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「二階から目薬」の意味とは?反対語や使い方、例文や例えを紹介!

「二階から目薬」という表現を聞いたことがあるでしょうか。

これは「京都いろはかるた」でも使われている表現ですので、聞いたことがある、聞き覚えがある、と言う人もいるかもしれませんね。

ここでは「二階から目薬」という表現について紹介します。

二階から目薬

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「二階から目薬」の意味とは?反対語や使い方、例文や例えを紹介!>


目次

  • 「二階から目薬」の意味とは?
  • 「二階から目薬」の類義語
  • 「二階から目薬」の対義語
  • 「二階から目薬」の状態とは
  • 「二階から目薬」の例文
  • 「二階から目薬」の英語


「二階から目薬」の意味とは?

「二階から目薬」の意味とは?
  • 「二階から目薬(にかいからめぐすり)」の意味について
  • 「二階から目薬」の誤った使い方
  • 「二階から目薬」の由来

「二階から目薬(にかいからめぐすり)」の意味について

「二階から目薬」というのは、「物事が思うようにいかなくてもどかしいさま」を指しています。

場合によっては回りくどくて効果がなかなか得られない、ということを指す場合もあります。

目薬は自分でもなかなかさせない、という人もいるのではないでしょうか。

二階にいる人が下の階にいる人に対して目薬をさそうと思っても、ますます命中することはないですよね。

そこから物事が思うようにいかない様子をさすようになったのです。

「天井から目薬」という言い方をすることもあります。

「二階から目薬」の誤った使い方

確かに「物事がうまくいかずにもどかしい」という意味ですが、決して「まぐれ当たり」とは意味が異なりますので注意が必要です。

例えば「埋蔵金を発掘するなんて、本当に二階から目薬だね」などという使い方はしません。

「二階から目薬」の由来

江戸時代、1700年に出来上がった書物「風流御前義経記」の中に「二階から目薬さす仕掛け、さりとは急な恋ぞかし」という句が書かれました。

これが「二階から目薬」の由来になったといわれています。

この時代の目薬は今のような液体のものではなく、軟膏でした。

軟膏であっても「二階から目薬」をさすのはなかなか大変ですよね。



「二階から目薬」の類義語

「二階から目薬」の類義語
  • 「月夜に背中炙る」【つきよにせなかあぶる】
  • 「遠火で手を炙る」【とおびでてをあぶる】
  • 「灯明で尻を炙る」【とうみょうでしりをあぶる】
  • 「焼け石に水」【やけいしにみず】

「月夜に背中炙る」【つきよにせなかあぶる】

「月夜に背中炙る」というのは、熱を持たない月の光で背中を温めようとすることを指しており、転じて回りくどくて効果がない事を指します。

誰でも真夏に日焼けした経験を持つのではないでしょうか。

昼間、太陽の光を浴びると温かいですよね。

しかし、だからと言って月の光でも同じことができるかと言えば、そんなことはありません。

月の光で背中を温めようとしてもうまくはいきませんよね。

「月夜に背中炙る」というのは、転じて「間違った見当はずれ」という意味で使われることもあります。

「遠火で手を炙る」【とおびでてをあぶる】

「遠火で手を炙る」という表現も「月夜に背中炙る」と似ており、「遠くにある火で手を温めようとしても意味がない」「回りくどくて効果がない」という意味になります。

火で手を温めようとするならば、やはり手を近付けなければ意味がありませんよね。

やり方が間違っている、手ぬるいなどという理由で効果がない事を指しています。

「灯明で尻を炙る」【とうみょうでしりをあぶる】

「灯明で尻を炙る」という表現も同じく、手段を誤っているために全く効果が出ないことをさします。

焚火で背中を炙るととても温かく感じますが、ろうそくのような弱い火でお尻を炙ろうとしても少しも温かいとは思いませんよね。

やり方が間違っていて効果が出ない場合に使うことができる表現です。

「焼け石に水」【やけいしにみず】

「焼け石に水」というのは、わずかばかりの努力や援助では効果がほとんど期待できない、という状態を指します。

石は焼けるととても熱くなりますよね。

そんな熱くなった石に少しばかりの水を掛けたとしても、水は蒸発してしまうばかりで石を冷ますことは全然できません。

そのため、そんな少しばかりの努力では効果がない、という状態を指すのです。

ちなみに「相手に対して効き目がない」という使い方は誤用になります。

例えば「どれだけ相手を説得しても焼け石に水だ」という使い方はしません。

「二階から目薬」の対義語

「二階から目薬」の対義語
  • 「泣く子に乳」【なくこにちち】
  • 「猫にまたたび」【ねこにまたたび】
  • 「麻姑掻痒」【まこそうよう】

「泣く子に乳」【なくこにちち】

「泣く子に乳」とは、そのやり方が非常に効果的であるときに使われる表現です。

泣く子供に母乳やミルクを与えれば、高い確率で泣き止みますよね。

「泣く子に乳」という表現から十分想像がつく、という人もいるでしょう。

このようにやり方が効果的である、という表現は「二階から目薬」の対義語と言えます。

「猫にまたたび」【ねこにまたたび】

「猫にまたたび」という表現は非常に好きなものの例えであり、それを与えれば効果が非常に高いということを指しています。

猫にとって、またたびは大好物ですよね。

そこから好きなものを与えることで非常に高い効果を得ることができる場合に使われます。

「猫にまたたび」の後に「お女郎に小判」「泣く子に乳」などという言葉を繋げることもあります。

「麻姑掻痒」【まこそうよう】

「麻姑掻痒」という表現も「二階から目薬」の対義語として使われます。

これは痒いところに手が届く事、物事が思い通りになることを指します。

「麻姑」とは中国の伝説に出てくる仙女のことで、鳥のような長い爪を持っていると言われています。

そのため、痒い所を掻くのに適しているのです。

ちなみに私たちが背中を掻くために使う孫の手の「孫」「麻姑」から来ていると言われています。

決して「孫が背中を掻いてくれる」という意味ではないのです。



「二階から目薬」の状態とは

「二階から目薬」の状態とは
  • 外面だけではなく内面を磨く必要がある場合
  • どれだけ怒られても効き目がない人
  • お金を湯水のように使う人

外面だけではなく内面を磨く必要がある場合

最近、婚活という言葉がありますよね。

結婚年齢が上がったことにより結婚のハードルが上がり、結婚活動をする人が増えました。

しかし、どれだけ着飾っても、どれだけブランドものを身に付けたとしても、それだけで恋人や結婚相手を見つけることはできません。

外見だけ美しくしても、中身が全然!という状態ではだめですよね。

例えばお金に関してがめつい、言葉遣いがきつい、相手を馬鹿にした言動をとる、という人がどれだけ美しく着飾ったとしても、それこそ「二階から目薬」です。

やはり内面を磨いてこそ、良い人と出会える可能性が高まります。

どれだけ怒られても効き目がない人

小学校や中学校で、どれだけ先生に怒られても効き目がないクラスメートはいませんでしたか?呆れるほどに何度も怒られている、それでもへらへらとしていて全然効き目がない、という人は実はあまり珍しくありません。

そんな状態の人に真剣に叱ることはまさに「二階から目薬」と言えるでしょう。

どれだけ叱られても平気な人にどれだけ真剣になってしかってもあまり効果は期待できませんね。

お金を湯水のように使う人

お金の使い方が荒く、借金ばかりしている人にどれだけ「今回だけだよ」「これだけだよ」とお金を貸しても意味はありません。

例えその人が「今回だけお金を貸して欲しい」「このお金で借金を返済し、これからはまっとうに生きる!」と言ったとしても、余り説得力はありませんよね。

むしろ、再度お金を貸したとしてもまたお金を使ってしまい、更なる借金を増やしてしまうだけかもしれないのです。

そのような人にお金を貸すことも「二階から目薬」と言えるでしょう。

「二階から目薬」の例文

「二階から目薬」の例文
  • 「そんな勉強の仕方は二階から目薬だ」
  • 「新しいスマホを買うためにはおこずかいでは二階から目薬だ」
  • 「政府の経済政策で国民の生活を潤そうなんて、二階から目薬だ」

「そんな勉強の仕方は二階から目薬だ」

学生時代は誰でも勉強をしなければなりません。

そして、誰もが試験を受けなければなりませんよね。

自分なりの勉強法を見つけて試験の対策をしていくのです。

しかしそんな時、例えば英語の単語テストの直前にテスト勉強をしていると言い張りながら単語を1回ずつノートに書き出す程度ではあまり効果がありません。

「そんな勉強の仕方は二階から目薬だ」という言い方ができます。

「新しいスマホを買うためにはおこずかいでは二階から目薬だ」

最近は様々な機能を持ち合わせたスマホが出回っていますよね。

中には10万円を超えるものもあります。

もちろん格安スマホなどもありますが、人によってはどうしても高いスマホが欲しいと思う人もいるのではないでしょうか。

しかし、例えば何万円とするスマホを購入したいと思っても、おこずかいでは足りない、と思うこともあるでしょう。

そんな時は「おこずかいでは二階から目薬だ」と言えます。

ただしスマホは購入した後も月々お金がかかりますから、注意が必要ですよ。

「政府の経済政策で国民の生活を潤そうなんて、二階から目薬だ」

経済が不況となり、政府は様々な方法で経済を好況な状態にしようと試みていますよね。

しかし、なかなかうまくはいきません。

仮に給料を減らして税金を上げ、そのお金を国民に還元したとしても、人々はそのお金を貯蓄しようとする傾向があります。

政府の対策程度では国民の生活は良くならない、少なくとも短期的に改善はされない、等という場合に「政府の対策では二階から目薬だ」という言い方ができます。

「二階から目薬」の英語

「二階から目薬」の英語
  • “quite useless”
  • “totally ineffective”
  • “eye drops from the second floor”にはならない!

“quite useless”

例えば「その政策は二階から目薬だ」という場合、“That strategy will be quite useless”ということができます。

これは「極めて役に立たない」という意味です。

“totally ineffective”

「その勉強法は二階から目薬だ」と言いたいならば、“That way to study is totally ineffective”ということができます。

“totally ineffective”“quite useless”に比べると格式張っており、口語よりも文語で使われることが多いです。

“eye drops from the second floor”にはならない!

「二階から目薬」という表現を直訳して“eye drops from the second floor”と言っても意味は通じません。

これはことわざですから、直訳しても意味がないのです。

英語に訳す時には「二階から目薬」の意味通りに訳す必要があります。

icon まとめ

いかがでしょうか。

「二階から目薬」というのはあくまでも回りくどくて効果が期待できない場合に使われる言葉であり、決して全く効果が期待できないことではありません。

確かに二階から下の階にいる人に向けて目薬をさそうとしたら、絶対に成功しないということはありませんよね。

しかし命中させるのはかなり大変です。

そこからできたことわざですから、「全く意味がない」という意味ではないのです。

類義語や対義語と合わせて覚えておき、日常的に使うことができると良いですね。

また、何か物事をする時には回りくどい方法ではなく、効果的な方法を選びたいものです。