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「水を差す」の意味とは?読み方、類語や使い方、英語や対義語を紹介!

「水を差す」という表現を知っているでしょうか。

邪魔をする、敢えて意地悪をする、として知っているひともいるかもしれませんね。

ここでは「水を差す」という表現の意味や使い方について解説します。

水を差す

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「水を差す」の意味とは?読み方、類語や使い方、英語や対義語を紹介!>


目次

  • 「水を差す」の意味とは?
  • 「水を差す」の類語や似た言葉
  • 「水を差す」の使い方
  • 「水を差す」の対義語
  • 「水を差す」の英語
  • 「水を差す」人の心理


「水を差す」の意味とは?

「水を差す」の意味とは?
  • 「水を差す」の語源
  • 「水を差す」の読み方

「水を差す」の語源

「水を差す」というのは、「順調にいっている物事に第三者が邪魔をする」という意味を持ちます。

また、「仲が良い人たちの間を仲違させたり、恋人同士を仲違させたりすることを指す」こともあります。

「熱いお湯や濃い物には水を入れてぬるくしたり薄めたりします」

このことから「水を差す」というのです。

銭湯などで熱いお湯に漬かり、のんびりしている人がいたとしましょう。

そこに「熱いお湯は苦手」という人が現れて水を入れてしまったら大変ですよね。

水を入れようとした瞬間、「こらっ!」と怒鳴られてしまうかもしれません。

つまり、熱いお湯が好きだと言う人にとっては、お湯をぬるくされたらお風呂を楽しめなくなってしまうのです。

「水を差す」の読み方

「水を差す」「みずをさす」と読みます。

「水を注す」と書いて「みずをさす」とすることもありますが、「水を注ぐ」と書いて「みずをそそぐ」とは言いません。



「水を差す」の類語や似た言葉

「水を差す」の類語や似た言葉
  • 「横槍を入れる」【よこやりをいれる】
  • 「話の腰を折る」【はなしのこしをおる】
  • 「茶々を入れる」【ちゃちゃをいれる】
  • 「出鼻をくじく」【でばなをくじく】

「横槍を入れる」【よこやりをいれる】

「水を差す」というのは邪魔をする、という意味ですが、その類義語には「横槍を入れる」というものがあります。

これは同時に横から口出しをする、人の話を妨害する、という意味の言葉です。

人が何かについて話をしていたり、何かしていたりする時に関係のない第三者が口を挟み、その言動を妨害することを指します。

この言葉は戦いの場において、合戦をしている双方の左右から別の一隊が襲い掛かってくることから来ています。

戦いをしている2人の左右から関係のない一隊が攻撃して来たら、2人の戦いが台無しになってしまいますよね。

ちなみに口出しされることは「横槍が入る」という言い方をします。

「話の腰を折る」【はなしのこしをおる】

これは「話の腰を折る」だけではなく「腰を折る」という場合もあります。

そしてこれは、人が話をしている時に口を挟んで邪魔をすること、人の話を遮ること」という意味を持ちます。

腰というのは動物の体の中ではとても大切ですよね。

腰を痛めれば座るにも立つにも支障が出ます。

腰を折ってしまったら動くことさえできません。

このように腰というのは大切だからこそ、大切な話を妨害された場合には「腰を折られる」という表現をするのです。

「茶々を入れる」【ちゃちゃをいれる】

「茶々(ちゃちゃ)を入れる」という表現は、決して「ちゃちを入れる」のとは違います。

茶々とは冷やかし、邪魔、という意味で、「茶々を入れる」というのは邪魔をする、水を差す、という意味と同義になります。

これには由来が2つ考えられています。

まず、大河ドラマ「姫たちの戦国」でも話題になりましたが、戦国時代において、誰もが知る豊臣秀吉の側室が「茶々」という人物でした。

彼女は織田信長の姪に当たり、母、市の3人娘の長女でもありました。

そのような力を持った女性が豊臣秀吉を尻に敷いたということで、「茶々を入れる」と言うようになったとも言われています。

また、「邪魔をする」「邪」「茶」になり、「茶々を入れる」と言うようになったのではないかとも言われています。

「邪邪」「無理わがままをいうこと」「無理やりねだること」「いたずらに騒ぎまわること」という意味を持ちます。

「出鼻をくじく」【でばなをくじく】

「出鼻をくじく」或いは「出端をくじく」と書く場合もありますが、これは意気込んでやり始めたところを邪魔する、という意味があります。

「出端」は出ようとする途端、という意味を持ちます。

「水を差す」の使い方

「水を差す」の使い方
  • 「水を差すようで悪いのだけれど」
  • 「彼女はすぐ水を差すから嫌なんだよね」

「水を差すようで悪いのだけれど」

相手が何か盛り上がって話をしている時などは、例えその話題が間違っていると思ったとしても、相手の話を否定するのはつらいものですよね。

例えばクラスメートが「ちょっと聞いた!?職員室にすっごく可愛い女の子がいたよ!転校生らしくて、どうやらこのクラスに来るらしい!」と盛り上がっていたとしましょう。

しかし、実際はその可愛い女の子は転校生の姉弟の姉の方で、自分のクラスに来るのはその弟の方だったとします。

そんな時、「水を差すようで悪いんだけれど、うちのクラスに来るのは弟の方だよ」と言えます。

相手の話の邪魔をしなければならない場合、「水を差すようで悪いのだけれど」「水を差すようで申し訳ないのですが」とクッション言葉として用いることができます。

「彼女はすぐ水を差すから嫌なんだよね」

いつの世も、誰かの話の邪魔をする人は存在しますよね。

どれだけ大切な話をしていてもすぐに話題を変えてしまう人は考え物です。

すぐに話題を変えてしまう人、すぐに自分の話にしてしまう人、話の流れについて行けずに話が盛り上がっているところを盛り下げてしまう人、などのことを「あの人は水を差す」という言い方をすることができます。

「水を差す」というのは良い意味で使われることはありません。

「水を差す」とはあくまでも批判的な表現なのです。



「水を差す」の対義語

「水を差す」の対義語
  • 「火に油を注ぐ」
  • 「駆け馬に鞭」
  • 「鬼に金棒」
  • 「虎に翼」

「火に油を注ぐ」

「火に油を注ぐ」というのは「水を差す」の対義語と言えるでしょう。

「火に油を注ぐ」というのは、元々勢いが激しいものにたいしてさらに勢いを加えることを指します。

もともと勢い良く燃えている火に油を注ぐと、その勢いはさらに増しますよね。

「火に油を注ぐ」とは、もともとあまり良くないことをさらに盛り上げてしまうこと、その結果を望ましくないものにしてしまうこと、というニュアンスがあります。

良い結果などには使いません。

例えば、「彼女は調子に乗って更に火に油を注いでしまった」などと、マイナスな意味で使います。

「油紙に火がついたよう」とは別の表現です。

「駆け馬に鞭」

「駆け馬に鞭」というのは、もともと勢いがある者や強い者に対して力を加えることにより、さらに勢いを増すこと、勢いを激しくすることを指します。

走っている馬に鞭を打つと、その馬はもっと速く走りますよね。

ここからこの表現が生まれました。

「駆ける馬に(も)鞭」ということもあります。

「鬼に金棒」

多くの人がカルタなどで聞いたことがある表現なのではないでしょうか。

これは江戸いろはかるたの一つです。

「鬼に金棒」というのは、強い者が何か武器のような物を得て、さらに強くなることを指します。

もともと鬼は強いですから、鬼というだけで人間は素手では敵いません。

しかしそんな鬼が鉄の棒まで手にしてしまったら、尚更人間は立ち向かうことができませんね。

強い者が良い条件を得て、更に強くなることを指します。

「鬼に金棒、弁慶に薙刀」という場合もあります。

「鬼に鉄棒」と書く場合もありますが、読み方はあくまでも「かなぼう」であり、「てつぼう」とは読みません。

「虎に翼」

「虎に翼」はあまり聞いたことがないという人もいるかもしれませんね。

これももともと強い者や勢いがある者にさらに力が加わり、その勢いを増すことを指します。

虎は強い動物です。

そんな虎に翼が生えたら更に力が加わります。

ここだけ聞くと「かっこいい!」と思う人もいるかもしれませんが、「虎に翼」はあくまでも好ましくないものに対して使われることが多いです。

「虎に羽」「虎に角」という場合もあります。

『韓非子・難勢』には「虎のために翼をつくることなかれ」という表記があります。

「水を差す」の英語

「水を差す」の英語
  • “To put / throw water in one’s wine. ”(酒の中に水を入れる)
  • “Rain on one’s parade” (パレードに雨が降る)

“To put / throw water in one’s wine. ”(酒の中に水を入れる)

お酒やワインの中に水を入れてしまったら、お酒やワインが台無しになってしまいます。

ここから、「水を差す」という表現として使われることがあります。

“Rain on one’s parade” (パレードに雨が降る)

パレードと言えば、誰もが楽しめるものですよね。

ディズニーランドなどでパレードを楽しんだ経験がある人も多いのではないでしょうか。

しかし、そんなパレードが楽しめるのは晴れているからこそです。

パレードの最中に雨が降ってしまったら、せっかくのパレードが台無しです。

ここから「パレードに雨が降る」という表現を「水を差す」として使うのです。

「水を差す」人の心理

「水を差す」人の心理
  • 無神経
  • 自分の存在をアピールしたい
  • 自信家
  • 嫉妬深い人

無神経

そもそも話が盛り上がっているところをなぜ「水を差す」ようなことをしてしまうのでしょうか。

また、「水を差す」人はその行為が問題だということに気付いていない傾向があります。

「水を差す」人は誰に対しても「水を差す」傾向があります。

そしてそのような人は、心理的に無神経であると言えるでしょう。

人間、例え相手の話を否定しなければならないなどと思ったとしても、やはり「盛り上がっているところを申し訳ないかな」などと考えるものです。

しかし「水を差す」人はそのようなことは考えませんし、そこまで配慮はしないのです。

自分の存在をアピールしたい

中には、常に自分が話題の中心でありたいと考える人もいます。

自分以外の誰かが話題の中心になっていたらおもしろくない、自分以外の誰かに注目が集まっていたらおもしろくない、だからこそ、そのような時には話題を変えて自分の話に持って行ってしまう、という場合もあります。

自分を見て欲しい、人目を惹きつけたい、などという思いがあることがあります。

自信家

自分に自信がありすぎる人も要注意です。

そのような人は「自分は絶対に正しい」と思っている傾向がありますので、相手の話に口出ししすぎてしまうことがあるのです。

また、自分の考えを知らずしらずのうちに押し付けたり、人の話を聞かなかったりすることがあります。

自分の考え方が正しい、周りもそれに従うべき、と思っている人はよく「水を差す」傾向にあります。

嫉妬深い人

また、「水を差す」というのは人間関係を壊す場合にも使われる表現です。

せっかく恋人とうまくいっていたり、周りと良い関係を築いていたりする人に対して「水を差す」人は、「あの人がうまくいっておもしろくない」「あの人が幸せになるなんて許せない」などという嫉妬心を抱えている場合があります。

icon まとめ

いかがでしょうか。

「水を差す」人は周りから敬遠されることがありますので、自分自身はぜひ「水を差す」ことがないようにしたいものです。

話を敢えて盛り上げる必要はないですが、常識的な範囲で相手の話についていける人間でありたいものです。

ただ、相手が明らかに間違った内容で盛り上がっている場合に「水を差すようで申し訳ないのですが」「水を差す」ことに関しては、この限りではありません。