「委細承知」とは?意味と類語!例文と使い方!
「委細承知」という表現は、ビジネスにおいてはとても大切な表現の1つです。
メールなどでこの表現を使ったことがあるという人も多いのではないでしょうか。
ここではこの言葉の意味や使い方について紹介します。
目次
- 「委細承知」とは?
- 「委細承知」の使い方
- 「委細承知」を使った言葉と意味を解釈
- 「委細」を使ったほかの言葉
- 「委細承知」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「委細承知」の類語や言い換え
- 「委細承知」を使ったメールの例文をご紹介
- 「委細承知」の英語や例文(解釈)など
「委細承知」とは?
この言葉は、詳しい事情まできちんと理解している、という意味を持ちます。
指摘がなかったとしても十分に理解している、十分に把握している、という意味になるのです。
きちんと理解している、という気持ちを表しており、この場合は「あなたの言っている事は充分よくわかりました」「指示を受けなくても大丈夫です」といったニュアンスを含みます。
よく、お客さん等との対応で「承知致しました」と表現しますよね。
これによく似た言い回しだといえます。
- 読み方
- 「委細承知」を分解して解釈
読み方
「いさいしょうち」と読みます。
熟語としてもしっかりわかるようにしておきましょう。
ビジネスでは非常によく使われる言葉ですから、ぜひ頭の片隅に入れておかなければいけません。
「委細承知」を分解して解釈
「委細承知」には表現には細かいところまで理解しているという意味があります。
細かく解説すると、委細という言葉には、詳細、詳しい事情、という意味があります。
承知という言葉には旨を承って知ることという意味があり、ビジネスにおける「承知しました」「承知いたしました」はこの表現になります。
つまり、「委細承知」という表現は詳細を理解している、ということになります。
新たに指示されなくても大丈夫、という意味合いがありますから、早速指示を仰いでいるようでは恥ずかしい表現だといえます。
「委細承知」の使い方
ビジネスには様々な言い回しがありますが、「委細承知」という表現は日常的な会話で使われる事はありませんが、仕事においてよく使われる言葉であり、「いたしました」「しております」などと適切な敬語にした形で使われます。
非常に堅苦しい表現ですので、もしも上司や取引先の社員などに使う場合は言い換えた方が良い可能性もあります。
「委細承知」を使った言葉と意味を解釈
「委細承知」という言葉を使った言い回しを紹介します。
- 「委細承知致しました」
- 「委細承知仕りました」
- 「委細承知之助」
「委細承知致しました」
相手からビジネスメールで会議の日程等の連絡が来た時、相手にはきちんと返信をしなければいけません。
そのような時に、「あなたの話はしっかり理解しました」という意味を込め、「委細承知致しました」というと良いでしょう。
ただし、先ほども述べた通りやや堅苦しい表現になりますので、相手によっては表現を変えた方が良い場合もあります。
「委細承知仕りました」
これは「つかまつりました」と読みます。
これは時代劇でもよく使われた表現であり、少々堅苦しい、古い言い回しになります。
最近では大学の教授に対するメールに学生が「了解しました」などと返信することもあり、目上の人たちがうんざりしていると言われています。
目上の人に使いたいのであれば「了承いたしました」「承知いたしました」などという表現がありますが、時代劇など古い時代においては「委細承知仕りました」という表現が使われていたこともあるのです。
「委細承知之助」
「委細承知之助」、というのは「委細承知」という表現を擬人化して述べたものです。
これは江戸で使われていた言葉であり、古くから存在していたと言われています。
誰かに指示を出す時などに「委細承知之助!」と相手を読んでいたのではないかと考えられています。
この言い回しを使い、特に細かい指示を与えることなく働かせる場合に使われていました。
そしてこのような指示を受ける人は実際に仕事ができる人たちで、全て了解した上で作業ができる人たちだったのではないかとも考えられています。
「委細」を使ったほかの言葉
ここでは他の言い回しを紹介します。
- 「委細頓着なく」
- 「委細面談」
- 「委細構わず」
「委細頓着なく」
委細頓着なく、という表現は細々としたことを気にしない、という意味になります。
例えば夏目漱石の「夢十夜」でもこの表現が使われているため、知っている人もいるのではないでしょうか。
周りの人の評判など、細かな事は気にしない、という意味で使われているのです。
「委細面談」
委細面談というのは、詳しいことは会って話すという意味になります。
求人広告などで使われていることが多く、「委細面談にて」などと書かれている場合は詳しいお給料や勤務時間等について、面談に来た人に話をします、面談で決めましょう、という意味になります。
もしも委細面談という表現が書かれていた場合、そこに給与や勤務時間等が書かれていなくてもおかしなことではありません。
そもそも、広告にいろいろ書かれていても面接で決めることがたくさんありますよね。
「委細構わず」
この表現は、事情が何であっても、他の事情にも構わず、という意味があります。
例えば「彼は委細構わず話を続けた」「彼女は委細構わず計画を推し進めようとした」などといった表現が使えます。
何があっても、という意味があり、どのような細かいことも気にされなかった、などというニュアンスがあります。
「委細承知」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「委細承知」という言葉を使った例文を紹介します。
- 「委細承知」を使った例文1
- 「委細承知」を使った例文2
「委細承知」を使った例文1
「あの新入社員はバカのひとつ覚えのように委細承知という表現を使うけれど、実際は意味をわかってないよね」
「委細承知」という表現は指示をされる必要がないほど理解している、細かいところまでわかっている、という意味になります。
そのため、指示を必要とする場合や分かっていない部分があるならば、この言葉は使えません。
しかしビジネスをしているとどうしてもマニュアル本で見たような言い回しを繰り返す人がおり、きちんと意味を理解していない状態で使っている人も珍しくありません。
ビジネスメールなどで使われる決まり文句を使うならば、きちんとした意味を理解できていなければいけません。
「委細承知」を使った例文2
「あの人は委細承知以外の表現も知るべきだと思う」
「委細承知」という表現は、ビジネスでは欠かせない言い回しだといえます。
物事をきちんと理解していると相手に示すための大切な表現です。
しかし、ビジネスなどにおいては相手によって様々な表現の使い分けをしなければいけませんから、「委細承知」という表現だけ知っていれば良いというわけではありません。
毎回同じ表現ばかり使ってしまうと相手にワンパターンのイメージを与えてしまいますし、もしもいつも親しくしている人ならばこの表現は使わない方が良いでしょう。
このように、きちんとシチュエーション別に使い分けるためにも様々な言い回しを知っておかなければいけません。
「委細承知」の類語や言い換え
ここでは「委細承知」という表現の類義語を紹介します。
どのような言い回しがあるのかチェックしておきましょう。
- 「十分に把握している」
- 「百も承知」
「十分に把握している」
十分に把握しているというのは、きちんと理解している、よくわかっている、自覚している、という意味です。
メールで書くには不十分な表現ですが、確認メール等に対してはきちんと把握している、という旨を伝えることも大切です。
物事は全てを支持されるのではなく、自分で考えて動かなければいけないこともあります。
言われなくても動けるという状態ならば、しっかりと把握している、と言えるでしょう。
「百も承知」
百も承知、という表現は言われるまでもなくわかっているという意味を指します。
わかっていることを繰り返し説明された場合に「百も承知」という表現が使えます。
あるいは「うまくいかない事は百も承知だけれど、やらないわけにはいかない」などと表現することもあるでしょう。
これは慣用句ですから、明確な対義語は存在しません。
江戸時代には存在していた慣用句だと考えられており、「百も承知二百も合点」と言われていました
「了承」
了承という表現は目上の人に対するビジネスメールでも使える表現です。
最近は大学生などが教授に対し、「了解しました」などという返事を解してしまうことがあり、非常に失礼であると指摘されることがあります。
了承しました、了承いたしました、という言い回しであれば、目上の人に対しても使うことが可能です。
「委細承知」を使ったメールの例文をご紹介
この表現は社会人での会話やビジネスメール等でもよく使いますのでぜひ覚えておきたいものです。
例えば、相手から会議や打ち合わせ等について連絡が入ったとしましょう。
向こうから場所や時間等の詳細が連絡されたため、こちらからは「委細承知いたしました」と返信することで、先方に安心感を与えることが可能になります。
あるいは、相手から変更内容等の連絡が来た場合、それに対してもきちんと連絡を受けたという返信をしなければいけません。
ビジネスにおいてはメールの返信、そのメールをきちんと読んだということを示す返信がとても大切ですので、相手からの内容に対して「委細承知致しました」と決心する事はマナーとしても大切です。
むしろそのようなマナーがなっていない場合、社会的に信頼を失う可能性があります。
「委細承知」の英語や例文(解釈)など
「委細承知」という表現を英語にすると“total situation fully understood”や“understood perfectly”、“agreed”などの表現が使えます。
例えば、「委細承知致しました」と軽い感じでいうのであれば“Very well, sir.”といえます。
英語においては受け身は極力使われない傾向にありますので、あくまでも能動態で“I understand perfectly.”などでも構わいません。
「委細承知」という表現はビジネスにおいてはよく使われる大切な言い回しですので、ぜひ覚えておきましょう。
ビジネスにおいて相手から何らかのメールが来た場合、「読んだ」と返信をするということが非常に大切です。
メールを読みました、という返信があるないで信頼関係が左右されることもありますから、ぜひ「委細承知」という表現を使って返信を心がけてみましょう。