「腕を拱く」の意味とは!類語や言い換え
日常会話や文章の中で「腕を拱く」という言葉を見聞きすることがあります。
一体どの様な意味なのか、語源や例文なども併せて紹介します。
目次
- 「腕を拱く」とは?
- 「腕を拱く」の具体例や表現の使い方
- 「腕を拱く」を使った例文と意味を解釈
- 「腕を拱く」の類語や類義語・言い換え
「腕を拱く」とは?
「腕を拱く」の概要について紹介します。
- 「腕を拱く」の読み方
- 「腕を拱く」の意味
- 「腕を拱く」の由来
「腕を拱く」の読み方
「腕を拱く」は「うでをこまねく」と読みます。
「拱くは昔からある言葉で、元々は「こまぬく」と読んでいました。
その為に辞書によっては「うでをこまぬく」が正しいとしているものもあります。
但し、最近では「こまねく」と読むことが多く、どちらで読んでも許容されています。
「腕を拱く」の意味
「腕を拱く」の意味は「何もせずに他人の様子をひたすら見ていること」です。
自分の周囲で何かしらのもとごとが起きているのは分っているのですが、手出しや口出しをせずに他人が行動する様子を見ているだけの状態を言います。
「腕を拱く」の由来
「腕を拱く」の由来は、中国式のあいさつである「拱手(きょうしゅ)」からきています。
「拱手」とは中国式のあいさつの方法で、ひじを上げた状態で両手の指を伸ばしまま胸の前に出して組み合わせるもので、相手に対して敬意を払う意味があります。
この動作が日本に伝わり、何故か「腕を組む」と解釈されてしまい、「腕を組む=手を出さずに傍観する」という意味で使われる様になったのです。
「腕を拱く」の具体例や表現の使い方
「腕を拱く」の具体例を紹介します。
- 自分一人で解決できない問題に対して
- やればできるのにやらない様子に対して
自分一人で解決できない問題に対して
非常に困難な問題が起きて、自分ではどうにもできない時に使われます。
どうして良いか分らずにただ見ているだけの状態です。
やればできるのにやらない様子に対して
やろうと思えばできる能力がある、或いは今やるべきなのに何もせずに傍観している時に使われます。
周囲から見て冷たい、無責任だと思われている時の表現です。
「腕を拱く」を使った例文と意味を解釈
「腕を拱く」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「腕を拱く」を使った例文1
- 「腕を拱く」を使った例文2
「腕を拱く」を使った例文1
「自分の担当ではないので腕を拱いて見ているしかない」
ビジネスで何らかの問題が起きたのですが、自分の担当ではないので勝手に手出しをする訳にはいきません。
心配に思いながらも見守っている様子を表しています。
「腕を拱く」を使った例文2
「月末になってからでは遅いのに未だに腕を拱いている」
何らかの問題が発覚して、月次決算までに何とかしないといけないのに、何もせずに放ってある状態を表しています。
損益表がおかしくなるので経理からとやかく言われるのは必至です。
「腕を拱く」の類語や類義語・言い換え
「腕を拱く」の類語を紹介します。
- 「高みの見物」【たかみのけんぶつ】
- 「対岸の火事」【たいがんのかじ】
「高みの見物」【たかみのけんぶつ】
「自分は直接関係ないという立場で、興味本位に成り行きをみていること」という意味です。
「対岸の火事」【たいがんのかじ】
「他人にとって大きな影響を受けることでも、自分にとっては痛くもかゆくもない」という意味です。
「腕を拱く」は「何もせずに他人の様子をひたすら見ていること」という意味です。
何も手出しが出来ない時や、手出しをしたくない時に使ってみましょう。