「尻馬に乗る」の意味・類語・対義語【使い方や例文】
昔から伝わる言葉は日本語にも数多く残っていますが、そのような言葉を私達は、どれくらい知っているでしょうか?
日本語には、中国の思想や偉人が残した言葉を由来しているものから、当時の生活習慣から新たな解釈に発展いった言葉まであります。
これらの言葉は、普段の生活からビジネスまで様々な場面で使うことかできることもあります。
その中には、「尻馬に乗る」という言葉がありますが、この言葉の意味を耳にすることは現代生活の中で、あまり使われることがないかもしれません。
ここでは、この「尻馬に乗る」について説明をしていきますので、どのような場面で使うことができるかを学んで、言葉のボキャブラリーを増やしてもらえればと思います。
目次
- 「尻馬に乗る」の意味とは?
- 「尻馬に乗る」の語源や由来
- 「尻馬に乗る」の言葉の使い方
- 「尻馬に乗る」を使った例文・短文(解釈)
- 「尻馬に乗る」の英語
- 「尻馬に乗る」の類語
「尻馬に乗る」の意味とは?
「尻馬に乗る」とは、「物事を深く考えずに人の言動に同調したり、呼応して軽はずみな行動を取ること」という意味を指しています。
確かに私達の周りには、素早い行動を取る「フットワーク」の軽い人がいますが、あまり物事の成り行きを熟慮することなく、軽はずみな行動となり、結果的に失敗することがありますね。
- 「尻馬に乗る」の読み方
「尻馬に乗る」の読み方
「尻馬に乗る」は、「しりうまにのる」という読み方になります。
「尻馬に乗る」の語源や由来
では、「尻馬に乗る」という言葉は、どのような経緯から生まれてきた言葉なのでしょうか?
この言葉の語源、由来は、他人が乗っている馬の尻のところに乗るの意味から来ているのですが、ここで言う「馬の尻」とは、「お尻」のことではなく、馬の後部のことを言っており、手綱を引く人の後ろに乗っていることを指しています。
馬の進む向きは、手綱を引く人任せということから、このような解釈が生まれてきたといわれています。
「尻馬に乗る」の言葉の使い方
「尻馬に乗る」という言葉が使われる場面は、自分の考えを持たずに人の流れに乗って行動する場合に用いられることになります。
「尻馬に乗る」を使った例文・短文(解釈)
では、ここから「尻馬に乗る」を使った例文を見ていくことで、具体的な活用場面を把握していくことにしましょう。
- 「尻馬に乗る」の例文1
- 「尻馬に乗る」の例文2
- 「尻馬に乗る」の例文3
「尻馬に乗る」の例文1
「あんな楽な方法があるんだったら、僕も他の連中の尻馬に乗って行けことにしよう」
こんな発言をしている「僕」は、苦労することを嫌い、楽な手段で物事を進めようとする物臭的な性格なのでしょう。
これだけで物事が上手く進むのであればいいのですが、世の中はそんなに甘くはありません。
「尻馬に乗る」の例文2
「他人の尻馬に乗って人を罵倒することは、人として最低のことだ」
時として、人はあまりにも醜い行動を取ることがあります。
このセリフのように、ある人を罵倒する時に、周りの人が罵倒することで、自分もそのな中に混じって、目立たないように相手を罵倒するような人間もいますね。
とても見苦しいことですが、このような卑怯な輩(やから)は、人として最低な性格の人としか思えません。
「尻馬に乗る」の例文3
「私が彼の尻馬に乗ったとしても、非難されるにないだろう」
世の流れに乗ることもある意味、世渡り上手と言えることがあるでしょう。
しかし、この例文のように「彼」の尻馬に乗った「私」が周りから避難されるかどうかは、今後の「私」の対応いかんによって異なってきます。
「尻馬に乗る」の英語
「尻馬に乗る」を英語で訳すと、“imitate somebody blindly”とあいう表現になります。
「尻馬に乗る」の類語
では、「物事を深く考えずに他人に呼応して軽はずみな行動を取ること」という意味がある「尻馬に乗る」を他の言葉で置き換えるなら、どのような言葉で例えることができるでしょうか?
- 「尻馬に乗れば落ちる」
- 「人のふんどしで相撲を取る」
- 「同じて和せず」
「尻馬に乗れば落ちる」
この言葉も「尻馬に乗る」の類義語として挙げることができるでしょう。
「他人の言動を真似たり、他人のすることに便乗して考えずに行なうと失敗する」という意味になりますが、「尻馬に乗る」をさらに深く解釈した言葉でもあります。
「人のふんどしで相撲を取る」
この言葉の意味は、「他人のものを上手く利用したり、他人に便乗したりして自分の利益にしてしまうこと」という意味があります。
特にビジネスや仕事の色々な場面で使われることも多い表現なのですが、基本的は自ら考えずに人のものをうまく利用してやろうとする人を揶揄している場面で使われることが多い言葉です。
ただし、現代のビジネス業界では、職種が色々なジャンルに細かく多様化していることから、「人のふんどしで相撲を取る」ことから始めて、派生的に進化させたビジネスがヒットすることもあります。
「彼は、新規ビジネスを立ち上げて大成功を収めているように思われていますが、このビジネスモデルは、人のふんどしで相撲を取っているに過ぎない」
このように「人のふんどしで相撲を取る」を使うことがあります。
「同じて和せず」
「同じで和せず」
「修養が足りず思慮の浅い人は、考えもなくむやみに人の説に同調するが、心から和らぎ親しくなることはない」という意味となります。
「馬尻に乗る」とは少し意味合いが異なってきますが、深い考えもなくむやみやたらに同調してしまう人は、結果的に失敗するいうニュアンスは似ていると思われます。
「尻馬に乗る」という言葉の意味を調べていると、日常会話や仕事の中でも使われたり、テレビやインターネットのメディアでは、あまりに耳にすることがないことわざなのですが、まさに現代ビジネスのあり方が問われているように思われます。
今のビジネス業界では、「働き方改革」の名の下、色々なビジネス手法が生み出されていますが、その中には、真似をすることも効果的な手法です。
しかし、ただ速効性のある方法だからといって、すぐに飛び付くことは禁物です。
本来であれば、「守破離」という精神で物事を進める必要があるのですが、成功事例の表面的なことだけを捉えてすぐに実行することは、愚の骨頂というものです。
新たなビジネスで成功する人は、例え他の成功パターンを真似していたとしても、そこから自分流の戦略・戦術を新たに確立させているのです。
「尻馬に乗る」ことは、決して否定するものではないのですが、そこから新しい流れを作ることが、成功への道となるのです。