「想定」の意味とは?「推定」との違い、類語や英語、使い方や例文を紹介!
「想定」は、本来の意味はそこまで広くありませんが、拡大解釈されて使われることが多い言葉です。
目次
- 「想定」の意味とは?
- 「想定」の読み方?
- 「想定」の英語(解釈)
- 「想定」の対義語
- 「想定」の言葉の使い方
- 「想定」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
- 「想定」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「想定」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
- 「想定」の「推定」の違い
「想定」の意味とは?
「想定」とは、「考えている(頭の中にある)設定」という意味で使う言葉です。
本来の意味はこれだけで、例えば「事故を想定した安全装備」と言えば、事故が起きたという設定に対する安全の為の装備という意味になります。
しかし、実際には「頭の中で考えている(考えられる)範囲」という意味で使っていることが多く、「想定にないインフレが起きた」のような使われ方もよく見ます。
本来であれば、「想定できるはずがない」などとしなければいけませんが、実際に「想定にない」だけでそのような意味で通ってしまうので、特に間違いとはせず、前述の拡大解釈となっています。
「想定」の読み方?
「想定」は、「そうてい」と発音します。
「「想」像の中の設「定」」という意味から作られた言葉だということが、この漢字二文字からよく分かるでしょう。
同音の言葉がいくつかあり、間違えるとすれば、漢字が似ている「創定」との混同に気を付けないといけませんが、こちらは滅多に見るものでもないので、あまり気にする必要はありません。
尚、この「創定」は、法律や規定などを初めて作った時のことです。
「この法律の創定は1920年だ」のように使います。
「想定」の英語(解釈)
「想定」は、英語では“assumption”と表現するのがいいでしょう。
この言葉は、「(根拠もなく)そうだと思っていること」、「本当だと信じていること」という意味で使いますが、それらが「想定」の意味と酷似している為、その英訳だと考えて使うことができます。
「火災を想定した避難訓練」は、“evacuation drill assuming a fire”となり、“assumption”が変化した“assuming”が「想定した」という意味になっています。
「想定」の対義語
「想定」の反対の意味となると、解釈が多少難しくなります。
「想定」は、「頭の中での設定」なので、「現実の設定」を表す言葉になる訳ですが、それがうまく表現できる言葉がありません。
そのまま「現実の設定」では反対語とは言えないので、それに近いと考えることができる「決定」が近い言葉です。
ただ、「決定」では「設定」以上の意味になってしまいますが、この他に向いている言葉がない為、この言葉だと考えておいていいでしょう。
「想定」の言葉の使い方
「想定」は、それによって何かを行うという時に使うことが多い言葉です。
この言葉自体は使わなかったとしても、頭の中でそれをしていることは意外と多いものです。
都心で雪が降った時などに、「電車が遅れることを想定して早めに出た」などと使うのがいい例です。
そのような「想定」は、雪が降った時点で多くの人がしていることでしょう。
「想定」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
「想定」の「拡大解釈」の元となったと言える、これらの使い方について考えていきます。
本来は、どちらも、更に言葉を付けて使わないといけません。
- 「想定外」
- 「想定内」
「想定外」
「頭で考えていた中の範囲にはなかった」という意味で使っている言葉ですが、本来は「想定外」だけでは、「頭の中の設定にはなかった」というだけの意味で、そこまでの意味として考えるのは拡大解釈です。
本来の意味で正しく使うなら、「想定の範囲外」と言わないといけません。
ですが、多くの場合で「想定外」だけでそこまでの意味があると考えていいでしょう。
「想定内」
上の「想定外」とは逆で、「頭で考えていた中にあった範囲内」という意味で使っている言葉です。
この言葉は有名な実業家が以前に多用していたことで有名になり、流行語にもなりました。
「想定外」と同じく、「想定内」だけでもこの「想定の範囲内」という意味だと解釈して構いません。
「想定」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「想定」を使った例文や短文です。
「考えたいたこと」という意味で、またはある設定の上で何かを行うような時によく使われる言葉です。
- 「想定」を使った例文1
- 「想定」を使った例文2
「想定」を使った例文1
「値上げ自体は想定していたが、ここまで上がるとは思わなかった」
値上げがあると頭の中で設定していたものの、それを上回る値上げがあったと言っています。
「想定」の使い方としては一般的で、「考えていたこと」の方になります。
「想定」を使った例文2
「想定ではこれくらいでは壊れないはずだったが、考えていたより脆かったらしい」
「これくらいでは壊れない」という設定の上で実験などを行っていた時だと考えていいでしょう。
このような「想定」の上で何度もテストや改良などを行った結果が、それが反映されたよりよい製品やサービスの提供に繋がっていきます。
「想定」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
「想定」と似た意味で使える言葉や、言い換えに使用できる表現です。
どれも大筋では似た意味となっていますが、違う点をきちんと覚えておきましょう。
- 「予定」【よてい】
- 「思惑」【おもわく】
- 「仮定」【かてい】
- 「想像」【そうぞう】
「予定」【よてい】
対義語の項で挙げた「決定」の正しい対義語となる言葉です。
その為、「想定」とも似た言葉だと考えることができます。
「予定」は、「前もって決めること」で、これを頭の中で行うのが「想定」だと解釈できます。
ただし、「想定」はあくまで「設定」するだけで、この「予定」となると、きちんとそうだと決めたという意味になるので、そこが多少違うと考えておいてください。
「思惑」【おもわく】
「こうなればいい」と頭の中で考えていることを指して使う言葉です。
「意図していたこと」という意味なので、これを「頭の中の設定」と解釈すると、「想定」とよく似た意味だと解釈できます。
実際にも、「想定」の代わりに(同じ意味で)使われることが多い言葉です。
「仮定」【かてい】
「仮の決定」のことで、「決定」まではしていない(行っていない)ことから、上の「予定」の一種だと考えていい言葉です。
「予定」の方が意味が重い「前持った決定」を表すと考えると分かりやすいでしょう。
その為、これも「想定」の類語の1つだと考えられます。
「想像」【そうぞう】
「頭の中で思い描いたこと」で、「想定」にかなり近い言葉です。
「想定」となると、「設定」という意味が強くなりますが、この「想像」はそれ以外の広い意味でも使えます。
「そこは想像するしかない」とした場合、自由に考えて構わないという解釈になり、「想定」の意味を内包していた上で、もっと解釈の範囲が広い言葉となっています。
「想定」の「推定」の違い
「推定」(すいてい)は、「考えた上でそのように決める」ことです。
つまり、考えただけでなく、そうだと仮に決めてしまうという意味になり、上で挙げた「仮定」に近い言葉です。
その「仮定」より、「決め付ける」という意味が強くなっており、「推定で25〜30歳だと思われる」などという使い方がよく見られます。
「想定」は、説明したような拡大解釈されることが多い言葉ですが、そちらで定着しているとも言える為、思ったより使い勝手がいいと言えるでしょう。
詳しい説明を付け加えなくても、それとなく意味が通ってしまうところが特徴となっています。