「脱イナゴ」とは?そもそも「イナゴ」とは?・意味や使い方・「バスケット取引」についても解説!
投資の世界には、その中だけで使われている専門用語がいくつもあります。
「脱イナゴ」もそのような用語の1つです。
目次
- 「脱イナゴ」とは?
- 「脱イナゴ」の関連語
- 「脱イナゴ」の表現の使い方
- 「脱イナゴ」を使った例文と意味を解釈
- 「バスケット取引」とは?
「脱イナゴ」とは?
「脱イナゴ」という言葉は、「イナゴ」と呼ばれる投資スタイルからの脱却を指して使います。
その為、この説明には、まず「イナゴ」の説明から始めないといけません。
投資には他にも色々なスタイルがあり、いわゆる「デイトレーダー」と呼ばれるような1日単位で収支を計算するタイプのスタイルは、「スキャルピング」と表現します。
このスタイルだと、日々きちんとした収支の計算できる代わりに、一度で大きな利益を上げるのは難しいと言われています。
「脱イナゴ」の関連語
「脱イナゴ」の説明に必要な「イナゴ」関連の言葉を解説していきます。
- 「イナゴ」投資家
- 「ツイッターイナゴ」
「イナゴ」投資家
この「イナゴ」とは、これだと思った投資対象(主に株式の銘柄)に飛び付き、それなりの利益が確保できたら(逆に、それなりの損失が出た時にも)すぐに徹底する(売却する、または購入して補填する)といったことを繰り返す投資スタイルのことです。
イナゴがエサとなる稲のある畑を転々とする様子から、そのように表現されています。
このスタイルで投資を行っている人が「イナゴ投資家」と呼ばれ、先のスキャルピング投資の周期が少し長くなったものだと考えていいでしょう。
スキャルピングと呼ばれるスタイルは、早いと購入から1時間後にはもう売却しているといったほどのスピードで投資を繰り返しますが、イナゴは、短くても1週間程度は保持し、長くても1ヶ月程度で見切るという具合です。
「ツイッターイナゴ」
この「ツイッターイナゴ」とは、ツイッターで投資の状況について細かく発言している(と共に、それなりに利益が出ている)人をフォローし、それに合わせて投資するスタイルのことです。
このような人を頼りにした投資スタイルは、当てにする人次第になるので、それにおんぶに抱っこという意味から、「殿様イナゴ」(殿様バッタがオス・メスでおんぶしている様子とイナゴから)と呼ばれることもあります。
「脱イナゴ」の表現の使い方
「脱イナゴ」は文字通り、短期間で売買を繰り返す投資スタイルから、中・長期保有というスタイルに切り換えることです。
その為には、まず短期間で収支を考えることからも脱却する必要があると言えるでしょう。
一度の売買を今までより長い目で考えることになるので、イナゴより投資がかさむと考えられがちですが、実はそうでもなく、購入銘柄は広く、投資金額は浅くといったスタイルが一般的です。
資金を多くの銘柄に分散させることで、そのうちのいくつかで損失が出てしまったとしても、他で補うことができるという利点があり、比較的値動きの小さな(その代わりに暴落はまず考えられない)安定した銘柄が好まれます。
イナゴやスキャルピングの場合は短期間での勝負なので、値動きの激しい銘柄の方が好まれています(共に、ギャンブル性が高い投資になります)。
「脱イナゴ」を使った例文と意味を解釈
「脱イナゴ」を使った例文と、その意味の解釈です。
イナゴも立派な投資スタイルの1つですが、どうしても浮き沈みが激しくなってしまいます。
- 「脱イナゴ」を使った例文1
「脱イナゴ」を使った例文1
「落ち着いた投資に切り換えようと、脱イナゴを決意した」
日々や毎週のように収支を計算するような投資スタイルから、落ち着いた中・長期保有のスタイルに切り換えると言っています。
そのようなスタイルでも、当然経過には気を払う必要があり、場合によっては当分回復が見込めないなどの理由から、イナゴ並に早く手放すといったことも必要になります。
「バスケット取引」とは?
「バスケット取引」とは、株式投資において、15銘柄以上をセットにして、特定の条件付きで売買することです。
その総額が時価で1億円以上の場合に利用できる取引方法で、通常の取引ではなく、立会外取引や店頭市場での売買となります。
その分の資金力がないと行うことができませんが、全ての銘柄をトータルしてどれだけ利益になる(場合によっては損失になる)と分かった取引が一度で行えるという点から、主に資金力がある中・長期保有派の人に利用されています。
名前の「バスケット」は、それにまとめて銘柄を放り込んで一気に取引するといった取引方法からです。
「脱イナゴ」から「バスケット取引」に切り換えるという投資家も増えており、そのような指南書がヒットしていますが、それにはまず資金力が必要になるので、誰でも行えるものでもありません。
脱イナゴのまず最初は、バスケット取引ではない中・長期保有から始めるのが一般的です。