「晴天の霹靂」の意味とは?読み方、類語や使い方、英語や対義語を紹介!
「青天の霹靂」という表現を聞いたことがあるでしょうか。
これには一体どのような語源があるのでしょうか。
ここでは「青天の霹靂」という言葉の意味や語源について解説します。
目次
- 「青天の霹靂」の意味とは?
- 「青天の霹靂」の類語や似た言葉
- 「青天の霹靂」の使い方や例文
- 「青天の霹靂」と言えるような状況
- 「青天の霹靂」の英語
- 「青天の霹靂」の対義語
- その他の「青天の霹靂」
「青天の霹靂」の意味とは?
- 「青天の霹靂」の語源
- 「青天の霹靂」の読み方
「青天の霹靂」の語源
「青天の霹靂」というのは「全く予期していなかったような事件や変動が突然起こること」を指します。
青く澄み渡った空に突然激しい雷雨が起こるということが「青天の霹靂」の語源になっています。
天気というのは全く予測することができないですよね。
晴れていたにもかかわらずいきなり雨が降ったり嵐が来たり、ということもあるものです。
「青天の霹靂」の読み方
「青天の霹靂」は「せいてんのへきれき」と読みます。
「霹靂」というのは普段はなかなか使わない漢字ですが、雷鳴という意味を持ちます。
なお、「青天の霹靂」という表記が本来の表記であり、「晴天の霹靂」という書き方は誤りだと考えられています。
「青天の霹靂」の類語や似た言葉
- 「寝耳に水」【ねみみにみず】
- 「降って湧いたような」【ふってわいたような】
- 「薮から棒」【やぶからぼう】
- 「足下から鳥が立つ」【あしもとからとりがたつ】
「寝耳に水」【ねみみにみず】
「青天の霹靂」というのは予期せぬことが起こるという意味ですが、「寝耳に水」というのも突然、思いがけない出来事に出くわしてしまい、驚くという意味を持ちます。
「青天の霹靂」に驚くという意味合いはありませんが、思ってもいなかった出来事や知らせを受けて驚くという意味を持つ「寝耳に水」という表現も少なからず「青天の霹靂」に似ていると言えるでしょう。
自分が知らない場所で何かが進んでおり、後からそれを聞かされて驚いた、「寝耳に水」、ということになります。
「降って湧いたような」【ふってわいたような】
この「降って湧いたような」という表現は降ったことによって湧いてくるのではなく、「天から降る」「地から湧く」という表現を合わせた言葉です。
天から降り、地から湧くことが同時に起こるという意味で、「思いがけない出来事に遭遇した」という意味を持つのです。
例えば「降って湧いたような縁談」という使い方ができます。
「薮から棒」【やぶからぼう】
「薮から棒」という表現も「予期しないことが唐突に起こる」という意味を指します。
出し抜け、唐突、などという意味があり、「藪から突然棒を突き出す」を略した言葉だと言われています。
「藪から蛇」という人がいますが、この表現は正しくはありません。
「足下から鳥が立つ」【あしもとからとりがたつ】
「足下から鳥が立つ」という表現も「身近なところで意外なことが突然起こること」、「急に思い立って慌ただしく行動を起こすこと」という意味があります。
鳥は巣の中にいる時、人が近づいても簡単に飛び立ったりしません。
しかし、あまりにも近くまで来よると、鳥にしてみれば踏みつぶされるのではないか、と思ってしまって急に飛び立っていくのです。
そしてその鳥が飛び立つ音に人間の方が驚くこともあります。
「足元」と表記する場合もあります。
京都いろはかるたで使われる言葉です。
「青天の霹靂」の使い方や例文
- 「青天の霹靂」の例文1
- 「青天の霹靂」の例文2
- 「青天の霹靂」の例文3
「青天の霹靂」の例文1
「宝くじが当たった事は彼にとって青天の霹靂だった」
多くの人が宝くじを購入した経験を持つのではないでしょうか。
しかし、ほとんどの人は宝くじに当たったとしても大した金額ではない、ということが多いですよね。
同時に、まさか宝くじで1億円が当たるなんて誰も予想することはありません。
どれだけ「1億円が当たったらいいなぁ」と思ったとしても、まさかほんとに当たるなんて思ってはいないものです。
しかしそんな時に1億円が当たったら、それはまさに「青天の霹靂」と言えるでしょう。
もちろん1億円が当たったとしても税金を支払わなければいけないため、手元に来るお金は1億円ではありません。
しかし、それでもあなたの生活はきっとガラッと変わります。
「青天の霹靂」の例文2
「倒産の知らせはまさに青天の霹靂だった」
もともと経営がうまくいっていなかったり、予算が足りなかったりして会社自体がうまく回っていないという状態であれば、倒産と聞いても決して「青天の霹靂」では無いかもしれません。
しかし、誰が見ても経営がうまくいっているように思えた、まさかそんなことになるとは思わなかった、というような大企業がいきなり倒産すれば、それはまさに「青天の霹靂」になります。
大企業で働いていたという事はそれなりにお給料が高かったでしょうから、いきなり職を失い、求職活動を始めなければいけないというのもなかなか大変です。
「青天の霹靂」の例文3
「彼女の病気は彼にとってまさに青天の霹靂だった」
大切な人にはいつまでも長生きしてほしいと思いますよね。
しかもそれが若い人であればまさか自分が病気になるなんて、まさか自分が命が危険になるような病気になるなんて、思ったりはしないものです。
しかし、病気というものは若くても関係ありません。
自分が愛する恋人がいきなり重篤な病気にかかってしまったり、がんなどの病気がわかったりすれば、それはまさに「青天の霹靂」と言えるでしょう。
「青天の霹靂」と言えるような状況
- 「青天の霹靂」というのはどのような状態か
- 「青天の霹靂」と言えるような画面
「青天の霹靂」というのはどのような状態か
「青天の霹靂」というのは、今までとは全く違う情報を受けた状態を指します。
例えば、明日は雨だと思っていたのに実際翌日になってみたら晴れていた、などという程度の事は「青天の霹靂」とはいません。
「青天の霹靂」というのはその出来事が自分の人生や生活に大きな影響を及ぼす状態を指します。
「青天の霹靂」と言えるような画面
先ほどいくつかの例文でも紹介しましたが、「青天の霹靂」というのは自分の人生や生活、家族の人生や生活に大きな影響を及ぼすような状態でなければいけません。
例えば誰かが病気になった、失業した、宝くじが当たってお金持ちになった、などということも「青天の霹靂」と言えますが、それ以外にも絶対に合格しないとは思っていなかった大学受験に合格した、あるいは絶対に合格すると思っていた学校に落ちた、などということも「青天の霹靂」です。
ちなみに「青天の霹靂」というのは日常的に起こることではありません。
そもそも毎日「青天の霹靂」は起こったりはしないものです。
「青天の霹靂」の英語
- “a bolt from the blue / a bolt out of the blue”
- sudden change
“a bolt from the blue / a bolt out of the blue”
「青天の霹靂」という表現を英語にすると、まず“a bolt from the blue / a bolt out of the blue”という表現を上げることができます。
これは名詞であり、同時に慣用句としても使うことができます。
これは19世紀、カーライルの著作によって使われた表現であり、「唐突に」という意味で会話でも使われることがあります。
例えば“That news was a bold from the blue for her”(あの知らせは彼女にとって青天の霹靂だった」などと使うことができます。
sudden change
「青天の霹靂」という表現は「突然の変化」という意味ですから、それを直訳しておいて“sudden change”ということも可能です。
先ほども述べた通り、「青天の霹靂」というのは自分の人生や生活に大きな影響与えるような変化のことを指します。
だからこそ、「突然の変化」と表現することが可能なのです。
例えば“that bankruptcy made such a sudden change”(あの破産は本当に突然の変化だった)などと使うことが可能です。
「青天の霹靂」の対義語
- 「起死回生」【きしかいせい】
- 「予定調和」【よていちょうわ】
「起死回生」【きしかいせい】
「青天の霹靂」という表現の間逆の表現とは言い難いかもしれませんが、「起死回生」は「青天の霹靂」の対義語に近い意味合いを持ちます。
これは「死にかかった人を生き返らせることを指す言葉であり、転じて崩壊等の危機に直面した状態を一気に良い方向に立て直すこと」、「絶望的な状態を立て直し、勢いを盛り返すこと」という意味を持ちます。
「青天の霹靂」というのは人生や生活に大きな影響もたらすことを表しますので、悪いことが起こったときにそれを立て直すという意味で「起死回生」は対義語だと言えるでしょう。
また、「回生起死」という場合もあります。
「予定調和」【よていちょうわ】
「予定調和」というのはあくまでも物事が予想する流れに沿って起こり、結果も予想通りであるということを指します。
つまり、「青天の霹靂」と言えるような大きな変化がない、ということであり、その意味では「青天の霹靂」の対義語として最もふさわしいと言えるでしょう。
例えば「予定調和の法案が成立した」などということができ、この場合は「誰もが予想していたような法律が提案され、実際に可決された」という意味になるのです。
その他の「青天の霹靂」
- 小説「青天の霹靂」
- 稲の品種
小説「青天の霹靂」
「青天の霹靂」という小説もあります。
2010年8月25日に劇団ひとりによって執筆された小説であり、35歳の主人公、晴夫の運命について書かれたものです。
学歴もお金も恋人もないという男性晴夫は、自分の前からいなくなってしまった母親を恨みながら父子家庭で育ちます。
売れないマジシャンとして生活をし、オーディションを受けていた晴夫でしたが、父親が亡くなったという知らせを受け、この時に青く晴れた空から雷が落ちたことにより、彼の運命が変わっていくという話です。
稲の品種
日本の稲の品種として「青天の霹靂」というものがあります。
青森県の新しい品種として2015年から販売されるようになりました。
弥生時代に最北の水田があった青森の「青」と北の空の「天」、そして雷鳴の「霹靂」から名前がつけられたとされています。
キレと粘りに絶妙のバランスがあるとされており、ツヤと白さが高く評価されています。
甘みと味わいも上品であるとして多くの人に愛されている品種です。
いかがでしょうか。
「青天の霹靂」は日常的にあまり起こることでは無いからこそ、あまり使われる表現ではありません。
また、例えば普段の穏やかな生活の中で宝くじが当たり、生活が一変したと言うことも「青天の霹靂」ですから、必ずしも「青天の霹靂」のようなことが起こったからといってそれが悪いこととは限りません。
しかし、「青天の霹靂」と言うのはマイナスな場合が多いとされています。
そして人生には「青天の霹靂」と言えるような出来事が数回は起こるものです。
そのようなときには「起死回生」といった表現を思い出し、勢いを盛り返して行きたいですね。
*「晴天の霹靂」は「青天の霹靂」の誤った表記であると言う前提で書かせていただいたため、首尾一貫性を持たせるために漢字を「青天」に統一しました。