では、この「とんでもないです。」を使う場面はどのようなシーンがあるでしょうか?
- 「とんでもないです」の例文1
- 「とんでもないです」の例文2
- 「とんでもないです」の例文3
「とんでもないです」の例文1
営業の仕事をしていて、とても大きな商談をまとめたAさん。
上司から誉められました。
「いやぁ、とても難しい商談をよくまとめてくれたよ。君の功績はとても大きい。」
こんなふうにも言われて照れるAさんでした。
「いえ、私1人でできたことではありません。そんなふうにも思われるのは、とんでもないです。」というような使い方になるでしょう。
自分をへりくだった言い回しになるのです。
しかし、ここで「とんでもないです」と言うより、「とんでもないことです」と言う表現を使った方が正しいのではないかと思います。
「とんでもないです」の例文2
商談でも時々あるのが、想定外のことが発生した時に交わされる言葉です。
「とんでもないことです。この件については、今一度、ご再考をお願いできないでしょうか?」
「今の状態は、とんでもないことです。何とか改善できるように検討してください」
ここで「とんでもない」という言葉が使われるのは、普通の状態ではないためで、「想定外」、「常軌を逸している」状態を指していることが言葉の節々から見て取れます。
「とんでもないです」の例文3
「ありがとうございます。あなたのおかげで無事に退院することができました」
通勤途上で、目の前で大きな交通事故を目の当たりにしたBさん。
思わず被害者を現場から助け出したのです。
「いえ、ごく当たり前のことをしただけです。そんなふうに感謝されるなんて、とんでもないです」
この時のBさんの言葉は、謙遜した言い方です。
また、この後に警察からも感謝状が贈られることになったのです。
「感謝状なんてもったいない。ごく当たり前のことにしただけなんです。とんでもないことです」
これも謙遜した言い方ですね。
とても好感の持てる言い回しです。
このように人から感謝された時に、謙遜する言葉として用いることがあります。
時々、誤解するのは、「とんでもないです」が謝罪の時に使われることです。
この言葉は、人から褒められた時に謙遜する言い方なので、謝罪の返事として使うことは、基本的にはありません。
人から謝罪された時は、「お気になさらないでください」や、「こちらこそ申し訳ありません」などと言うのが適切な言い回しになるでしょう。
もっと褒められるビジネスシーンの謙遜表現
人から褒められることは、とてもうれしいことです。
しかし、この時の返事で、「そんなことはありません」と言いたくなるかもしれませんが、この表現は間違いとなります。
何故なら、せっかく褒めてくれた人に体して、否定することになるからです。
では、このようなシーンでは、どのような言葉が妥当なのでしょうか?
- 「〇〇さんのおかげです。」
- 「もったいない」
- 「お褒め頂きありがとうございます」
「〇〇さんのおかげです。」
「〇〇さんのおかげです」や「〇〇さんが懇切丁寧に指導してくださったからです」というような言葉で返した方が好感の持てる返答です。
褒められた時に、このように返すことで、褒めた側もいい印象を覚えますし、相手の調子を見つけて、また、褒ようと努めてくれるようになります。
ちょっとした言葉遣いによって、お互いの関係が円滑になり、スムーズな人間関係が形成されることになるでしょう。
「もったいない」
これもよく使われる言葉でしょう。
目上の人や取引先から褒められた時に、「とんでもないことです」と言うことが普通ですが、さらに敬語を意識した返し方でよく使われていのが、「もったいないお言葉です」でしょう。
自分を謙遜しつつ、褒めてくれた人への感謝と敬意の気持ちが込められていることが、相手にも伝わるはずです。
この表現も相手への敬いの気持ちも表しているので、褒められた時には、是非、使ってもらいたい言葉の1つです。
「お褒め頂きありがとうございます」
仕事上で褒められた時のオーソドックスな返答が、「お褒め頂きありがとうございます」となるでしょう。
部下の人が褒められた時に、この返し方で返事をするのが、一般的ではないでしょうか。
褒めてくれた感謝の意味で、「お褒め」という言葉にプラスして、謙譲語の「頂く」合わせて、「お褒め頂きありがとうございます」と言う表現は、褒めてくれた人に対する思いやりの尊敬の念が込められています。
自分をへりくだりさせながら、返答することばとしては、しっかりとビジネスマナーのポイントを押さえた敬語の表現と言えるでしょう。
さらに、「お褒めいただき恐縮です」という言い方をすると、敬語として、とても素晴らしい言い回しになります。
この表現がより謙遜した言い方となり、上司、目上の方に褒めてもらった時の返し方として、とても好感度が高まってくるはずです。
「とんでもないです」の英語
「とんでもない」という言葉を訳す時に、直接的な表現は、見つけることは、難しいでしょう。
“No way”と言う表現がありますが、これも「とんでもない」と訳すことができるのですが、どちらかというと、相手の言葉に対して否定する場合に使う言葉です。
「あなたの言っていることは、とんでもないことだ」
このような時に使う言葉です。
「とんでもないことです」と言う場面は、相手への感謝や謙遜する場合に使うことが多いので、感謝の意味をこめるのであれば、“Thank You”がとても素直な表現でしょう。
また、“Thank you for praising me.”と言うような言い回しになると、「褒めてくれてありがとう」とさらに丁寧な感謝の言葉として、受け止められることになるでしょう。
英語の場合は、素直にストレートに表現することになるでしょう。
「とんでもございません」と言う表現は、私達が、ごく普通に使う言葉になっています。
以前は、正しい使い方ではありませんでしたが、今では間違った言葉じりとしての指摘がなくなっています。
よく聞く言葉に「宜しかったでしょうか?」があります、
レストランやコンビニでも、店員がお客さんに問いかける言葉で違和感なく使っています。
正しくは「宜しいでしょうか?」なのですが、日本語もかなり変容したきした。
「とんでもございません」も、同じようになっているのかもしれませまんが、ビジネスの世界では、正しく使って行きたいものです。
英語で「とんでもないことです」に対するジャストフィットする言葉がないように、自己を謙遜する言葉として、とても美しい言葉なのかもしれません。
美しい日本独特の文化や慣習を反映した言葉友達思えるのです。
そのために、人に感謝と尊敬の念を込めて使える言葉として、しっかりと正しく使っていきたいものです。
日本語には、海外にはない独特の言い回しがありますが、ぜひ、継承したいきたい言葉です。