「匹夫の勇」とは?意味や類語!例文や表現の使い方
「匹夫の勇」とはどの様な意味の慣用句なのでしょうか。
語源や類語なども併せて紹介します。
目次
- 「匹夫の勇」とは?
- 「匹夫の勇」の語源や由来
- 「匹夫の勇」の表現の使い方
- 「匹夫の勇」を使った例文と意味を解釈
- 「匹夫の勇」の類語や類義語・言い換え
「匹夫の勇」とは?
「匹夫の勇」の概要について紹介hします。
- 「匹夫の勇」の読み方
- 「匹夫の勇」の意味
「匹夫の勇」の読み方
「匹夫の勇」は「ひっぷのゆう」とよみます。
読み方が意外に難しいのでこれを機に覚えてしまいましょう。
「匹夫の勇」の意味
「匹夫の勇」の意味は「ものごとを良く考えず、ただ血気盛んで力に頼るだけの勇気」ということです。
行動を起こす時には、目標や計画を立てて進めていくことが大切です。
ところがやる気だけは抜群にあるのですが、計画性が全くなく、ただ勢いを付けて力任せに行動すれば何とかなると思い込んでいる人もいます。
社会的な常識や人間関係などを無視して気合いだけで強引にすすめていこうとする精神を「匹夫の勇」と言うのです。
「匹夫の勇」の語源や由来
「匹夫の勇」の語源は、中国の有名な儒学者「孟子」の言葉からきています。
当時「斉」という国の王に対して孟子が「夫(そ)れ剣を撫(ぶ)し疾視(しっし)して曰く、彼悪(いず)くんぞ敢えて我に当たらんやと。
これ匹夫の勇、一人に敵する者なり」=「男が道理をわきまえずにむやみに刀をなでながら相手を威嚇するなど、教養のないものが見せるつまらない勇気で、一人で敵に当たる様なものです」と言いました。
「匹夫」というのは「身分が低く教養がない男性」という意味で、ここから「匹夫の勇」が引用される様になったのです。
「匹夫の勇」の表現の使い方
「匹夫の勇」は「身分が低く教養のない男性」を意味する言葉ですので、人に対して使う時には注意が必要です。
同じくらいの立場で親しい関係の人に対してアドバイスをする時に使うのは良いのですが、ビジネスで上司や先輩、取引先に使うと失礼だと思われてしまいます。
そもそも相手に対してネガティブな意味で使う言葉だということを覚えておきましょう。
また、男性を表す言葉ですので女性に対しては使いません。
「匹夫の勇」を使った例文と意味を解釈
「匹夫の勇」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「匹夫の勇」を使った例文1
- 「匹夫の勇」を使った例文2
「匹夫の勇」を使った例文1
「何もメリットを提示せずに契約を迫るなんてそれこそ『匹夫の勇』だろう」
新規の取引先と契約をする時には、相手がいかに得をするかというメリットを提示することが大切です。
ところが若い営業マンが「情熱があれば何とかなる」と思い込み、一般的な情報や条件だけで商談を進めようとしています。
それに対して上司が注意をしている時の言葉です。
「匹夫の勇」を使った例文2
「彼は『匹夫の勇』で婚活をしているけれども、もう少し女性の扱い方を勉強するべきだね」
「女性には男らしさで勝負しよう」と思い、いつでもゴリゴリと押しの態勢で婚活をしている男性がいます。
しかし婚活をするならば、女性が好む様な優しさや誠実さ、そして清潔感なども身につけるべきなのですが、全く気付いていないことに対して周囲に噂されています。
「匹夫の勇」の類語や類義語・言い換え
「匹夫の勇」の類語を紹介します。
- 「向こう見ず」【むこうみず】
- 「無鉄砲」【むてっぽう】
「向こう見ず」【むこうみず】
「将来どの様な結果になるかを考えずに、その場のノリで行動すること」という意味です。
「無鉄砲」【むてっぽう】
「あとさきを考えずに勢いだけでものごとを付き進めていくこと」という意味です。
語源は「鉄砲を持たずに戦場に乗り込んでいくこと」と思いがちですが、実は「無鉄砲」は当て字です。
本当の語源は「無点法」で、「漢文に訓点が付いていない状態で、非常に読みにくいこと」から来ています。
「匹夫の勇」は「ものごとを良く考えず、ただ血気盛んで力に頼るだけの勇気」という意味です。
親しい友達にアドバイスする時に使ってみましょう。