「焼け石に水」の意味とは?反対語や使い方、例文や例えを紹介!
「焼け石に水」という表現を聞いたことがあるでしょうか。
これは漢字を見るだけで意味がわかりやすいかもしれませんね。
ここでは「焼け石に水」という表現について紹介します。
目次
- 「焼け石に水」の意味とは?
- 「焼け石に水」の類義語
- 「焼け石に水」の対義語
- 「焼け石に水」の状態とは
- 「焼け石に水」の例文
「焼け石に水」の意味とは?
- 「焼け石に水」の意味
- 「焼け石に水」を使うタイミング
「焼け石に水」の意味
「焼け石に水」というのは「わずかな努力や援助だけではほとんど効果を期待することができない」という意味を指します。
焼けて熱くなってしまった一緒に少しばかりの水をかけても意味はありませんよね。
水は蒸発して石を冷やすことなど到底できません。
そして、これは相手に対して効き目がないという意味ではありません。
例えば「いくら弁解しても、君の言い訳は焼け石に水だ」という使い方はしないのです。
「焼け石に水」を使うタイミング
「焼け石に水」で大切な事はわずかばかりの量では意味がないということです。
つまり、中途半端な量では意味がなく、やるときにはしっかりやらなければいけない、という教訓をも持ち合わせているのです。
また、「焼け石に水」という表現を使うときは効果がない状況を嘆くこともありますし、効果が得られないようなやり方を批判する時もあります。
「焼け石に水」の類義語
- 「二階から目薬」【にかいからめぐすり】
- 「隔靴掻痒」【かっかそうよう】
- 「遠火で手を焙る」【とおびでてをあぶる】
- 「杯水車薪」【はいすいしゃしん】
「二階から目薬」【にかいからめぐすり】
自分で目薬をさすのも苦手という人がいますが、それがもし二階からさすとなったらどうでしょうか。
二階にいる人が下にいる人に向けて目薬をさそうとしても、あまりにも遠すぎてそもそも命中することがないですよね。
これは「物事が思うようにいかず、もどかしい様子」を指します。
また、回りくどくて全然効果が得られない、という場合に使うこともあります。
これは京都いろはかるたの1つでもあります。
また、「二階から目薬」という表現は「まぐれ当たり」という意味で使われる事はありません。
実際には例えば「抽選で大当たりするなんて、二階から目薬だね」という使い方をする人もいますが、これは誤った表現になります。
それよりも、例えば「息子を医学部に生かせるなんて、400万円あったとしても二階から目薬だ」という使い方ができます。
「隔靴掻痒」【かっかそうよう】
「隔靴掻痒」というのは「物事が思うようにいかず、もどかしい様子」を指します。
足がかゆいと思った時、靴を履いたまま足をかこうとしても意味はありませんよね。
これは『無門関』の「序」にある「棒をふるって月を打ち、靴を隔てて痒きを掻く」と書かれていることに基づいています。
「隔靴掻痒」というのは四字熟語ですが、これ以外にも「靴を隔てて痒きを掻く」と表現する場合もあります。
「遠火で手を焙る」【とおびでてをあぶる】
「遠火で手を焙る」は他と同じく、「回りくどくてあまり効果が得られない」という様子を指します。
遠くの火に手を当てたとしても、手が温まる事は無いですよね。
火が遠すぎたら何の意味もありません。
ここから、「効果が少ない」、「効果が得られない」という意味を持つようになったのです。
「杯水車薪」【はいすいしゃしん】
「杯水車薪」は「援助や努力が少なく、それらが何の役にも立たない」ということを指します。
杯水は一杯の水、車薪は車1台分の巻が燃えている様子を指しているのです。
車が一台燃えていたとしても、そのような状態に水を一杯かけただけでは何の意味もありませんよね。
ここから、「そのような努力は少なすぎて何の役にも立たない」という意味を持つようになったのです。
「焼け石に水」の対義語
- 「麻姑掻痒(まこそうよう)」
- 「痒いところに手が届く」
- 「至れり尽くせり」
「麻姑掻痒(まこそうよう)」
「麻姑掻痒」というのは「痒いところに手が届く」という意味です。
麻姑とは中国の伝説に現れる仙女のことであり、鳥のような長い爪を持っているという事から痒いところを掻くのに適しているとされています。
背中を掻くために孫の手というものがありますよね。
これは「麻姑」から来た表現だと考えられています。
「痒いところに手が届く」
「痒いところに手が届く」というのは「細かな点まで気がついて、配慮が行き届いている」ということを指します。
よく気がつく、機転が利く、計らいが粋である、などという意味を持ちます。
自分では届かないような背中の痒いところを誰かがピンポイントで掻いてくれる様を表しているのです。
「至れり尽くせり」
「至れり尽くせり」というのは「配慮が行き届いていて申し分がないこと」という意味を表します。
至るという言葉には「注意が十分に行き届いている」という意味があり、尽くすという言葉には「できる限りのことをしてこれ以上ないという状態にする」という意味があります。
つまりこれら2つの単語を組み合わせることで「これ以上ないほど注意を行き渡らせていること」を指すのです。
至り尽くせりとは違いますので注意が必要です。
「焼け石に水」の状態とは
- 試験前に一晩だけ勉強する
- 数日間だけダイエット
- 普段は危険な運転をしながら初詣で交通安全を祈る
試験前に一晩だけ勉強する
誰しも中学校や高校の定期試験、あるいは高校受験や大学受験等を経験しますよね。
就職試験を経験する人も多いことでしょう。
そんな時、全然勉強していなかった時に試験の前日だけ、あるいは前夜だけ勉強したとしても意味はありません。
もちろん勉強しないよりはマシかもしれませんが、普段全然勉強しておらず、直前だけ少しばかり勉強したとしても試験に合格することができませんよね。
小テストぐらいならば問題ないかもしれませんが、定期テストでは赤点かもしれません。
受験や就職試験では合格できないでしょう。
数日間だけダイエット
ダイエットに関心がある人はたくさんいるのではないでしょうか。
しかし、実際に体重を減らし、その減った体重を維持するというのはなかなか大変です。
そんな中、今まで好きなものを好きなだけ食べていたにもかかわらず、数日間だけ絶食を行ったとしても何の意味もありません。
数日間だけ絶食し「今ダイエット中だから」と言ったとしても、すぐまた好きなものを好きなだけ食べるような生活をしてしまえば、そもそも何の意味もないですよね。
数日間絶食をする程度では、対処に効果は現れません。
普段は危険な運転をしながら初詣で交通安全を祈る
年が明けると初詣に出かけ、家内安全や交通安全をお祈りするという経験を持つ人もたくさんいるのではないでしょうか。
交通安全は非常に大切ですよね。
初詣の際に車に飾るお守りなどを新調するという人もいるかもしれません。
しかし、どれだけ交通安全のお守りを飾ったとしても、普段から乱暴な運転をしていたら何の意味もありません。
また、初詣で交通安全を祈った日だけ安全運転をしたとしても仕方がないですよね。
本物の交通安全というのは、普段から安全な運転をしてこそ得られるものなのです。
「焼け石に水」の例文
- 「焼け石に水」の例文1
- 「焼け石に水」の例文2
- 「焼け石に水」の例文3
- 「焼け石に水」の例文4
「焼け石に水」の例文1
「こんな暑い日に打ち水をしても焼け石に水だ、涼しくなってからの方がいいよ」
夏になると涼を求めて打ち水をするという人も多いのではないでしょうか。
しかし、あまりにも暑い日に打ち水をしたとしても何の意味もありませんよね。
特に真夏の昼間に打ち水をしても、その水はすぐに乾いてしまい、涼しくなったりはしないものです。
それならばむしろかき氷を食べたりアイスクリームを食べたりして体の中から涼を求める方が効果的だと言えるでしょう。
「焼け石に水」の例文2
「これだけの量の仕事を1人でこなそうなんて焼け石に水だよ、手伝おうか?」
仕事をしていると、あまりにも仕事量が多すぎてなかなか1人では終わらせられないということもあるかも知れませんね。
自分の手が空いた時、誰かがあまりにもひとりでこなすのは不可能だと思えるような量の仕事を抱えていたら、手を貸そうかと思うこともあるのではないでしょうか。
社会人としては、無謀な位の量の仕事をこなさなければいけないということもあるかもしれません。
しかし、あまりにも量が多い場合、1人でやっても時間ばかりかかってなかなか終わらない、ということがあるものです。
「焼け石に水」の例文3
「そんな二日酔いに水を一杯飲んだだけでは焼け石に水だ」
大人になると、お酒を飲む機会も増えますよね。
二日酔いにかかった経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
頭痛がひどかったり吐き気がしたりする時、何とか水を飲んで仕事に行こうと思う人もいるかもしれません。
しかし、あまりにも二日酔いがひどい場合、水を一杯飲んだだけでは大した効果は得られません。
もちろん二日酔いで仕事を休むなんて社会人としては情けないと思うかもしれませんが、症状がひどい場合はそれなりの対処が必要です。
「焼け石に水」の例文4
「これだけの被災者にそれだけの食料では焼け石に水だ、もっと持っていかないと」
地震や台風などの自然災害により被害に遭ってしまった場合、必要に応じて避難しなければいけないということもあるでしょう。
地域によっても断水や停電が起こる可能性があり、もしも自分の家の被害が少ない、自分の家では断水や停電が起きていない、という状態であるならば、近くにいる断水や停電で苦労をしている友人などを助けてあげたいと思うこともあるでしょう。
避難所などに食料などを届けに行きたい、と思う人もいるかもしれませんね。
しかし、あまりにも被災者が多くなってしまうと、もっていく食料の量なども考えなければいけなくなります。
もちろん、現実には少しの量でもありがたいものですが、被災地には多くの非常物資が必要となります。
いかがでしょうか。
「焼け石に水」というのはあくまでもわずかな量では何の意味もないやるならば徹底的にやらなければいけない、という教訓をも持ち合わせているということを覚えておきましょう。
また、先ほども述べた通りこれは決して「効果がない」という意味ではありません。
あくまでも「ちょっとの量ではあまり効果が得られない」という意味であるということを理解した上で使う必要があります。
このようなことわざは特にビジネスの場で使うと印象も良くなりますので、機会があればぜひ使ってみてはいかがでしょうか。
また、「焼け石に水」と言う表現の類義語や対義語も合わせて覚えておけると良いでしょう。