「暗中模索」の意味とは?読み方・英語・類語【使い方や例文】
仕事やプライベートで行き詰った時に「暗中模索」という言葉を使います。
何となく感覚で口にしている人も多いのですが、正しい意味や語源などを知っておくと良いでしょう。
目次
- 「暗中模索」の意味とは?
- 「暗中模索」の読み方
- 「暗中模索」の英語(解釈)
- 「暗中模索」と「五里霧中」の違い
- 「暗中模索」の言葉の使い方
- 「暗中模索」を使った言葉・慣用句や熟語・関連など(意味を解釈)
- 「暗中模索」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「暗中模索」の類語や類義表現
- 「暗中模索」の対義語
「暗中模索」の意味とは?
「暗中模索」の意味と語源を紹介します。
- 「暗中模索」の意味
- 「暗中模索」の語源
「暗中模索」の意味
「暗中模索」の意味は「ものごとの解決方法に手がかりがなく、自分で色々と探りながら試していくこと」です。
ものごとがスムーズにいかず、何とかして解決したいのですが良い方法が見つからずに悩んでいる時に使います。
「暗中」は「くらやみのなか」を意味して「模索」は「手探りで探し求めること」という意味です。
まるで暗闇の中にいるかの様にひとつずつ探りながら試し、ものごとを解決する為に努力している状態を「暗中模索」と言うのです。
「暗中模索」の語源
「暗中模索」の語源は、中国の唐時代に書かれた「隋唐嘉話(ずいとうかわ)」という書物に由来しています。
その書物の中に「許敬宗(きょけいそう)」という政治家についての一節があります。
「許敬宗」は傲慢な人物で、仕事で人に会ってもすぐに名前を忘れてしまいう様な性格でした。
そこでその態度を諌めようとある人物が「相手があなたより肩書が上だと思ってみなさい、次に会った時にあなたも暗中を模索する様に何とかして名前を思い出そうと努力するでしょうに」と言ったのです。
ここから「暗中模索」という言葉が使われる様になりました。
「暗中模索」の読み方
「暗中模索」は「あんちゅうもさく」と読みます。
読み方は覚えている人が多いのですが、中々書けないのでこれを機に覚えておきましょう。
「暗中模索」の英語(解釈)
「暗中模索」は英語に直訳すると“grope in the dark”といいます。
他に幾つか言い方がありますが、こちらが最もよく使われます。
“grope”は「手探りする・模索する」という意味です。
“I groped to solve the problem in the dark. ”で「私は問題解決の為に暗中模索をした」となります。
「暗中模索」と「五里霧中」の違い
「暗中模索」とよく似た意味を持つ言葉に「五里霧中」があります。
「五里霧中」は「ごりむちゅう」と読みます。
意味は「現状が全く把握できず、先行きの見通しが全く立たないこと」です。
元々は五里先まで霧で見えなくなり、視界がきかずに道が分らずどうしたら良いか分からない状態という意味です。
ここから「先が見えないことやあれこれと悩んで決断ができないこと」などに使われる様になりました。
「暗中模索」は「手探り状態で色々試してみること」ですので、実際に行動を起こしている様子です。
2つの違いは「立ち往生しているか、行動しているか」という点です。
「暗中模索」の言葉の使い方
「暗中模索」の使い方には以下のポイントがあります。
- 行動を意味する名詞として使う
- 良い結果につながることが多い
- 目上の人には使わない
行動を意味する名詞として使う
「暗中模索」は「手探りであれこれと試している状態」で、行動しているという意味があります。
使い方としては「暗中模索する」と動詞形にするのが一般的です。
他にも「暗中模索の〇〇」と状態を表す言葉として使われます。
良い結果につながることが多い
「暗中模索」はピンチの状態の時に使われるのでネガティブな印象があります。
しかし「暗中模索」の末に解決策を見出したり成功したりするケースも多くあるのです。
従って状況としてはネガティブなのですが、良い結果につながることもある「ポジティブ志向」な言葉です。
目上の人には使わない
「暗中模索」はポジティブ志向な言葉ですが「あがきながらも何とかして解決策を見出している」という苦しい状況を表しています。
自分や同レベル以下の人達のこととして使う分には仲間意識が芽生えて良いのですが、目上の人に使うと失礼な表現になる可能性があります。
目上の人がトラブル対応に一生懸命になっている時には「ご尽力されている」と言った方が良いでしょう。
「暗中模索」を使った言葉・慣用句や熟語・関連など(意味を解釈)
「暗中模索」を使った言葉を幾つか紹介します。
- 「暗中模索の中」
- 「暗中模索する」
「暗中模索の中」
現在問題が発生して解決策が見つからず正に手探り状態でいるのですが、何か解決の手がかりが見つかりそうな状態を表しています。
先が見えない中にも何かしらのヒントがあることを予感させる表現です。
「暗中模索する」
現在正に色々とやり方を試していることを表します。
自分なりに行動を起こして一つずつ確かめている状態で、最も苦しい時期に当たるでしょう。
「暗中模索」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「暗中模索」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「暗中模索」を使った例文1
- 「暗中模索」を使った例文2
「暗中模索」を使った例文1
「サーバーダウンの原因が分らず暗中模索をする」
会社ではサーバーがダウンすると多くの業務が停止してしまいます。
すぐに復旧できても原因が分らなければ再発する可能性が高くなります。
原因究明の為にひとつずつ検証している様子を表しています。
「暗中模索」を使った例文2
「暗中模索の末に試作品の段階にまでこぎつけた」
メーカーの研究開発部は常に新商品の開発に頭を悩ませているものです。
様々な失敗を繰り返しながらやっと試作品が出来て、会議に提出するまでに至ったことを表しています。
「暗中模索」の類語や類義表現
「暗中模索」の類語は以下の通りです。
- 「試行錯誤」【しこうさくご】
- 「紆余曲折」【うよきょくせつ】
「試行錯誤」【しこうさくご】
意味は「失敗を繰り返しながらも様々な方法を試し続けて目標達成に段々と近づいて行くこと」です。
「紆余曲折」【うよきょくせつ】
意味は「色々な事情が込み入り複雑化して、ものごとの解決に時間がかかること」です。
「暗中模索」の対義語
「暗中模索」の対義語には以下のものがあります。
- 「一目瞭然」【いちもくりょうぜん】
- 「明々白々」【めいめいはくはく】
「一目瞭然」【いちもくりょうぜん】
意味は「ひと目見てはっきりとよく分かること」で、誰が見ても明らかな状態でごまかし様がない時などに使われます。
「明々白々」【めいめいはくはく】
意味は「ものごとが明らかにはっきりとしている状態」です。
「明白」だけでも意味が通じるのですが、されにそれを強調する為に漢字が繰り返されています。
ビジネスやプライベートで「暗中模索」をするのは悪い事ではありません。
それが将来自分の経験やスキルにつながっていくものであるからです。
行き詰っている状態の時に自分から「暗中模索中です」と言える余裕を持ちたいものです。