「鹿を追う者は山を見ず」とは?意味や類語!例文や表現の使い方
「鹿を追う者は山を見ず」は有名なことわざで、「鹿を逐う猟師は山を見ず」とも表現されます。
目次
- 「鹿を追う者は山を見ず」とは?
- 「鹿を追う者は山を見ず」の語源や由来
- 「鹿を追う者は山を見ず」の表現の使い方
- 「鹿を追う者は山を見ず」を使った例文と意味を解釈
- 「鹿を追う者は山を見ず」の類語や類義語・言い換え
「鹿を追う者は山を見ず」とは?
この「鹿を追う者は山を見ず」は、目の前の利益の為に夢中になっていると、他のことが一切気にならなくなってしまうという意味で使われます。
そのような悪い意味で用いられることわざで、誰かがそういう状態になってしまっていると注意する為に用いられることが多いです。
- 「鹿を追う者は山を見ず」の読み方
「鹿を追う者は山を見ず」の読み方
「鹿を追う者は山を見ず」は、「しかをおうものはやまをみず」と読んでください。
特に難しい漢字もないので、読み方を間違えることはないでしょう。
「鹿を逐う猟師は山を見ず」と言われることもあると書きましたが、こちらは「しかをおうりょうしはやまをみず」です。
「逐う」は「追う」の別の漢字表記で、同様の意味で使うことができます。
「鹿を追う者は山を見ず」の語源や由来
この「鹿を追う者は山を見ず」は、獲物の鹿を追って山に入っていくうちに、周りがどんな所なのか分からなくなってしまい、例えその鹿が獲れたとしても、それまで払った犠牲(時間、費用など)や、それからどうしたらいいのか(無事に戻れるのか)といった問題が山積みだという解釈になります。
語源は、淮南子(えなんじ)という前漢時代の思想書の書した「説林訓」の中の「獣を逐う者は目に太山を見ず」という一文で、これが日本に伝来し、「獣」が「鹿」と代わって先の意味のことわざとなりました。
「鹿を追う者は山を見ず」の表現の使い方
「鹿を追う者は山を見ず」は、そうなってしまっていると(もしくは、そうなりそうだと)思われる人に対して使う場合だけでなく、自らの戒めの為に使うこともあることわざです。
時には目先の利益を最優先に考えてしまうこともありますが、そのような時こそ、このことわざを思い出して、一度踏み留まることも大切です。
「鹿を追う者は山を見ず」を使った例文と意味を解釈
「鹿を追う者は山を見ず」を使った例文と、その意味の解釈です。
経営に関わることにもよく用いられることわざです。
- 「鹿を追う者は山を見ず」を使った例文1
- 「鹿を追う者は山を見ず」を使った例文2
「鹿を追う者は山を見ず」を使った例文1
「ヒット商品の量産だけに力を入れて、鹿を追う者は山を見ずということにならなければいいのだが」
目の前のヒット商品を多く販売したい気持ちも分かりますが、他の商品や新製品のこともきちんと考えないと、そのヒットが終わってしまった時に困ることになるかも知れません。
「鹿を追う者は山を見ず」を使った例文2
「あまり夢中になって、鹿を追う者は山を見ずとはならないように」
この形は、色々なシチュエーションに使うことができます。
例えば、ギャンブルに夢中になっている人に対して使ったり、ゲームに夢中になっている人にも用いることができます。
ゲームではまず利益とはなりませんが、その人にとって何より夢中になっている対象ということから、このことわざを当てはめても構いません(ゲームに夢中になり過ぎて、他のことが何も気にならなくなってしまっているという状態です)。
「鹿を追う者は山を見ず」の類語や類義語・言い換え
「鹿を追う者は山を見ず」と似た意味のことわざです。
これらには、共通したテーマがあるのが分かります。
- 「金を攫む者は人を見ず」【きんをつかむものはひとをみず】
- 「木を数えて林を忘れる」【きをかぞえてはやしをわすれる】
「金を攫む者は人を見ず」【きんをつかむものはひとをみず】
何か1つのものに夢中になっていると、他のものが全く目に入らなくなるという意味のことわざです。
先のゲームの例は、こちらの方が適しているかも知れません(「鹿を追う者は山を見ず」と表現しても、間違いではありません)。
「木を数えて林を忘れる」【きをかぞえてはやしをわすれる】
細かいところしか見ていないと、全体が分からなくなるといった意味で使われます。
目先にとらわれると、大きな対象が見えなくなるという解釈は、「鹿を追う者は山を見ず」と意味的に通じるものがあります。
「鹿を追う者は山を見ず」は、目先の利益ばかり求めることがないようにという注意喚起の為に使うことわざだと覚えておきましょう。