「止むを得ず」とは?意味と語源!ビジネスでの使い方
「止むを得ず」という表現を聞いたことがあるでしょうか。
「止むを得ず」買い物に行ったなどという人もいるかもしれません。
それならば、「止むを得ず」という表現にはどのような意味があるのでしょうか。
ここでは「止むを得ず」という表現について紹介します。

目次
- 「止むを得ず」とは?
- 「止むを得ず」ビジネスでの使い方
- 「止むを得ず」を使った言葉と意味を解釈
- 「止むを得ず」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「止むを得ず」の類語や類義語・言い換え
- 「止むを得ず」の英語と解釈
「止むを得ず」とは?

「止むを得ず」というのは仕方がなく、しょうがなく、という意味になります。
例えばケーキを作ろうと思った時、砂糖やバターがないのであればバナナなど甘い果物やオリーブオイルなどで対応することが可能ですが、卵がなければケーキができない、という場合もあります。
もちろん人によってレシピは異なりますが、こだわりの材料がなければ「止むを得ず買い物に行かなければいけない」ということもあるでしょう。
家の残り物で晩御飯を作ろうと思っていたけれど、晩御飯が作れるほどの材料が冷蔵庫に残っていなかったから「止むを得ず買い物に行かなければならなかった」という経験を持つ人もいるのではないでしょうか。
- 「止むを得ず」の読み方
- 「止むを得ず」の語源
「止むを得ず」の読み方
「止むを得ず」という表現は「やむをえず」と読みます。
「やむ」はひらがなで描かれることも多いですので、ぜひ覚えておきましょう。
「止むを得ず」の語源
「止むを得ず」という表現は「止む事を得ず」を省略した形だと言われています。
例えば徒然草には「1日の中に、飲食、便利、睡眠、言語、行歩、止む事を得ずして多くの時を失ふ」と書かれています。
つまり、1日のうちに食事をしたりトイレに行ったり、眠ったりおしゃべりをしたり、散歩をしたりと止むを得ないことをしているうちに多くの時間が過ぎてしまう」という意味になります。
「止むを得ず」ビジネスでの使い方

ビジネスでも「止むを得ず」という表現が用いられます。
例えばあらゆる事情で「止むを得ず」会議を欠席しなければいけないということもあるかもしれません。
また、「止むを得ず」仕事を休まなければなってしまうこともあるでしょう。
子供が病気になって仕事に行けない、などという経験を持つお母さんも多いのではないでしょうか。
そのような場合にビジネスでの使い方を知っておきましょう。
- ビジネスメールでの使い方
ビジネスメールでの使い方
例えば、「止むを得ず」仕事を休まなければいけなくなった場合、もちろん本来は電話をしなければいけませんが、上司に直接メールを送らなければいけないということもあるかもしれません。
例えば、「本日娘が病気になり、どうしても欠勤せざるをえない状況です」などと表記することが可能です。
「止むを得ず」という言葉は使わずきちんと理由を述べることが大切です。
子供が病気で仕事に行けない、などという事はきちんと理解されるべきことですから、心配いりません。
また仕事に行ける時に努力をすれば良いのです。
「止むを得ず」を使った言葉と意味を解釈

ここでは「止むを得ず」という表現を使った言い回しを紹介します。
- 「止むを得ず急ブレーキ」
- 「止むを得ず欠席」
「止むを得ず急ブレーキ」
「止むを得ず急ブレーキを踏む」という事は大切なことです。
実際は余裕を持って急ブレーキを踏む必要がありますが、例えばいきなり脇道から歩行者が出てきた、車が飛び出してきた、などというときには急ブレーキを踏まなければいけません。
例えば、最近ではブレーキとアクセルを踏み間違えて事故が起こる、というケースが指摘されていますが、万が一本当にアクセルペダルが戻らない、などということであればニュートラルにするなど、ブレーキをかけることを考えなければいけません。
必要に応じてサイドブレーキを利用することも大切です。
「止むを得ず欠席」
何かに出席しなければいけない時、止むを得ない理由で欠席せざるをえない場合がありますよね。
家庭の事情や仕事の都合などで出席できない、欠席しなければいけない、などということがあるでしょう。
また、どうしても出席したくない場合は「近所に不幸がありましたので」などと言って「止むを得ず欠席」することもあります。
「止むを得ず」を使った例文や短文など(意味を解釈)

ここでは例文をいくつか紹介します。
- 「止むを得ず」を使った例文1
- 「止むを得ず」を使った例文2
- 「止むを得ず」を使った例文3
「止むを得ず」を使った例文1
「あの家庭はご主人の会社が倒産したことで、息子さんは止むを得ず高卒で働くことにしたらしい」
どれだけ栄えている会社であったとしても、常にその繁盛が続くとは限りません。
経営がいきなり悪化し、破綻してしまう可能性もあります。
そのような場合、特に教育を受けるべき子供たちの学校に影響が出てしまう可能性もあります。
最近では奨学金を使って大学に行く人も増えましたが、家族の経済状況がおもわしくない場合、学校に通うのではなく、仕事に就いて体を支えるという選択肢を取る人もいるかもしれませんね。
「止むを得ず」を使った例文2
「息子はスキーで骨折したため、その直後に予定していた留学は止むを得ず断念せざるをえなくなった」
冬場はスキーを楽しむという予定を抱えている人も多いのではないでしょうか。
しかしその一方で好きは骨折などリスクを伴いますから、万が一その隙の後に留学等の大切な予定が入っている場合は、スキーには行かないという選択肢を取ることも大切です。
たとえ自分はスキーで怪我をしたりしないと思ったとしても、スポーツは常にリスクを持っているということを忘れてはいけません。
骨折してしまったら留学にはいけませんので、特に留学の予定が入っている場合は怪我をしないように生活する必要があります。
「止むを得ず」を使った例文3
「出産直後に離婚が決まったため、彼女は止むを得ず実家に帰った」
出産すれば、赤ちゃんを連れて家に帰り、家族で楽しい時間を過ごしたいものです。
しかし、現実的には出産した後に離婚をしなければいけなくなるという人もおり、そうなった場合は旦那さんが待つ家には戻れませんので、実家に帰らなければいけないという人も出てきます。
収入があるならば良いですが、専業主婦の状態で離婚しなければいけなくなった場合は住む場所を確保し、近々働きに出なければいけないということもあるでしょう。
そのため、「止むを得ず」実家の助けを得なければいけなくなる場合があります。
「止むを得ず」の類語や類義語・言い換え

ここでは類義語を紹介します。
- 「仕方なく」
- 「渋々」
「仕方なく」
仕方なく、という表現は嫌々ながら、その他にやりようがない、という意味を表します。
例えば、買い物に行きたくなかったとしても、食事の材料がなければ仕方がなく買い物に行かなければならないですよね。
どうしても牛乳を買わなければいけない時、あちこちで売り切れていてやっと見つけた牛乳は値段が高かったということであれば仕方がなくその値段で牛乳を買わなければいけないという場合もあります。
「渋々」
渋々という言葉には不本意ながら仕方なく賛成、処置、実施する、などという意味を持っています。
やりたくないと思いながら嫌々するということであり、勉強はしたくないけれどテスト勉強はしなければいけないからしぶしぶ勉強する、という人もいるのではないでしょうか。
「止むを得ず」の英語と解釈

「止むを得ず」という表現を英語にすると“reluctantly”や“necessarily”、“unavoidably”、“inevitably”などと表現できます。
「私は止むを得ずその意見に賛成した」ということであれば“I reluctantly agreed with that.”と表現できます。
生きていると、何かしら「止むを得ず」やらなければいけないということがありますよね。
どうせやらなければいけないならば、出来る限り楽しんで実行しましょう。