「諌言」の意味とは?「諫言」と「進言」「忠告」の違い・英語・対義語・類語
「諌言」という言葉は重い響きがあります。
一体どの様な意味で、どんなシーンで使われるのでしょうか。
目次
- 「諌言」の意味とは?
- 「諌言」の読み方
- 「諌言」の英語(解釈)
- 「諌言」の対義語
- 「諌言」の言葉の使い方
- 「諌言」を使った言葉・慣用句や熟語・関連など(意味を解釈)
- 「諌言」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「諌言」の類語や類義表現
- 「諌言」と「進言」の違い
- 「諌言」と「忠告」の違い
「諌言」の意味とは?
「諌言」の意味と言葉の成り立ちなどについて紹介します。
- 「諌言」の意味
- 「諌言」の言葉の成り立ち
- 「諌言」と「諫言」の違い
「諌言」の意味
「諌言」の意味は「目上の人が間違えているときに、直接指摘してかくあるべきと忠告すること」です。
昔は主君と家来との関係は絶対的なもので、主君が間違ったことをしているからとうっかり注意をしようものならただちに処分されてしまうこともありました。
その為に家来は見て見ぬふりをしたり渋々と従うことが多かったのです。
それでも勇気を持って主君に対して「それは間違っています」と言う家来もいました。
織田信長の家臣の中には切腹と引き換えに「諌言」をした家臣もいたのです。
そんな忠義の心のある家臣を大切にする主君も多くいました。
現代社会でも目上の人に対しては中々自分の意見を言えないものですが、損得を考えず上司の為、会社の為を思ってミスを指摘する行為を「諌言」というのです。
「諌言」の言葉の成り立ち
「諌言」の言葉の成り立ちについて紹介します。
「諌」は「諌める」と読み、これだけでも「目上の人に対して間違いを改める様に指摘すること」という意味があります。
「言」には「ものを言うこと」の他に「言った言葉」という意味があります。
これらの2つの漢字を組み合わせることにより、行動だけではなく言った言葉も重要性が高いという意味で使われる様になりました。
「諌言」と「諫言」の違い
ネット上でも文章により「諌言」「諫言」と微妙に漢字が違うことがあります。
「諫言」は常用漢字ではないというだけで、どちらも同じ意味になります。
「諌言」の読み方
「諌言」は「かんげん」と読みます。
古い文体では「いさめごと」と読ませることもありますが、一般的には「かんげん」が使われています。
「諌言」の英語(解釈)
「諌言」の英語は以下の通りです。
- “admonish”
- “remonstrate”
“admonish”
“admonish”は「諌言する」という意味の英語です。
少し硬い言葉ですが、直訳であり間違いなく意味が通じるので、日本人にとっては無難な単語です。
“He admonished General Manager against being impatient. ”で「彼は本部長に対して短気を慎む様にと諌言した」になります。
“Admonitions are not sweet to the ear. ”で「諌言耳に逆らう=諌言耳に痛し」という諺になります。
詳しい意味は後程紹介します。
“remonstrate”
“remonstrate”は「抗議する」「異議を唱える」という意味の言葉です。
少し強い意味があるのですが、ビジネスでは意外に良く使われます。
“I remonstrated with my boss not to do things like that. ”で「私は上司に対してその様なことはしない様に諌言した」となります。
「諌言」の対義語
「諌言」の対義語は少なく「追従」が挙げられます。
意味は「自分の意思を曲げて人の言う通りにすること」「相手にこびへつらうこと」です。
「追い従うこと」と解釈できますので、目上の人に対して意見を述べることとは全く反対の意味です。
「諌言」の言葉の使い方
「諌言」の言葉の使い方には以下のポイントがあります。
- 名詞または動詞形として使う
- 目下から目上に対する行為
名詞または動詞形として使う
「諌言」は名詞ですので、「諌言を聞き入れる」など名詞として使います。
動詞形は「諌言する」になります。
前後に「誰にどの様な」という言葉を入れて分り易い文章を心がけましょう。
目下から目上に対する行為
「諌言」は目下の人から目上の人に対して諌める行為のことです。
目上の人から目下の人に対して言ったり、同じレベルの人に対して言うのは「忠告」になります。
「諌言」を使った言葉・慣用句や熟語・関連など(意味を解釈)
「諌言」を使った言葉と解釈を幾つか紹介します。
- 「諫言の士」
- 「諌言、耳に痛し」
「諫言の士」
「かんげんのし」と読みます。
意味は「上層部の人達に対して常に間違いを指摘したり忠告したりする役割の部下」です。
トップの人達の中にいて、やり過ぎや不正行為があった時に理路整然と指摘する人で、多大なる信頼を得ている人物と言えます。
「諌言、耳に痛し」
「かんげん、みみにいたし」と読みます。
こちらは元々「諌言、耳に逆らう」という諺が変化したものです。
意味は「人から間違いや欠点などを指摘されたり説教されたりする言葉は、受ける側にとっては中々聞き入れにくいものであること」です。
「諌言」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「諌言」を使った例文を以下に紹介します。
- 「諌言」を使った例文1
- 「諌言」を使った例文2
「諌言」を使った例文1
「外資系は財務部長が社長に対して予算編成を諌言する」
外資系企業において財務部長は社長の懐刀の様な存在です。
正しく財務分析をして、予算の見直しに関して社長に悪い点を指摘できるのです。
「諌言」を使った例文2
「社長に投資を控える様に諌言した部長がクビになってしまった」
社長に対してムダな投資を控える様に忠告した部長が解雇されてしまいました。
ワンマン社長が未熟な判断で資産運用をしている会社は次第に経営が傾いていくことでしょう。
「諌言」の類語や類義表現
「諌言」の類語について紹介します。
- 「忠告」【ちゅうこく】
- 「戒め」【いましめ】
「忠告」【ちゅうこく】
「相手が過ちや不正を犯している時に、誠意を持って教えさとすこと」です。
「諌言」が「目下の人から目上の人に対すること」であるのに対して「忠告」は相手を選ばず使えます。
「戒め」【いましめ】
「相手が過ちを犯したり失敗したりしない様に、事前に注意をすること」です。
こちらは行動を起こす前に相手に対してする行為です。
「諌言」と「進言」の違い
「諌言」は、「目上の人の過ちや間違いを指摘すること」です。
「進言」は、「目上の人に対して意見を述べること」です。
その内容は自分の考えであったり、おすすめの方法だったりと様々で、相手にとって耳痛いものであるとは限らないという点が違います。
「諌言」と「忠告」の違い
「諌言」は「目下の人から目上の人に対して言うこと」です。
「忠告」は「目上・同輩・目下など相手を選ばずに言うこと」です。
動作の主体と相手との格の違いにより使い分けられています。
「諌言」は「目下の人から目上の人に対して間違いを諌めること」です。
昔の主君と臣下の関係はもちろん、現代社会でも使える言葉です。
使い方を覚えておき、いざという時に類語と使い分けられる様にしておきましょう。