「今一度」の意味とは?「もう一度」、「再度」との違い、使い方や類語、英語を解説!
日本語では、ある言葉に対して、それと似た意味の言葉や言い換えられる表現がある場合が少なくありません。
この「今一度」も、そのような言葉の1つです。
目次
- 「今一度」とは?
- 「今一度」と「もう一度」、「再度」の違い
- 「今一度」を使った言葉と意味を解釈
- 「今一度」を使った例文と意味を解釈
- 「今一度」の類語や言い換え
- 「今一度」の英語や解釈
「今一度」とは?
「今一度」とは、「もう一度」と言い換えることができる言葉です。
意味は全く一緒で、「もう一度」をビジネスや公式の場などで使う際に、それに代えて用いることが多いです。
その為、「もう一度」より堅い表現になる言葉で、家族や友人同士の会話ではまず使いません。
一番使われるのは、やはりビジネスの場で、「内容を今一度ご確認ください」などと、前後の文体もこの言葉の堅さに合わせてください。
「今一度」と「もう一度」、「再度」の違い
「今一度」と「もう一度」は、前述のように、意味自体は同じです。
それを堅くした表現なので、その為、「もう一度」と使うより、強い意味だと解釈することもできます。
しかし、単に「もう一度」の言い換えとして、それを強調する為に使う言葉ではないので、その点には注意してください。
「もう一度やってみろ」という軽い表現を、「今一度やってみろ」と言い換えても特に強調する意味にはならず、日本語として少々おかしくなってしまうだけです。
よって、この言葉を使うべき比較的堅いシチュエーションでは、自然にこの言葉によって、「もう一度」という意味が強調されると考えるべきでしょう。
「再度」(さいど)もこれらの言い換え表現になりますが、こちらは丁寧さに欠けるところがあるので、ビジネスや堅い場での使用には向いていません。
この言葉は、「再度行ってみよう」などといった使い方をする為の表現です。
「今一度」を使った言葉と意味を解釈
「今一度」を使った言葉の意味の解釈です。
よくこのような使われ方をする言葉です。
- 「今一度ご注意ください」
- 「今一度ご検討ください」
「今一度ご注意ください」
「もう一度注意してください」という意味で、それを丁寧にした言い方です。
堅さもある為、使う場面には注意してください。
少なくとも仲間内で使う表現ではありません。
「今一度ご検討ください」
こちらも、「今一度ご検討してください」という意味になります。
この「今一度」が似合うような堅い場面で、相手に対して再考を望んでいる時の表現の為、どうせならもう少し丁寧にして、「今一度ご検討いただけますでしょうか」、または「今一度ご検討くださいますよう、お願いいたします」とまでした方がいいかも知れません」
先にも書きましたが、この「今一度」を使う時には、このように前後の文体にも注意が必要になります。
「今一度」を使った例文と意味を解釈
今一度を使った例文と、その意味の解釈になります。
意味はとても簡単なので、用いる際にはそれに適した場面なのかどうかです。
- 「今一度」を使った例文1
- 「今一度」を使った例文2
「今一度」を使った例文1
「内容物を今一度ご確認くださいますでしょうか」
入っているはずのものが入っていないと言われたような時に、丁寧にその確認を促す言い方だと考えていいでしょう。
何かの製品の取扱説明書などでも、似た表現が使われていることがあります。
「今一度」を使った例文2
「今一度考え直す必要がありそうだ」
独り言として使っている例です。
この場合は「もう一度」でも構いませんが、それまでの話の流れやシチュエーションによっては、この「今一度」の方が向いているという場合も少なくありません。
「今一度」の類語や言い換え
今一度と似た意味の言葉や、言い換えになる表現ですが、先に挙げた「もう一度」と「再度」は含んでいません。
- 「もう一遍」【もういっぺん】
- 「繰り返し」【くりかえし】
- 「重ねて」【かさねて】
「もう一遍」【もういっぺん】
「もう一度」を軽くした言い方だと考えていいでしょう。
親しい仲で「もう一度」と使いたい時に言い換えになり、「もう一遍だけお願い」などと前後の文体も軽い形で使ってください。
「繰り返し」【くりかえし】
それほど似た意味ではありませんが、使い方によっては「今一度」と同様の意味で使うことができます。
「繰り返し、お願いいたします」とすると、「今一度、お願いいたします」と同様の意味になります。
「重ねて」【かさねて】
こちらも、使い方次第で「今一度」と似た意味になる言葉です。
「重ねて御礼申し上げます」と使うと、「今一度御礼申し上げます」とよく似た意味になります。
「改めて」という解釈もできるので、その意味で使いたい時にも向いている言葉です。
ただし、ビジネスシーンなど、堅い場面に限って使用できる表現です。
「今一度」の英語や解釈
「今一度」は、英語では“once more”となります。
この表現は、「もう一度」、「再度」、「もう一遍」といった、類語も合わせた同じ意味の言葉全ての英訳になります。
英語では、これらのような細かい言葉の違いが存在しないので、前後の文体でどのように訳すか(日本語ではどの言葉が相応しいか)を考える必要があります。
“Please think once more.”と使えば、「今一度お考えください」と訳すことができ、“Let's try once more.”なら、「もう一度やってみよう」と解釈できるという具合です。
「今一度」は、堅い場で使用する「もう一度」だと考えておけばいいでしょう。
この言葉を用いる時には、前後の表現にも注意が必要だという点も合わせて覚えておきましょう。