「紛飾決算」とは?意味や使い方!例文や解釈
ビジネス用語で「紛飾決算」という言葉があります。
一体どの様な意味なのか紹介しますので、是非参考にして下さい。
目次
- 「紛飾決算」とは?
- 「紛飾決算」の表現の使い方
- 「紛飾決算」の類語や類似表現や似た言葉
- 「紛飾決算」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「紛飾決算」の反対語
- 「紛飾決算」の英語と解釈
「紛飾決算」とは?
「紛飾決算」の概要について紹介します。
- 「紛飾決算」の読み方
- 「紛飾決算」の意味
- 「紛飾決算」をする理由
- 「紛飾決算」の語源や由来
「紛飾決算」の読み方
「紛飾決算」は「ふんしょくけっさん」と読みます。
読むのは難しくないのですが、「粉食決算」と書き間違わないようにしましょう。
「紛飾決算」の意味
「紛飾決算」の意味は「実際の経営状態よりも多く見せかける為に決算書の数字を変えること」です。
会社の決算書には「バランスシート」「損益計算書」などがありますが、会計上の実際の数字よりも利益を多くしてその会社の業績が良好な様に見せかけることです。
具体的なやり方としては、架空の伝票を作成して会計システムに直接入力するという方法と、パソコンで決算書を作成する時に数字を変える方法とがあります。
「紛飾決算」をする理由
企業が「紛飾決算」をする理由についても知っておきましょう。
大抵の会社は金融機関から融資を受けて運営されています。
金融機関からの融資を受ける際には非常に厳しい審査があり、断られるケースも多くあります。
また、融資を受けている期間も、決算書を提出して少しでも経営状態が悪いと手を引かれてしまうこともあるのです。
その為に利益を多く計上して金融機関に経営状態が良好だと報告したいのです。
また、経営が安定していると株主達も安心するので、株の暴落が防げます。
資金調達の面と株価の値動きを防げることから、違法であると知りながらも粉飾決算をする会社があるのです。
「紛飾決算」の語源や由来
「紛飾決算」の語源は言葉の意味からきています。
「粉飾」は「昔からの女性のメイクでファンデーションやチークなどのパウダー系のアイテム」を意味します。
女性がメイクをする時にこれらのパウダー系のものを使うことから「ものごとの表面を飾りたてること」として使われる様になりました。
そこから「会社の決算書の数字を立派に改ざんすること」という意味に使われる様になったのです。
「紛飾決算」の表現の使い方
「紛飾決算」は難しい言葉ですので、ビジネスで使われるシーンについて紹介します。
- 会社の利益を上乗せした時
- 会社の経費を減らした時
- 損失を付け替える
会社の利益を上乗せした時
会社の売上の数字を大きくする為に、架空の会社を作り取引をした様に見せかけて計上したり、翌期分の売上を今期に計上してしまったり、在庫を多くして資産を増やすという方法があります。
決算書上でこれらの操作をした時に「粉飾決算」が使われます。
会社の経費を減らした時
利益の数字を大きくする為には、マイナスになる経費を減らすという方法があります。
未払い金の計上を遅らせたり、発生した経費を仮払金として計上して経費から外すなど、会計処理に詳しい人が操作をした時に「粉飾決算」が使われます。
損失を付け替える
関連会社がある場合、経費などの損失を関連会社に付け替えるという方法もあります。
多くの企業がこの方法を用いることから非常に処理が複雑になっていて、こちらも「粉飾決算」の典型的なパターンとなります。
「紛飾決算」の類語や類似表現や似た言葉
「紛飾決算」の類語を紹介します。
- 「不正処理」【ふせいしょり】
- 「利益水増し」【りえきみずまし】
- 「ドレッシング」【どれっしんぐ】
「不正処理」【ふせいしょり】
「ものごとを違法なやり方で済ませること」という意味です。
「粉飾決算」は「不正処理」の中のひとつです。
「利益水増し」【りえきみずまし】
「本来の利益に架空の利益を上乗せして計上すること」という意味です。
実際にはない取引をしたことにして伝票を作成してつじつまを合わせようとします。
「ドレッシング」【どれっしんぐ】
英語の“dressing”で、日本語ではビジネス用語にもなっています。
「着飾ること」「布で覆うこと」という意味があり、ここから数字を粉飾するという意味で使われる様になりました。
「紛飾決算」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「紛飾決算」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「紛飾決算」を使った例文1
- 「紛飾決算」を使った例文2
「紛飾決算」を使った例文1
「A社は粉飾決算がばれて社会的な信頼を失った」
実際によくあるケースで、大手企業ほど経営が悪化すると金融機関からの資金調達が難しくなるので、粉飾決算をする傾向があります。
それだけ計上する利益や経費が多い為に、ごまかし易いという点もあります。
監査が入りバレてしまうと、大手企業だけに世間からの信頼が失われて返って一気に経営が悪化するリスクもあるのです。
「紛飾決算」を使った例文2
「上司は粉飾決算だと知っていて部下に指示をした」
ある会社で粉飾決算が発覚したのですが、部下は何も知らずに上司の指示に従ったと証言しています。
その上司も社長や役員の意向で仕方なく部下に指示をした可能性が高くなります。
何も知らない部下には「節税対策」などと言っていたのでしょう。
「紛飾決算」の反対語
「紛飾決算」の反対語は「逆粉飾決算」です。
意味は、「粉飾決算」とは逆に、利益を減らして支払う法人税を減らしたり、株主への配当金を減らす為に行います。
わざと経費を増やして利益を少なく見せるなどの調整が行われます。
「紛飾決算」の英語と解釈
「粉飾決算」の英語表現として以下の2つを紹介します。
- “They made a settlement of account based on window-dressing.”
- “They cooked the books.”
“They made a settlement of account based on window-dressing.”
「あの会社は粉飾決済をした」になります。
“a settlement of account based on window-dressing”は「粉飾決済」の正式な英訳です。
“They cooked the books.”
「あの会社は粉飾決算をした」です。
ネイティブは“cook the books”で「調理する=数字をいじくる=粉飾決算をする」として使います。
日本人にとってより覚え易い表現ですので覚えておきましょう。
「紛飾決算」とは「実際の経営状態よりも多く見せかける為に決算書の数字を変えること」です。
会社の経営は非常に複雑なので一般社員が口を挟めるものではありませんが、不正をしたと思われる時には使ってみると良いでしょう。