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「やむなし」とは?意味と類語!例文と使い方!

会社の上司など目上の人が「やむなし」と言うことがあります。

一体どの様な意味なのか、例文や使い方などと併せて紹介します。

やむなし

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「やむなし」とは?意味と類語!例文と使い方!>


目次

  • 「やむなし」とは?
  • 「やむなし」の類語や言い換え
  • 敬語での「やむなし」の使い方
  • 「やむなし」を使った例文や短文など(意味を解釈)
  • 「やむなし」を使った言葉と意味を解釈
  • 「やむなし」の対義語はある?
  • 「やむなし」の"英語や例文(解釈)など


「やむなし」とは?

「やむなし」とは?

「やむなし」の漢字や意味、使い方について紹介します。

  • 漢字
  • 「やむなし」の意味
  • 「やむなし」の使い方

漢字

「やむなし」の漢字は「止む無し・已む無し」です。

「止む無し」「止む」「それまで続いていたことが途切れること」という意味で、「止む+無し」「止まることがない=仕方がない」という意味で使われる様になりました。

「已む無し」「已む」「そうしないで済む」という意味で、「已む+無し」「そうしないで済むことがない=仕方がない」という意味になります。

「やむなし」の意味

「やむなし」の意味は、「仕方がない」「やむを得ない」です。

そうしたくないけれども、現在の状況ではそうなる可能性が高く、避けられない状態のことです。

他に選択肢がなくてどうしようもない状態で、好ましくない結果につながりるのが基本です。

何かが中止になったり、継続できなくなるなどの状態に陥り、回避する為に葛藤したり様々な手を打っていたけれども、とうとう諦めてネガティブな決断をした時などの言葉です。

「やむなし」の使い方

「やむなし」の使い方は「〇〇・〇〇するもやむなし」が一般的です。

ただ「仕方がない」というだけではなく、「そうはしたくないけれどもどうしてもそうならざるを得ない」という意味を強調する時に使います。

ものごとが出来なくなる時、それまで続いていたことが途切れてしまう時など、残念な結果になる状況を表す言葉です。

年上の人がよく使う表現なので、若い人に対して使うと正確な意味が伝わらない可能性もあります。

その時には「やむを得ない」と言い換える様にしましょう。



「やむなし」の類語や言い換え

「やむなし」の類語や言い換え

「やむなし」の類語や言い換えを紹介します。

  • 「仕方がない」【しかたない】
  • 「余儀なくされる」【よぎなくされる】
  • 「避けられない」【さけられない】
  • 「せざるを得ない」【せざるをえない】

「仕方がない」【しかたない】

「ほかに良い方法がなくどうすることもできない様子」という意味で、「やむなし」の言い換えとして最も良く使われる言葉です。

日常会話で何かのものごとを諦める時に使われ、聞いた人も理解し易い言葉です。

「やむなし」「残念だ」という意味が強くなりますが、「仕方がない」「諦め」の意味が強くなります。

「余儀なくされる」【よぎなくされる】

「よぎなくされる」と読みます。

意味は「他に方法がなく、その様になってしまうこと」で、少し硬い場面で使われます。

プレゼンのスピーチや、そうしたくなくても取引先やお客さまからの要望で、本来のやり方を変えなければならない時に、上司に報告をする言葉などとして使われます。

「余儀」「他のこと、方法」という意味です。

「避けられない」【さけられない】

「これから起きることに対して他に選択肢がなくそうするしかない」という意味です。

将来的に起きることが分かっていて、それでも他に方法がなくてそれに向かっていくしかない時に使われます。

先が分っているだけに不安であるという意味も含まれている言葉です。

「せざるを得ない」【せざるをえない】

何かの行動に対して、他に選択肢がないことを意味します。

「せざるを得ない」は二重否定で「せ」は動詞「する」の未然形で、「ざる」は打消しの助動詞「ず」の連体形です。

「しないことができない=するしかない」という意味になります。

敬語での「やむなし」の使い方

敬語での「やむなし」の使い方

「やむなし」は目上の人から目下の人へ、或いは同等のレベルの人に言う言葉です。

目上の人に対して使う時には「致し方ありません」と言います。

目上の人が何か目的としていたことができなくなった時には、「致し方ありません」と声を掛ける様にします。

無理に丁寧語にして「やむありません」などと言わない様にしましょう。



「やむなし」を使った例文や短文など(意味を解釈)

「やむなし」を使った例文や短文など(意味を解釈)

「やむなし」を使った例文と解釈を紹介します。

  • 「やむなし」を使った例文1
  • 「やむなし」を使った例文2
  • 「やむなし」を使った例文3
  • 「やむなし」を使った例文4
  • 「やむなし」を使った例文5

「やむなし」を使った例文1

「欠勤が多いのでこのままではクビもやむなしと言われた」

会社は仕事さえしていればいい訳ではありません。

チームワークとして働くので、時間をきっちりと守る義務があります。

遅刻や欠勤が多い人は勤務態度が悪いとして注意されます。

何度注意勧告をしても治らない場合、会社は懲戒解雇をする可能性もあるのです。

この人はまだクビにはなっていないのですが、欠勤が非常に多くて周囲に迷惑をかけているので、このまま欠勤を続けたらクビになるのは避けられないだろう、と上司から厳しく注意をされたことを表しています。

「やむなし」を使った例文2

「悪天候なので引き返すのもやむなしだろう」

登山をしたり、山道をハイキングしたりするのは楽しいことですが、山の天気は変わり易く、すぐに雨が降ったり暗くなってしまい、そうなると道に迷ってしまうケースも多いのです。

山で遭難する人達の多くが「大丈夫だろう」と思って先に進んで道に迷ってしまうものです。

しかも夜になると一気に気温が低下するので、普段から鍛えている人でも危険が伴うのです。

山や海で悪天候になったと思ったら、早目に引き返すことが大切です。

「やむなし」を使った例文3

「トラブル続きで休日出勤もやむなしと覚悟する」

本来は休日にはしっかり休める会社でも、トラブルが起きるとそうはいきません。

会社は顧客からの信頼で成り立っています。

相手に迷惑が掛かっているのに「週末ですので休みです」とは言えないのです。

自分が関係している内容ならば当然残業が増えたり、休日出勤をするのも仕方がないと思う筈です。

自分の仕事に責任を持っているならば当然のことで、社会人であれば誰もが一度は経験することです。

一時的なことであ、このトラブルが片付けば代休が取れると思って我慢しているのでしょう。

「やむなし」を使った例文4

「終電を逃したのでネットカフェに泊まるのもやむなしとなった」

サラリーマンはお小遣いが少ないので、飲み会に参加しても終電には絶対に間に合わせたいものです。

しかしつい飲み過ぎてしまったり、上司に引き止められてしまったりするとずるずると付き合わされてしまい、ギリギリのところで終電を逃してしまうことがあります。

とても歩いて帰れない距離で、近くに泊めてくれそうな友人もいないとなると、タクシーで帰るかネットカフェに泊まるかのどちらかになります。

タクシーで帰れば安心なのですが、郊外に家を持っている人の場合、深夜料金が幾らかかるか分りません。

ネットカフェならば格安で、しかも最近では個室にフラットシートが用意されていて仮眠できる様になっています。

どう考えても料金が安いネットカフェしか選択肢がない場合に、この様な表現を使います。

「やむなし」を使った例文5

「インフルエンザが流行して学級閉鎖もやむなしとなった」

学校ではインフルエンザがあっという間に流行します。

クラスで一人出たと思ったら数日のうちに十人以上も欠席者がでることもあります。

学校によりクラスの何分の1インフルエンザにかかったら学級閉鎖になるというルールを定めています。

そのクラスにインフルエンザが流行り、一定の人数に達したので学級閉鎖になったことを表しています。

この場合、学級閉鎖になれば生徒は喜ぶので「やむなし」と言っているのは教師の側と思われます。

学校では学級閉鎖になると授業が遅れるので、その分他の日に授業を回す必要があります。

試験までに範囲を終わらなければならないので、教師の方が大変になるのです。

「やむなし」を使った言葉と意味を解釈

「やむなし」を使った言葉と意味を解釈

「やむなし」を使った言葉と解釈を紹介します。

  • 「やむなしと考える」【やむなしとかんがえる】
  • 「計画変更もやむなし」【けいかくへんこうもやむなし】

「やむなしと考える」【やむなしとかんがえる】

やるべきことがあったのですが、思い通りにいかずに変更するか、中止せざるを得なくなりました。

他の人達は惜しんで最後まで何とかして現状を維持しようとしていましたが、これ以上皆が大変な思いをするのは良くないことだと判断したリーダー格の人物が「仕方がない」と決断した時の言葉です。

その時の状況や流れから見ても、やむを得ないと考えるのが当然であるという見解を述べています。

他の人達の感情を荒立てない様に、穏やかに説得する時に効果的な言い方です。

「計画変更もやむなし」【けいかくへんこうもやむなし】

その目標に向かって計画を立てて、色々と準備を進めてきました。

ところが何らかの事情やトラブルがあり、計画通りに進められなくなってしまったのです。

周囲は当然困惑して、何とかして計画通りに進めようとするでしょう。

なによりも目標とするところが最も理想に近いものですので、それが変わってしまうとモチベーションが下がってしまうからです。

しかしこのままでは目標の達成どころが中止になり、チャンスを逃して一生できなくなってしまうことが危ぶまれた場合、初心を貫けなくても計画を変更してどの様な形でも最後まで終わらせようという結論になりました。

リーダーによる発言の場合、計画変更をするのは大変残念ですが、それでも基本的な姿勢は変わりない、チームワークや情熱を傾ける人の気持ちを大切にしている時の言葉と言えます。

「やむなし」の対義語はある?

「やむなし」の対義語はある?

「やむなし」「他に選択肢がなくそうするしかない状態」という意味です。

何かそうできる可能性を示す言葉が対義語に近い言葉になります。

  • 「免れる」【まぬがれる】
  • 「回避する」【かいひする】

「免れる」【まぬがれる】

「自分にとって嫌なことや危ないことをせずに済むこと」という意味です。

他に選択肢があり、好ましくない結果にならずに済むのですから「やむなし」の対義語に近いと言えます。

「回避する」【かいひする】

「不都合な事態やトラブルにぶつからない様に進めていくこと」という意味です。

こちらも悪い結末を避けるという意味があるので「やむなし」の」対義語に近いと言えます。

「やむなし」の"英語や例文(解釈)など

「やむなし」の

“It is unavoidable to leave his position.”

「彼が今の立場を去るのはやむなしである」です。

かなり偉い立場の人でしたが、何かしらの不手際をやらかしてその職を退くことになった時の表現です。

icon まとめ

「やむなし」「仕方がない」「そうせざるを得ない」という意味です。

少し硬い言葉ですが、「残念だ」という意味が含まれているので、ビジネスで使ってみるとよいでしょう。