「人の褌で相撲を取る」とは?意味と使い方!
「人の褌で相撲を取る」という言葉はよく使われますし、誰しも一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。
いい意味で使う言葉ではありませんので理解と注意が必要です。
それでは一緒に言葉の意味、読み方、語源、由来などを見ていきましょう。
目次
- 「人の褌で相撲を取る」の意味とは?
- 「人の褌で相撲を取る」の読み方
- 「人の褌で相撲を取る」の言葉の使い方
- 「人の褌で相撲を取る」の語源や由来
- 「人の褌で相撲を取る」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「人の褌で相撲を取る」の類語や言い換え(似たことわざ)
- 「人の褌で相撲を取る」の英語や例文(解釈)など
- 「人の褌で相撲を取る」人の心理
「人の褌で相撲を取る」の意味とは?
「人の褌で相撲を取る」とは他人の力や持っている物を利用したり、他人を使ったり、人の真似をするなどして自分がいい思いをすることを言います。
「人から援助を受ける」という意味で使う人もいますが、それは間違いですので注意が必要です。
「人の褌で相撲を取る」というのは、いい意味を持たない言葉だということを覚えておくようにしましょう。
「人の褌で相撲を取る」の読み方
「人の褌で相撲を取る」と書いて「ひとのふんどしですもうをとる」と読みます。
「人の褌で相撲を取る」の言葉の使い方
「人の褌で相撲を取る」とは、他人の持っている力、物などを利用する、他人を自分の思うように動かすなどして自分自身の利益にするといった意味ですから、ちゃっかりしていて、調子がいい人、人を利用していい思いをする人などによく使われるのです。
言葉の意味自体が悪い意味ですから、悪口で使われることがほとんどであり、直接本人に向かって言う場合は口喧嘩の時や罵りたい時でしょう。
他人を利用するずるい人や、やり方を指摘する時に使われますし、この言葉を他人に直接言う時はかなりの覚悟が必要ということでもあります。
「人の褌で相撲を取る」の語源や由来
「人の褌で相撲を取る」の語源や由来なのですが、本来は自分の褌を使って相撲をするものですし、褌がなければ相撲はできません。
自分の褌がなければ相撲をすることは諦めるしかないのに、他人の褌を使ってまで相撲を取るということから、他人を利用しいい思いをしている、ちゃっかりしていると見下して馬鹿にする、軽蔑の意味を込める時に使います。
「人の褌で相撲を取る」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「人の褌で相撲を取る」の意味や由来などが理解できたでしょうか。
それでは実際に例文をいくつか紹介しますので、使い方のイメージを掴んでみてください。
- 「人の褌で相撲を取る」を使った例文1
- 「人の褌で相撲を取る」を使った例文2
- 「人の褌で相撲を取る」を使った例文3
「人の褌で相撲を取る」を使った例文1
「あいつは、他人のアイデアを横取りして人の褌で相撲を取っているだけだよ」
要領のいい人は、自分自身が苦労することなく、誰かの真似をしたり、アイデアを盗むなどして、さも自分が能力が高いというふりをします。
一見、上手く世渡りをしているように感じられるのですが見る人が見ればわかりますし、結局「人の褌で相撲を取る」人として認識されて残念な評価をされてしまうのです。
「人の褌で相撲を取る」を使った例文2
「人の褌で相撲を取るような生き方しかしてこなかったから、実力はついていないよ」
他人の力を利用して自分が上手いことする、人生を思う通りにするのは、その時はいいかもしれません。
楽をしていい思いをすることを「自分は要領良く賢い」などと得意になってしまうこともあるでしょう。
しかし、所詮は他人の力であり、自分の実力ではないのです。
「人の褌で相撲を取る」ような生き方はいずれは破綻する時がくるのです。
結局のところ、地道に自分の力で頑張ることが大事で、成功への近道なのです。
「人の褌で相撲を取る」を使った例文3
「彼女自身が偉いわけじゃない。人の褌で相撲を取っているだけだよ」
他人の立場を利用して、自分の価値を高めるような人がいます。
確かに実力、経済力、高い地位といった他人の物を利用すれば、楽に生きることができたり、自分自身を高い場所へ導くこともできるでしょう。
ですが、結局は他人の力の利用ですから、陰で「人の褌で相撲を取る」人、本人に実力なしなどと悪口を言われることになりやすいのです。
「人の褌で相撲を取る」の類語や言い換え(似たことわざ)
「人の褌で相撲を取る」と同じような意味を持つことわざを紹介します。
- 「虎の威を借る」【とらのいをかる】
- 「尻馬に乗る」【しりうまにのる】
「虎の威を借る」【とらのいをかる】
「虎の威を借るキツネ」などと言われますように、自分は大したことがなくても、他人の力を利用するなどして上手くやることを言います。
ずるい、ちゃっかり、要領がいいといった人などに使われます。
「尻馬に乗る」【しりうまにのる】
人の後ろから同じような行動をする、よく考えずに同調し軽はずみな行動をするといった意味を持っています。
自分で考えることなく、人の真似をしていい思いをするといったニュアンスにも使えます。
「人の褌で相撲を取る」の英語や例文(解釈)など
「人の褌で相撲を取る」を英語で言う場合は直訳ではなく意味を考えて使うようにします。
英語では“free ride”となります。
意味はただ乗り、他が築いた信用や名声を利用して利益を得る、利益だけはちゃっかり受け取り、それに対する費用は出さないといったものでまさに「人の褌で相撲を取る」ということを表しています。
「人の褌で相撲を取る」人の心理
「人の褌で相撲を取る」人というのはどこにでもいるものです。
心理としてはいくつか考えられますが、自分自身に力がないことがわかっている場合とわかっていない場合とあるでしょう。
自分では力がないから力がある人を利用すると意識的にする人もいれば、他人の力なのに自分の力であると混同してしまっている人もいるでしょう。
わかりやすい例を出せば、親や夫などの力を自分のものだと当たり前のように振舞う子どもや妻と言えばわかりやすいでしょうか。
また、苦労したくない、要領良く生きたいと、他人を利用できるだけ利用して自分の労力は少なくしていい思いをするという考えの人もいます。
本人的にはずるいとか、ちゃっかりしているという気持ちはなく、むしろ「要領良く賢い」と思っていることが多いのです。
「人の褌で相撲を取る」人は、いい思いをすることは確かですが、それは長く続くはわかりません。
他人の力がいつまであるかどうかわからないからです。
また他人の力を失った時、自分の実力がついていないと結局苦労する羽目になります。
以上のことを総合しますと「人の褌で相撲を取る」人は、目先のことしか考えていない、楽天的な性格とも言えるでしょう。
いかがでしたでしょうか。
「人の褌で相撲を取る」という言葉の意味や使い方を理解できたでしょうか。
いい意味で使われることはありませんし「援助を受ける」という意味は誤った使い方ですので注意をしてください。