「スタグフレーション」とは?意味や「インフレーション」との違い・具体例まで詳しく解説!
この「スタグフレーション」は、「インフレーション」の一種で、経済を語る上でよく一緒に用いられる言葉です。
目次
- 「スタグフレーション」とは?
- 「スタグネーション」とは?
- 「インフレーション」とは?
- 「スタグフレーション」の過去に起こった具体例
「スタグフレーション」とは?
「スタグフレーション」とは、景気は停滞(下降)気味なのにも関わらず、物価が上がることを指して使います。
景気が停滞するという意味の「スタグネーション」と、物価が上がることの「インフレーション」の2つを合わせて作られた造語です。
つまり、その2つが同時に起こっているという意味で使う言葉で、よく聞く「インフレーション」より経済的に悪い状態だと表現していいでしょう。
「スタグネーション」とは?
スタグネーションは上のように、景気が停滞することです。
「停滞」(その状態で留まっている)という言葉ながら、実際には下降気味のことを指して使うことが多く、「ここ数年の経済は、ずっとスタグネーション気味だ」といったように使う言葉です。
その為、ほとんどの場合でいい意味では使われません。
「インフレーション」とは?
このインフレーションは、「インフレ」と略されて使われることが多い言葉です。
「インフレ」は聞いたことがあっても、それがこのインフレーションの略だとは知らなかったという人も居るでしょう。
インフレーションとは、実際のその物の価値より価格が上昇することで、特に需要が多くなったり、生産量が少なくなったといったような価格が上がる要因が何もないのに、値上げが行われることを指します。
単に値上げのことだと思われているかも知れませんが、それにきちんとした理由(納得がいかないとしても、値上げする側から見た相応の理由)があった場合には、このインフレーションとは言いません。
「スタグフレーション」の過去に起こった具体例
日本では、過去に三度、このスタグフレーションが起こっています(大きなものではない類似例は含めていません)。
- 「昭和恐慌」によるスタグフレーション
- 「オイルショック」によるスタグフレーション
- 「サブプライムローン問題」によるスタグフレーション
「昭和恐慌」によるスタグフレーション
この「昭和恐慌」によるスタグフレーションは、1927~1930年に起こりました。
そのように呼ばれて世界的に経済が冷え込む中、日本でも、日本銀行が各民間銀行の救済の為に紙幣を大量に発行したことで、貨幣価値の下落に繋がってしまい、株価の急落にも繋がることになりました。
それに、昭和初期の物の需要から起こったインフレーションが重なったことが原因だとされています。
「オイルショック」によるスタグフレーション
1970年代の初期に、石油の世界的な需要が一時的に減少したことで、それが原料となっている紙製品が品薄になった現象を「オイルショック」と呼んでいます。
それによって、石油製品各種の値段が上がり、他の物もつられるように値上げが横行し、インフレーションを招いてしまいました。
景気自体は停滞気味だった中でもことだったので、スタグフレーションだと表現されています。
「サブプライムローン問題」によるスタグフレーション
これは記憶に新しい事例で、2008年にサブプライムローン問題(銀行や融資会社が大量の不良債権を抱えてしまった問題)により、世界的に経済への影響が大きかったアメリカのリーマン・ブラザーズという投資会社が倒産してしまいました。
日本でも、これによる株価の暴落によって景気が悪くなることになりましたが、物価は上昇気味だった時期だったので、正にスタグフレーションとなってしまいました。
スタグフレーションは、景気の停滞(悪くなる)中に、これという確たる理由もなく物の値段がその本来の価値以上に上がってしまうという、経済的にとても悪い現象を指して使う言葉です。