「印象論」とは?意味や使い方・類語・英語表現も解説!
印象論は、一見正しいように見えて、実は偏った考察だということが少なくありません。
哲学者としては、これだけは退けなければいけないとも言われています。
目次
- 「印象論」の意味とは?
- 「印象論」が正しいことも?
- 「印象論」の類語
- 「印象論」を使った例文と意味を解釈
- 「印象論」の英語表現
「印象論」の意味とは?
印象論とは、物事を印象だけでそうだと解釈してしまう理論のことです。
その印象にそれなりの根拠があることも多い為、一見では正しく見えてしまいがちですが、よくよく考えてみると、そうとは限らないと気付くことになる場合がほとんどです。
具体的な例を挙げると、東京の新宿区から大阪の大阪市までの距離は、地図で確認すると約400キロです。
ということは、高速道路を使って時速100キロで進んだ場合、ノンストップであれば約4時間で到着することになります。
しかし、これはあくまで「印象論」で、実際には直線で進める訳がなく、高速道路だとしても、途中での混雑による減速なども考慮しないといけない為、平均すると5時間半ほどだと言われています。
このように、一見では正しそうな理論でも、よくよく考えると「実際にはそうとは限らない」ことが「印象論」だと覚えておいてください。
「印象論」が正しいことも?
印象論だと表現されることが、全て実際には間違っているとは限りません。
その為、それは「印象論」だと感じた時でも、一蹴してしまうのも危険だと言えるでしょう。
例として、日本で走っている普通自動車の半分はトヨタ車だと言われています。
これは、外車を除いた日本国内での新車の販売台数の半数近くがトヨタ車だからこその「印象論」ですが、実際に中古車での購入があったり、すぐに廃車になってしまう車も存在する為、そうだとは限りません。
ですが、実際にも車検を受けている(実際に走っている)登録台数から、およそ半分はトヨタ車だと分かっています。
つまり、新車の販売台数だけで判断してしまった「印象論」が、その通りだったということになります。
「印象論」の類語
「印象論」のように、見た目などの印象だけで判断してしまうことです。
「印象論」という言葉を使うと難しく感じてしまうかも知れませんが、これらのように言い換えると分かりやすいでしょう。
- 「思い込み」
- 「推論」
「思い込み」
「印象論」にとても近く、簡単な表現が、この「思い込み」です。
「印象論」は、一定の(少ない)情報だけによる思い込みだと解釈することができます。
ただし、この「思い込み」という言葉だけでは、その根拠となる情報さえない場合も含む為、完全な置き換え表現にはなりません。
「推論」
ある程度の情報から、その先を推測して考える理論のことです。
仕組みとしては「印象論」に近い考え方ですが、「あくまで推論だが」のような使い方をする言葉で、「印象論」とは違い、これによってそうだと言い切ったり、決め付けることは少ないのが特徴です。
「印象論」を使った例文と意味を解釈
「印象論」を使った例文と、その意味の解釈です。
世の中では、色々なことが「印象論」で囁かれますが、どれも確かだとは限らないので注意が必要です。
- 「印象論」を使った例文1
「印象論」を使った例文1
「この進学塾から200人も○○大学に進学していると宣伝しているが、これも立派な印象論だと思った」
有名な進学塾は、それぞれ毎年この大学に何人、あの大学に何人と合格者数を発表していますが、その通りに進学しているとは限りません。
それは、併願した大学全てに合格したとしても、実際に進学できるのはその中に1つだということと、そのうちのどこにも進学しなかった(本命には合格できなかったなどの理由から)というケースもある為、実際の進学者数ではないのです。
「印象論」の英語表現
「印象論」というそのままの英語表現は存在しない為、英語で表現する際には“impression theory”とするのがいいでしょう。
「印象による理論」と解釈でき、“It is only an impression theory.”とすると、「それは印象論に過ぎない」という意味になります。
印象だけで物事を判断してしまうのは、とても危険なことです。
しかし、それが正しいということも中にはある為、そうだと思っても、すぐに否定もできないのが難しいところです。