「犬兎の争い」とは?意味や類語!例文や表現の使い方
「犬兎の争い」という慣用句を知っているけれども意味までよく分らないという人もいるでしょう。
意味や語源などを紹介しますので、これを機に覚えておきましょう。
目次
- 「犬兎の争い」とは?
- 「犬兎の争い」の語源や由来
- 「犬兎の争い」の表現の使い方
- 「犬兎の争い」を使った例文と意味を解釈
- 「犬兎の争い」の類語や類義語・言い換え
「犬兎の争い」とは?
「犬兎の争い」の概要について紹介します。
- 「犬兎の争い」の読み方
- 「犬兎の争い」の意味
「犬兎の争い」の読み方
「犬兎の争い」は「けんとのあらそい」と読みます。
「犬兎」で「けんと」と読むのは難しく、耳で聞いてもすぐにイメージできる人は少ないので、これを機に覚えてしまいましょう。
「犬兎の争い」の意味
「犬兎の争い」の意味は「当事者同士が争っている間に、第三者に利益を横取りされてしまうこと」です。
当事者同士が争っている時には、熱くなってしまい周囲の状況が分らなくなってしまうものです。
その様な時にそれまで黙って傍観していた第三者が目の前の利益をいつの間にか自分のものにしてしまうことを言います。
利益を横取りした第三者は決してずるいことをしたのではなく、目の前にある絶好のチャンスを逃さなかっただけで、争
っていた当事者達は唖然とするしかありません。
この様な状態を「犬兎の争い」といい、争っていた当事者達の愚かな様子を表しています。
「犬兎の争い」の語源や由来
「犬兎の争い」の語源は、中国の「戦国策(斉策)」に記載されている寓話からきています。
足の速い犬がすばしこい兎を追いかけ回しました。
犬はしつこく追い回し、兎はとにかくすばしこく逃げ回り、お互い山を何度も駆け登ったり降りたりして長時間に及ぶ攻防を繰り広げました。
そのうちに段々と犬も兎も疲れ果ててしまい、お互いが動けなくなってしまったのです。
そこへ農夫が通りかかり「丁度良かった」と犬も兎も軽々と捉えて持ち去りました。
この寓話は「両者が争っている間に第三者が利益をせしめてしまうことになる」という教訓であり、その意味で使われる様になりました。
「犬兎の争い」の表現の使い方
「犬兎の争い」という言葉は、ビジネスで非常につまらない争いをしている人達に対して使えます。
同じ社内で争っている間にライバル会社に先を越されて似た様な新商品を発売されてしまったり、顧客を取られてしまう時に使えます。
「同じ志を持つ従業員同士が争うのはムダで、ライバルに付けいる隙を与えることになる」としてつかってみましょう。
「犬兎の争い」を使った例文と意味を解釈
「犬兎の争い」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「犬兎の争い」を使った例文1
- 「犬兎の争い」を使った例文2
「犬兎の争い」を使った例文1
「彼女は友達とバッグを争っている間に他人に買われてしまい、正に犬兎の争いになった」
女友達と買い物に出かけたら、たまたま欲しいバッグが同じでどちらも譲ろうとしませんでした。
バッグを横目で見ながら「私が買いたい」「私も欲しいと思っていた」と争っているうちに、他人がきてさっと買ってしまったことを表しています。
「犬兎の争い」を使った例文2
「大手のレストランが2件犬兎の争いで消えてしまい、残った小さな定食屋が繁盛している」
大手のレストランが2件あったのですが、どちらもオシャレなコース料理やデザートで張り合いお客を奪い合いしていました。
ところが頑張り過ぎてどちらも経営が続かなくなり、閉店してしまったのです。
その結果小さな定食屋にお客が流れる様になり繁盛していることを表しています。
「犬兎の争い」の類語や類義語・言い換え
「犬兎の争い」の類語を紹介します。
- 「漁夫の利」【ぎょふのり】
- 「田父之功」【でんぷのこう】
「漁夫の利」【ぎょふのり】
「両者が争っている間に第三者が利益を横取りすること」で、「犬兎の争い」と同じ意味です。
「田父之功」【でんぷのこう】
「でんぷのこう」と読み、こちらも意味は「両者が争っている間に第三者が利益を横取りすること」です。
「田父」とは「犬兎の争い」で利益を独占した農夫のことを表しています。
「犬兎の争い」は「当事者同士が争っている間に、第三者に利益を横取りされてしまうこと」という意味です。
つまらない争いをしている人達に対するアドバイスとして使ってみましょう。