「吝かでない」の意味とは!類語や例文など詳しく解釈
政治家や有識者が「吝かでない」という言葉を使うことがあります。
一体どの様な意味なのか、類語や例文なども併せて紹介します。
目次
- 「吝かでない」の意味
- 「吝かでない」の表現の使い方
- 「吝かでない」を使った例文と意味を解釈
- 「吝かでない」の類語や類義語
「吝かでない」の意味
「吝かでない」の意味は、「何かをする努力を惜しまない」「何かを喜んでする」ということです。
「ない」と否定の言葉ですのでネガティブな意味に聞こえますが、「是非やりたい」というポジティブな意味の言葉です。
政治家などが言葉を曖昧にする為に「するのは悪いとは言えない」という意味に使うことがありますが、こちらは誤用であり、本来自ら積極的に行動することを表すのです。
- 「吝かでない」の読み方
- 「吝かでない」の語源
「吝かでない」の読み方
「吝かでない」の読み方は、「やぶさかではない」になります。
非常に難しい読み方ですので、多くの場合は平仮名表記されています。
「吝かでない」の語源
「吝かでない」の語源は、2つの説があります。
1つ目は、平安時代に使われてた「やふさがる」という動詞で、「物惜しみする」という意味があります。
2つ目は、同じく平安時代に使われていた「やふさし」という形容詞で「けちである」という意味があります。
これらの語幹の「やふさ」に「その様な状態・性質であること」という意味の接尾語「か」がついて、「やふさか」になり、更には濁音が入って「やぶさか」になったのです。
「やぶさかでない」は「物惜しみしない」「けちではない」という意味から「努力を惜しまない」という意味で使われる様になりました。
「吝かでない」の表現の使い方
「吝かでない」の表現の使い方を紹介します。
- 文法的な使い方
- 誤用に注意
文法的な使い方
「吝かでない」は形容詞ですので、文末にそのまま使えます。
副詞として使う時には「吝かでなく」となります。
誤用に注意
意味の章で紹介した通り、「吝かでない」は「何かを喜んでする」という意味があります。
しかし最近では「どちらかと言えばやってもいい」「やらないとは言わない」など、あいまいな表現として使われることが多くなっています。
この背景として、日本では謙遜するのが美徳であり、はっきりと自己主張をするのははしたないという考え方があるからです。
その為に「喜んでやります」と言わずに「吝かでない」という否定形を使っていたところ、段々と誤用される様になってしまったのです。
「吝かでない」を使った例文と意味を解釈
「吝かでない」を使った例文とその意味を解釈していきます。
- 「吝かでない」を使った例文1
- 「吝かでない」を使った例文2
「吝かでない」を使った例文1
「取引先から出された条件を受け入れるのは吝かではない」
取引先から提示された条件がおもいがけず良く、是非受け入れて契約を結びたいという意味です。
「吝かでない」を使った例文2
「彼のアイデアを試してみるのも吝かではない」
人のアイデアを試してみたい、是非試してみようと思う気持ちを表しています。
「吝かでない」の類語や類義語
「吝かでない」の類語や類義語を紹介します。
- 「前向きの姿勢で」【まえむきのしせいで】
- 「協力を惜しまない」【協力を惜しまんない】
「前向きの姿勢で」【まえむきのしせいで】
「ものごとに対して積極的に行動していこうと思うこと」という意味です。
「協力を惜しまない」【協力を惜しまんない】
「相手の意見や立場に賛同して力を貸したいと思っていること」という意味です。
「吝かでない」は「何かをする努力を惜しまない」「何かを喜んでする」ということです。
誤用に注意して正しく使える様にしましょう。