「昵懇」とは?意味と類語!例文と使い方!対義語
皆さんは「昵懇」という言葉をご存知でしょうか?
もし、この言葉の意味や読み方が分かるのであれば、かなりハイレベルで日本語をマスターしている人かもしれません。
それだけ普段の会話ではめったに出てくる言葉ではないので、今回はこの「昵懇」について解説をしていきたいと思います。
目次
- 「昵懇」の意味とは?
- 「昵懇」の読み方
- 「昵懇」の言葉の使い方
- 「昵懇」を使った言葉やサービス・漫画など解釈
- 「昵懇」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「昵懇」の類語や言い換え
- 「昵懇」の英語や例文(解釈)など
- 「昵懇」の対義語
「昵懇」の意味とは?
「昵懇」とは、「親しくつきあう間柄」、「懇意(こんい)にしている友人」、あるいは「親しく打ち解けて付き合いこと」という意味も持っている言葉です。
「彼とは昵懇の間柄」といったような形で表現されることがあります。
「昵懇」を構成している文字の意味を見て行くと、「昵」は「近づく」、「慣れ親しむ」という意味があり、「懇」は「真心を尽くす」、「親しむ」という意味になります。
共に「深い人間関係」の意味合いが強く、この2つの文字が組み合わさることで、「昵懇」は「非常に親しく付き合える遠慮がない様子」を表現するようになっています。
「昵懇」の読み方
「昵懇」は「じっこん」と読むのですが、この言葉を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、使われている漢字はかなり難しい文字なので、どのように読むか迷う人も結構いらっしゃるのではないかと思います。
ここでしっかりとチェックして忘れないようにしておきましょう。
「昵懇」の言葉の使い方
「昵懇」は長い付き合いの中でお互いに何でも相談できる親しい間柄の人との関係を指す時に使われることになりますが、かなり古めかしく硬い印象を覚える表現です。
そのために、フランクな会話で使うより、ビジネスなどのフォーマルなシーンで活用されることが多いでしょう。
「昵懇」を使った言葉やサービス・漫画など解釈
では、ここで「昵懇」を使った言葉などの意味を解釈してみることにします。
- 「昵懇レファレンス」漫画
- 「昵懇の仲」言葉
- 「昵懇大名」言葉
「昵懇レファレンス」漫画
「昵懇レファレンス」とは、漫画のタイトルで、時代設定が昭和初期のストーリーのものです。
「halyosy」という音楽家の人が作った作品で主にインターネットで音楽も含めて配信されています。
「昵懇の仲」言葉
「昵懇の仲(じっこんのなか」とは、「長年、交流があり、何でも言い合えることができる間柄」や「そのように仲のよい友人、知人」という意味があります。
知合って数年という関係の間柄ではなく、幼い頃から親しんでいる幼馴染みや、苦楽を共にした友人と言えるでしょう。
このような「昵懇の仲」の関係にある人は、自分にとって非常に貴重な存在と言え、人生の中で自分の尊い財産とも言えると思います。
「昵懇大名」言葉
「昵懇」を使った言葉に「昵懇大名」というものがありますが、これは徳川家康にまつわる言葉です。
徳川幕府が作られる前に豊臣秀吉子飼いの大名であった福島正則が、「昵懇大名」として対象になることが多く、朝鮮出兵をきっかけに石田三成と反目したことから、仲が険悪になり三成を襲撃したり、関ヶ原の戦いで、徳川に着くことになり、家康の「昵懇大名」の1人となったです。
ここで言う「昵懇大名」とは「権力を持つ大々名と深い間柄や交流を持つ大名」ということになるでしょう。
「昵懇」を使った例文や短文など(意味を解釈)
では、ここで「昵懇」を使った例文を見て行くことにしましょう。
- 「昵懇」を使った例文1
- 「昵懇」を使った例文2
「昵懇」を使った例文1
「田中君とは、中学から昵懇の間柄でしたが、大学を卒業して10年以上も連絡が途絶えてしまっています」
昔あれだけ親しく「昵懇」だった友人も、ふと気が付くと、10年以上も連絡がなく行き来することもなくなり、疎遠になってしまうことがあります。
決して仲たがいをしたり、喧嘩をして疎遠になっているわけではありませんが、自然と連絡が取れないようになっていったのかもしれません。
自分が社会人になり、結婚して、周りの人間関係の構成が大きく変化して行ったこともあるでしょうし、家族のことが優先になったことで、「昵懇」だった人と離れてしまったことも少なくありません。
「昵懇」を使った例文2
「あなたは山崎さんと大変、昵懇の仲とお聞きしています。どうかあの方(山崎さん)に、うまく取りなして頂くことができないでしょうか?」
この例文は、ビジネスシーンで出て来るような言葉ですが、「山崎さん」に何とか、コンタクトを取りたいと思っている人が、様々な人脈を探した結果、「あなた」が非常に「山崎さん」と「昵懇の仲」であることが分かったのです。
そのために、このセリフの発言者が「あなた」に「山崎さん」との縁を取り持ってもらうようにお願いをしているのです。
「昵懇」の類語や言い換え
「お互い腹を割って話し合えるとうな間柄」という意味がある「昵懇」には、似たような意味を持つ類義語があるでしょうか?
ここでは、「昵懇」に近い意味の言葉をいくつか挙げてみることにします。
- 「馴染み」
- 「切っても切れない間柄」
「馴染み」
「馴染み」という言葉が「昵懇」の類語として扱うことができますが、この言葉の解釈は次の通りです。
「慣れ親しんで知っている間柄」、「同じお店のもとに通っ常連客になること」、「長年つれ添った夫や妻などのパートナー」という意味になりますが、「昵懇」の類語語としては、「慣れ親しんでいる関係」が最も相応しい解釈でしょう。
それでも、「常連客」や「パートナー」でも使える言葉なので、用途はかなり広いと言えるでしょう。
「切っても切れない間柄」
「切っても切れない間柄」とは、「友人という関係を切ることができないくらいに近く親しい間柄」という意味がある言葉です。
ただ、本人は「切りたい」という願望があるわけでなく、他から余計な邪魔が入ろうとも、決して深い人間関係が切れることがないことを強調している感がありますね。
「昵懇」の英語や例文(解釈)など
「昵懇」を英語で表現すると、“intimacy”、“familiarity”といった言葉で訳すことができます。
「昵懇」の対義語
「昵懇」と反対の意味を持つ言葉としては、次のようなものがあります。
- 「他人行儀(たにんぎょうぎ)」
- 「疎遠(そえん)」
「他人行儀(たにんぎょうぎ)」
「他人行儀」は、「人に対して決して心を開かず、打ち解けることをしないこと」という意味があります。
「あいつは、クラスメートなので、何時も他人行儀だよな」という場面で出てくる言葉で、このようなタイプの人があなたの周りにもいるのではないでしょうか?
「疎遠(そえん)」
「疎遠」の「昵懇」の対義語の1つになりますが、「訪問や連絡が途絶え、近況が分からなくなったり、現状が見えず馴染みが薄くなっていくこと」という意味があります。
「昵懇」という言葉を見てきましたが、自分の人生の中では、何でも自分の本音を言い合える友人を1人や2人が作っておきたいものです。
本当に困った時に助けてくれる貴重な存在でもあり、そのような人との関係は何時までも大切にしていくことです。