「一兵卒」とは?意味と使い方!階級や対義語を紹介!
大勢で行動している時に「一兵卒」という言葉を聞くことがあります。
どの様な意味なのか、例文と併せて覚えておきましょう。
目次
- 「一兵卒」の意味とは?
- 「一兵卒」の読み方
- 「一兵卒」の階級とは?
- 「一兵卒」使った例文と意味を解釈
- 「一兵卒」の類語や言い換え
- 「一兵卒」の英語など解釈
- 「一兵卒」の対義語・高い階級の言い方は?
「一兵卒」の意味とは?
「一兵卒」の意味と注目される様になった理由について紹介します。
- 「一兵士」の意味
- 「大勢の中の一人」の意味
- 「一兵卒」という言葉が注目された理由
「一兵士」の意味
文字通り「一人の兵士のこと」です。
見て分る通り「一兵卒」は軍隊の階級に由来している言葉で、「兵卒」とは、旧陸軍の階級で最下位にあたる「一般の兵士」のことです。
軍隊において名もなき一人の兵士という意味になります。
「大勢の中の一人」の意味
軍隊に関係なく、組織や団体として活動する大勢の中の一人として地味な仕事やレベルが低い仕事に従事する人のことを言います。
会社などの組織では、大勢をまとめるリーダーシップを発揮する人と、それをサポートする何人かの人達、更にそこから指令を下すチームリーダーがいるなど、階級層があります。
そして最も下層階級の人達は何も肩書はなく、上層部から下された命令に従って仕事をしています。
組織の中で手足となり最も働く存在ですが、下積みの仕事が多く歯車的な存在です。
「一兵卒」という言葉が注目された理由
「一兵卒」という言葉が注目されたのは2010年の元民主党代表である小沢一郎氏の発言によるものです。
当時政界に強い影響力があった小沢氏は、自由党と民主党が合併した時に代表になるのではと言われていました。
ところが小沢氏は「一兵卒として微力を尽くす」として代表選には出ずに役を退いたのです。
当時は大きなニュースになり、流行語大賞の候補にもなりました。
「一兵卒」の読み方
「一兵卒」は「いっぺいそつ」と読みます。
中には「いちへいそつ」と読む人もいますが、正しくは「いっぺいそつ」です。
流行語にもなった言葉なので読み方を覚えている人も多いでしょう。
「一平卒」と書き間違う人もいますが、意味を考えれば間違いに気付くでしょう。
「一兵卒」の階級とは?
「兵卒」とは、旧軍隊で最下位の階級にあたる兵士のことです。
旧軍隊と現在の自衛隊では階級の付け方が違いますが、以下の様になります。
- 旧軍隊の場合
- 自衛隊の場合
旧軍隊の場合
陸軍では「上等兵・一等兵・二等兵」の3階級に当たります。
海軍では「一等兵・二等兵・三等兵・四等兵」の4階級に当たります。
自衛隊の場合
陸空海共に「陸空海仕長・一等陸空海士・二等陸空海士」の3階級に当たります。
「一兵卒」使った例文と意味を解釈
「一兵卒」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「一兵卒」使った例文1
- 「一兵卒」使った例文2
「一兵卒」使った例文1
「このイベントにはゲストではなく一兵卒として参加したい」
大きなイベントがあり、ゲストとして招かれていたのですが、そのイベントに興味があり自ら運営に参加したいと思っていることを表します。
お迎えの車やおもてなしを用意されるよりも、他の人達と一緒に裏方で働いて盛り上げたいと思っているのです。
「一兵卒」使った例文2
「彼は今のポジションに着くまで30年以上も一兵卒として下積み時代を過ごした」
その人は会社で肩書が付くまでに非常に時間がかかったのでしょう。
昇進が遅いタイプで、ずっと平社員として地味な仕事を担当していました。
社長が代わったり組織改編により日の目を見ることになって昇進できた時の周囲の言葉です。
「一兵卒」の類語や言い換え
「一兵卒」の類語には以下のものがあります。
- 「捨て駒」【すてごま】
- 「雑兵」【ぞうひょう】
「捨て駒」【すてごま】
意味は「組織として目的を達成する為に誰かを犠牲にすること」です。
元々は将棋用語で、何らかの策がありその為にあえて敵に取らせようとして差す駒のことを意味します。
「捨て駒として使われる」という使い方をします。
「雑兵」【ぞうひょう】
意味は「取るに足らない人」のことです。
元々は室町時代から使われる様になった言葉で、足軽など身分が低く卑しい兵対して使われた言葉です。
旧軍隊では下級の戦闘員に使われていて、そこから転じて現在の意味として使われる様になりました。
「一兵卒」の英語など解釈
“This stratergy is not suitable for the rank and file.”
「この戦略は一兵卒にとっては適切とは言えないものだ」となります。
“rank and file”は「軍隊で兵隊が縦と横に並ぶ列のこと=一般の兵士」という意味の言葉です。
「一兵卒」だけではなく「一般市民」という意味にも使われます。
「一兵卒」の対義語・高い階級の言い方は?
「一兵卒」の対義語は「大将」です。
「大将」は旧軍隊で最も高い階級を表す言葉です。
そこから転じて現在では「武道の団体戦で最後に戦う人」「集団のリーダー」「男性に対して気軽に呼びかける言葉」等の意味で使われています。
「おやまの大将」や「ガキ大将」など、リーダーとしてふんぞり返っている人を表す言い方です。
「一兵卒」は、「集団の中で地味に力を尽くすこと」です。
偉い人が自分に対して使うと謙遜の意味になりますが、真に受けてタメ口などをきかない様にしましょう。