「無粋」の意味とは「無粋」と「野暮」「ナンセンス」の違い・英語【使い方や例文】
「無粋」と言われるとあまり良いイメージはありませんが、どんなことを言われているのでしょうか。
正しい意味と使い方などについて知っておきましょう。
目次
- 「無粋」の意味とは?
- 「無粋」の読み方?
- 「無粋」の英語(解釈)
- 「無粋」と「野暮」の違い
- 「無粋」の言葉の使い方
- 「無粋」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
- 「無粋」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「無粋」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
- 「無粋」の対義語
- 「無粋」と「ナンセンス」の違い
「無粋」の意味とは?
「無粋」の意味と「不粋」との違いについて紹介します。
- 「男女関係に疎くて世間知らずなこと」の意味
- 「遊び心が無く面白みに欠ける人」の意味
- 「不粋」との違い
「男女関係に疎くて世間知らずなこと」の意味
「無粋」は「粋では無い」と書きます。
「粋」とは江戸時代に使われ始めた言葉で、世間一般のものごとに通じていて美意識が強く、人間関係についても多くの経験があることを言います。
特に男女関係に詳しかったり、情報通である人に対して使われる言葉です。
「粋では無い」ということで、恋愛について疎くて上手く異性と付き合えない人のことを意味します。
「遊び心が無く面白みに欠ける人」の意味
「粋」には「洗練されていてオシャレ」という意味もあります。
「粋では無い」といことは、気持ちに余裕がなくて面白みに欠ける人、見た目が洗練されていない人という意味でも使われます。
性格的にも不器用で、空気を読まない発言をしてしまい周囲が引いてしまうなど、人付き合いがスムーズにいかない人のことを言います。
「不粋」との違い
「無粋」を「不粋」と書くこともあります。
結論から言って意味は全く同じですので、どちらを使っても間違いではありません。
違いがあるとすれば、その時の状況に応じて表現する側がどちらの漢字が適していると思うかという点です。
「無」の場合は「全くない」という意味になりますし、「不」の場合は「悪い・良くない」という意味になります。
「全く粋でない」のか「粋のレベルが低いのか」という意味での使分けになります。
「無粋」の読み方?
「無粋」は「ぶすい」と読みます。
「むすい」と読み間違わない様にしましょう。
「無粋」の英語(解釈)
「無粋」の英語には以下の表現があります。
- “boorish”
- “tactless”
“boorish”
“boorish”は「無粋な・がさつな・田舎者の」という意味があります。
“foolish”と似ている為に日本人は特に発音に注意しましょう。
“It is boorish to ask her that question.”で「彼女にそんな質問をするのは無粋だ」になります。
“tactless”
“tactless”は「無粋な・がさつな・不器用な」という意味があります。
“He pretty knows his attitude was tactless.”で「彼は自分の態度が無粋だと分かっている」になります。
「無粋」と「野暮」の違い
「無粋」と同じ様な意味を持つ言葉に「野暮」があります。
「無粋」は、「男女関係におけるさまざまなことに通じていないこと」という背景があり、そこから「風情がない」「面白みがない」という意味になりました。
「野暮」は「人の心を察することができないこと」から「面白みがない人」という意味になりました。
従って、「無粋」と「野暮」の違いは「男女関係に通じているか、そうでないか」の違いになります。
恋愛沙汰に関して空気の読めない言動をする人に対しては「無粋」、その他の人間関係に関して空気が読めない言動をする人は「野暮」と使い分けましょう。
「無粋」の言葉の使い方
「無粋」の言葉の使い方には以下のポイントがあります。
- 名詞として使う
- 人に対して使う
名詞として使う
「無粋」は名詞ですので「無粋な〇〇」と修飾語として使ったり、動詞形にする場合には「無粋だ」「無粋である」などとして使います。
特徴的なのは「無粋」は「男女間のことに疎い人」という意味があるので、あまり細かいことは説明せずに一言「無粋ですね」で通じるという点です。
人に対して使う
「無粋」は人から見てその人を評価する言葉です。
自分で「無粋だ」と自覚している人はまずいないので、その様な行動をした時に周囲の人が使う言葉です。
カジュアルな言葉ですのでビジネスシーンには向いていません。
「無粋」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
「無粋」を使った言葉と解釈を紹介します。
- 「無粋な男」【ぶすいなおとこ】
- 「無粋の極み」【ぶすいのきわみ】
「無粋な男」【ぶすいなおとこ】
女性に対しての接し方が悪く、嫌われてしまう様な男性のことです。
合コンや飲み会で女性に対していきなり「彼氏いるの?」などと訊いたり、「自分は金持ちだから」と自慢をすれば女性がなびいてくると思っています。
好きな人に対しては好きだというモードを全開にするので、相手の方が引いてしまったりします。
恋愛のノウハウが分らず、正直すぎて駆け引きができずに女性からすぐに飽きられてしまう様な人です。
「無粋の極み」【ぶすいのきわみ】
とにかく男女関係に疎く、恋愛経験が少ない人です。
人の恋愛の悩みを聞いても気持ちが分らないので理解できません。
「何で好きなのに別れたの?」「そんな奴となんで付き合っているの?」などと空気の読めない質問をします。
見た目もオシャレとは言えずに、いつでもだらしない格好をして、異性からどう見られているかなど全く気にしていません。
男友達がアドバイスしようにも何をどう言ったら良いのか分からない程のことを言います。
「無粋」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「無粋」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「無粋」を使った例文1
- 「無粋」を使った例文2
「無粋」を使った例文1
「人のデートの場所に現れるとは無粋な先輩だ」
週末のデートの予定を話したら、その場所に現れて「〇〇くんをよろしくね」などと先輩ぶったことを言う人に対する言葉です。
人の恋愛に余計な首を突っ込む人であることを意味しています。
「無粋」を使った例文2
「彼女は無粋なラブレターを貰い返事に困っていた」
メールでのラブレターを貰うのは嬉しいのですが、名前も知らない人から「好きです、付き合って下さい」だと唐突過ぎてどう返事をしたら良いのか困ってしまいます。
まずは会話を通じてお互いのことをある程度知ってから告白するべきで、恋愛のノウハウを知らない人です。
「無粋」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
「無粋」の類語は以下の通りです。
- 「無味乾燥」【むみかんそう】
- 「ダサい」【ださい】
- 「地味」【じみ】
「無味乾燥」【むみかんそう】
あらゆることに興味を持たず、感情があるのか分からない人のことです。
「ダサい」【ださい】
「格好悪い」「田舎くさい」という意味の俗語です。
あらゆる格好悪さに使えて若者を中心に使われています。
「地味」【じみ】
大人しくて目立たないことで、見た目だけではなく性格や行動に対して使われ、遊び慣れていない様子も含まれています。
「無粋」の対義語
「無粋」の対義語は「粋」ですが、意味の章で既に紹介したのでこちらでは「垢抜ける」を紹介します。
「垢抜ける」は「洗練されたさま」という意味で、「粋」の類語として使われています。
「無粋」と「ナンセンス」の違い
「無粋」は「男女間のことに通じていない」という意味です。
「ナンセンス」は「馬鹿げている」という意味で、英語の「non-sense」からきています。
「センスがない」という意味ではないので、「無粋」とは根本的に違います。
まとめ
「無粋」は「恋愛に通じている人」のことを意味します。
転じて「面白みがない人」の意味で使われますが、恋愛以外ならば「野暮」を使った方が良いでしょう。
人の恋愛に口を挟んでくる人に対して使ってみましょう。