「上級国民」とは?意味と類語!さらに上の階級「超上級国民」とは?職種も解釈
「上級国民」という言い回しを聞いたことがあるでしょうか。
江戸時代までの日本には身分制度がありましたが、現代の日本社会は日本国憲法によって平等権が認められています。
そのような国家において、「上級国民」とは一体どのような人たちを指すのでしょうか。
ここでは「上級国民」という言い回しについて紹介します。
目次
- 「上級国民」とは?
- 「上級国民」の対義語
- 「上級国民」が多い職種
- 「上級国民」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「上級国民」の類語や類義語・言い換え
- 「上級無罪」の言葉の意味とは?
- 「超上級国民」とは?
「上級国民」とは?
「上級国民」というのは2ちゃんねるから始まったネットスラングです。
もともと、「上級国民」という言い方は東京オリンピックにおいて佐野研二郎がエンブレムの盗作疑惑を受けた時に一般国民に対し、それ以外にまるで特別な国民がいるかのような発言をした際、それに皮肉をいうために出来上がった表現だと考えられています。
佐野研二郎は「一般国民の理解を得られない」と発言したため、「一般の国民は理解できない」「一般の国民以外に上級国民がいるのか」という話題を呼びました。
- 読み方
- 「上級国民」の使い方
読み方
「上級国民」という表現は「じょうきゅうこくみん」と呼びます。
それ以外に特に読み方はありませんので、まず問題はないでしょう。
「上級国民」の使い方
日本国内において身分は一切存在せず、「上級国民も一般国民も存在しません。」
この騒動を受けて下級国民などという表現も出来上がりましたが、実際はそのような身分制度は無いのです。
ですから、「上級国民」という表現を使う時にはあくまでも皮肉をいう場合になります。
また、ネットで流行った表現ですから、世代によっては通じない場合もあります。
ただし、この表現を知っているという事は世の中で起こっているニュースをある程度理解しているということにもなりますので、それなりの知識を相手に見せることが可能になります。
「上級国民」の対義語
先ほども述べた通り、「上級国民」という表現を受けて下級国民という対義語も出来上がりました。
もちろん定義はありません。
「上級国民」が多い職種
「上級国民」だと考えられる人々はどのような仕事に就いているのでしょうか。
東京オリンピックエンブレムの問題を受け、人々は「ああいう人は上級国民だ」と公に発言するようになりました。
ここではどのような職種についている人が「上級国民」だと言われるのか、紹介します。
- 政治家
- 高級官僚
- 大企業経営者
政治家
まず、なんといっても政治家は「上級国民」だと言われるでしょう。
もともと政治家の中には先祖代々政治家という人もおり、生まれた時から将来は政治家になるということが決まっているような人たちもいます。
基本的に経済的に困るような事はなく、財政的には恵まれた環境で育ち、政治家として文句のない給与を受けていることも珍しくありません。
税金が上がることによって公務員の給与が下がると言われる中、政治家たちは給与が絶対に下がらない、などと批判を受けることもあります。
高級官僚
高級官僚というのは地位の高い国家公務員や事務次官、局長等を指しています。
そしてその高級官僚も「上級国民」だと皮肉を言われる場合があります。
一般的には局長クラスの人間が高級官僚と言われることがありますが、高級官僚という言葉に法的な定義が存在するわけではありません。
エレベーター式に昇格していくため、その年功序列が批判を受ける場合もあります。
大企業経営者
大企業の経営者たちも「上級国民」として批判を受けることがあります。
というのは、大企業の経営者はもともとそのビジネスを親から受け継いでいることもありますし、特にその子供たちは親のお金で生きてきた、お金にものを言わせて周りを馬鹿にする、などといった印象を持たれていることがあります。
「上級国民」を使った例文や短文など(意味を解釈)
ここでは「上級国民」という表現を使った例文を紹介します。
- 「上級国民」を使った例文1
- 「上級国民」を使った例文2
- 「上級国民」を使った例文3
「上級国民」を使った例文1
「国民を一般の国民などと考えるような上級国民気取りの人間は、上に立つべきではない」
そもそも、日本には身分制度がなく、一般国民も「上級国民」もありえないのです。
特に東京オリンピックのエンブレム問題が持ち上がった時、国民に対して「一般の国民」「一般国民の理解が得られない」などという発言が出たことから、国民を馬鹿にしている、国民を上から目線で見ている、一般国民の理解が得られない、ということは国民に理解する能力がないと馬鹿にしているのか、などという声が上がりました。
しかし、それに対して「上級国民」と言われている人たちは生まれながらに裕福な家庭で育っている傾向があり、「一般国民の気持ちはわからない」などと考えられたこともあります。
いずれにせよ、国民を上から目線で見るような人は上に立つべき器ではないと考えられます。
「上級国民」を使った例文2
「上級国民という言葉があると、下級国民という表現ができあがってしまい、差別に繋がる可能性があります」
日本社会には身分がないため、どの人も平等と言うことになります。
しかし、「上級国民」という人々が出てきてしまえば今度は下級国民だと言われる人たちが出てきてしまいます。
そして、下級国民だと言われる人たちは差別を受ける対象になってしまう可能性があります。
世の中には社会的に恵まれていなかったり、経済的に困難な状況にある人たちも少なくありません。
しかし、もしも下級国民という言葉が一般化してしまえば、そのような人たちが差別を受ける可能性もあります。
つまり、「上級国民」だと思われている人たちが下級国民だと思われる人々を作り上げてしまい、差別問題を表面化させてしまうのです。
「上級国民」を使った例文3
「上級国民という言い方そのものが憲法に反する」
日本国憲法は、日本国民は皆平等であるということを定めています。
しかし、それに対して「一般国民、上級国民」という表現を使ってしまえば国民は平等ではないということになってしまいますので、その言い方自体が憲法に反するという考え方もあります。
しかも、本来は知識を持つべき人間がそのような発言をしたことにより、情けないという声も上がっています。
「上級国民」の類語や類義語・言い換え
ここでは「上級国民」という言い回しの類義語を紹介します。
- 「身分が高い人」
- 「特別な権利を得た人」
- 「金持ち」
「身分が高い人」
「上級国民」というのは一般国民に対して出来上がった言葉ですので、普通の人たちよりも身分が高い、普通の人たちよりもレベルが上、という意識を持った表現でもあります。
そのため、身分が高いという表現が類義語として使われます。
身分が高いというのは高貴な家柄の人、名家の人、などという意味を持ちます。
「特別な権利を得た人」
特別な権利を得た人も「上級国民」という表現と似た言い回しで使われます。
例えば政治家などは「上級国民」だと考えられますが、強い発言権を持っており、社会的にも影響力を持っています。
そのようなものを特別な権利と判断します。
「金持ち」
「上級国民」は富裕層である、ということから金持ちという言葉も「上級国民」として使われることがあります。
自分で会社を設立してお金を貯めた、などということではなく、もともと生まれ育った家庭には有り余るほどのお金があったそのお金を使って留学などに行き、親の後を継いだ、などという人は金持ちとして判断される場合があります。
「上級無罪」の言葉の意味とは?
もしも何かしら問題を起こした人間が高級官僚であったり、政治家であったり、あるいはもともと高級官僚や政治家であったりした場合、罪に問われないということを上級無罪といいます。
本来、罰則はどのような人間にも平等に下されるべきですが、もともと「上級国民」の部類に入っている人たちは罪に問われにくい傾向があると考えられています。
「超上級国民」とは?
「超上級国民」という言葉も存在します。
例えば、その人の家族全員が「上級国民」だという部類に入っている場合、あるいは代々「上級国民」だという場合などは「超上級国民」だと言われることがあります。
「超上級国民」の場合は何か事件を起こしたとしても逮捕されることもなければ、相手に被害届を取り下げさせることも可能だ、などと言われています。
大学生が事件を起こした場合など、逮捕されるかと思いきやその大学生の家族がエリートであった、逮捕されなかった、という事から「大学生は超上級国民だった」などと言われることがあります。
もともと「上級国民」などという概念は日本にはありませんので、これはあくまでもインターネットの中で使われている単語だといえます。
しかし、インターネットによって国民たちが声を上げることが可能になったため、かつては批判されることのなかった「上級国民」も批判を受けやすい時代になったと言えるでしょう。
また、「上級国民」の対義語である下級国民という言葉は「上級国民」という表現同様にインターネット上でできあがった言葉であり、日本にそのような身分は存在しません。