「試行錯誤」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
さまざまな場面で使用される「試行錯誤」という言葉ですが、この言葉がどのような意味を持ち、どのような場面で使われるのか、またどのような表現方法があるのかを詳しく知っている方は少ないかもしれません。
そこで今回はこの「試行錯誤」について詳しく紹介したいと思います。
目次
- 「試行錯誤」の意味とは?
- 「試行錯誤」の類語や言い換え
- 「試行錯誤」の使い方
- 「試行錯誤」を使った例文
- 「試行錯誤」の反対語や対義語
- 「試行錯誤」を使った言葉を解釈
「試行錯誤」の意味とは?
- 「試行錯誤」の読み方や意味
「試行錯誤」の読み方や意味
- 何かに挑戦したり新しく物事を試みるときに、様々な方法ややり方を考えながら失敗をしたり間違いを繰り返して次第に見通しを立てること
- 物事を達成するために何度も失敗しながら繰り返し試みて目的に近づくこと、もしくは解決を見つけ出すこと
などを表す言葉になります。
「試行」とは試しに物事を行ってみたり、実験的に何かに挑戦することを言い、「錯誤」とは誤りや間違いのことを意味します。
この二つの言葉が結びつき、「様々なことを間違えながらも何度も挑戦して解決や目的に近づくける」という四字熟語になりました。
「試行錯誤」の類語や言い換え
- 「悪戦苦闘」【あくせんくとう】
- 「暗中模索」【あんちゅうもさく】
- 「手を替え品を替え」【てをかえしなをかえ】
「悪戦苦闘」【あくせんくとう】
「悪戦苦闘」とは、悪条件に非常に苦しみながらも努力して乗り越える事や、その試練や困難を乗り越えるために必死に闘うことをいいます。
- 「必ず勝てると言われていたチームに予想外に悪戦苦闘する」
- 「売上低迷に悪戦苦闘したけれど、一先ず山は越えた」
など
「暗中模索」【あんちゅうもさく】
「暗中模索」とは、手がかりのないまま物事を探し求めることや、あれこれと手探りしながら、色々と試したり、方法を探して状況打破しようと試みることを言います。
「暗中」とは暗闇や暗がりの事で、先が見えない真っ暗という意味です。
また「模索」とは手がかりもなく、状況や状態が飲み込めない不明の中で、色々と方法を探したりやり方を探索することをいいます。
- 「突然大病を患ってしまい目の前が真っ暗になってしまった。これからどうして生活していこうかと暗中模索している」
- 「一年前は会社が倒産して暗中模索していたけれど、今はそれなりに生活の基盤が整って安定した生活を遅れている」
など
「手を替え品を替え」【てをかえしなをかえ】
「手を替え品を替え」とはこの言葉の後に《様々な方法を試みる》と付け加えると意味がわかりやすいと思います。
あの手この手で努力して現状を変えようとしたり、あらゆる工夫をしながら最善の方法を見つける事をいいます。
- 「子供が泣き止まないので、手を替え品を替えあやして頑張ってみる」
- 「手を替え品を替え、商品開発に力を注いできたので、人気が出てくれることを祈っている」
など
「試行錯誤」の使い方
この言葉は「様々なことを試し、失敗したり間違えたりしながら目的や解決に近づくこと」を意味するので、何かの調査や実験をしたり、発明や研究、開発や創造をしている時に使う言葉になります。
新しいものを生み出したり、開拓したりして前に進むために様々なことを試みる場面で使うため、非常にポジティブで前向きな言葉だと言えます。
また、慎重に物事を進めたい人や、失敗を絶対にしたくない人、完璧主義で途中で物事を諦めたくない人なども「試行錯誤」という言葉を使うことが多く、実践している事が多いでしょう。
「試行錯誤」を使った例文
- 「試行錯誤」の例文1
- 「試行錯誤」の例文2
- 「試行錯誤」の例文3
- 「試行錯誤」の例文4
- 「試行錯誤」の例文5
「試行錯誤」の例文1
「試行錯誤の末に女性受けする新作メニューを完成した。苦労したので是非人気が出て欲しい」
「試行錯誤」の例文2
「発明とは試行錯誤を重ねないと生まれない。簡単に出来てしまっては誰にでも作れる事になる」
「試行錯誤」の例文3
「多くの時間を費やし、試行錯誤をしたからといって、ベクトルが間違っていては意味がない」
「試行錯誤」の例文4
「試行錯誤を繰り返して、やっと大好きな味付けになった」
「試行錯誤」の例文5
「この開発研究には莫大な資金がかかっているが、試行錯誤を重ね、時間をかけないことにはなし得なかった作品だ」
「試行錯誤」の反対語や対義語
「試行錯誤」にはっきりとした反対語や対義語などは存在しません。
ですので言葉の一部分や、"ある意味"では反対であったり、対になっている言葉を挙げてみたいと思います。
- 「即断即決」【そくだんそっけつ】
- 「軽挙妄動」【けいきょもうどう】
- 「短慮軽率」【たんりょけいそつ】
「即断即決」【そくだんそっけつ】
「即断即決」とは、その場ですぐに物事を決めてしまう事や、間髪入れずに決断を下す事をいいます。
考えたり悩んだりする事もなく、瞬間で決めてしまったり、決定してしまうので、考えたり失敗する事もない事になります。
つまり「試行錯誤」するような試す瞬間もないという事なので、対になる表現に近いと思われます。
「軽挙妄動」【けいきょもうどう】
「軽挙妄動」とは、深い考えもなく思いついたまま軽はずみに動く事や、分別のない軽い行動を取るという意味です。
誰にでも思い付きで行動をした経験があるかもしれませんが、その点であれこれ考え悩んでから試してみる「試行錯誤」する人の慎重さとは反対の意味になるのではないでしょうか。
「短慮軽率」【たんりょけいそつ】
「短慮軽率」とは、考えが短絡的且つ、浅はかで行動が軽はずみという意味になります。
この言葉は「短慮」と「軽率」という言葉に分けられ、「短慮」には《思慮が足りず短絡的》という意味があり、「軽率」には《物事を深く考えず、軽々しく浅はかに行う》という意味があるので、「試行錯誤」の《失敗や間違いを度々重ねながら試したり行動する事》との意味とは相反する事になります。
つまり頭を使い、思い悩み、深く考えるという部分で、この「短慮軽率」とは反対の意味に近くなるでしょう。
「試行錯誤」を使った言葉を解釈
- 「試行錯誤中」
- 「試行錯誤の末」
- 「試行錯誤を重ねる」
「試行錯誤中」
今、まさに努力をし目標や目的、夢を叶え、達成する為に失敗や試みを試している途中を表した言葉だと言えます。
考え悩み、失敗して落ち込んだり苦しんだりしながら、それでも挑戦している真っ最中である事を表現しています。
- 「自分達はまだ試行錯誤中だけれど、あの会社は既に新しいプロジェクトに乗り出している」
など。
「試行錯誤の末」
「試行錯誤の末」ということは良くも悪くも結果が出た事を表します。
つまり《失敗や間違いを度々重ねながらも、色々なことを試した結果》ということになります。
おおかたの場合は、いい結果に恵まれる事が多いのですが、努力の末なので結果がどうであれ受け入れている場合が多い表現になります。
- 「新薬を開発するにあたり、さまざまな実験や研究を繰り返す日々になった。試行錯誤の末、まだ新薬には至ってはいないが進歩は確実に遂げている」
など。
「試行錯誤を重ねる」
「試行錯誤」は「重ねる」とう言葉と一緒に使う事があります。
まず、この「重ねる」という言葉には日本語独特の奥ゆかしさや深さがあります。
例えば「年齢」に対しても「重ねる」といい言葉を使う事がありますが、単純に「年を取る」というよりも「重ねる」を使うだけで、丁寧に一年ずつ積み重ね、きちんと生きてきたという印象を受けるのではないでしょうか。
また更に《同じ事をやってきたわけではなく、紆余曲折ありながらも様々な形を重ねて一つにする努力をしてきた》という意味合いも増すと思います。
「試行錯誤を重ねる」という表現は「いろいろなことを試して失敗を重ねる」という意味ではありますが、決して無駄にしてきた訳ではなく、しっかりその結果を重ねて着々と高みに到達するように努力している途中という意味が背景にあります。
- 「今回成功をしたのは、試行錯誤を重ねてきたからであり、無駄な実験はなかった」
など。
失敗をしながら、時には成功をしたり、間違ってやり直したり、挫折をしてまた這い上がったりと、様々な工夫や方法を考えながら目的や目標、夢に向かって進む姿は人生そのものではないでしょうか。
人生は「試行錯誤」の連続です。
いつか理想に辿り着くと信じながらあれこれ考え、躓き傷付き喜ぶものなので、苦しく楽しいのかもしれません。
「試行錯誤」という言葉を日常であまり使う事はないかもしれませんが、実際には日々の暮らしの中で必ず「試行錯誤」していますし、身近な行為だと思います。