「通して」の意味とは?「通して」と「通じて」の違い・読み方・英語・類語【使い方や例文】
この「通して」という言葉は、色々な使い方ができるというだけでなく、使い方によって意味が変わるという点にも注意しなくてはいけません。
目次
- 「通して」の意味とは?
- 「通して」の読み方
- 「通して」の英語(解釈)
- 「通して」と「通じて」の違い
- 「通して」の言葉の使い方
- 「通して」を使った言葉・慣用句や熟語・サービスなど(意味を解釈)
- 「通して」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「通して」の類語や類義表現
- 「通して」と「渡って」の違い
「通して」の意味とは?
「通して」は、主に3つの使い方ができる言葉です。
まず1つ目は、時間の流れに対して使う場合です。
この場合、「3日から10日までを通して」といった形になり、「その間の全ての対して」という意味で使われます。
次に、時間ではなく、存在している共通する点があるものに対し、同様にそれら全てに何かがあると使うことがあります。
「これらの物語を通して」と言えば、その物語全てに共通したテーマがあることなどが伝えられます。
3つ目は、「誰かや組織などを通して」と使う場合です。
この使い方では、「その存在を経由して」という意味で、そちらの許可などが必要だと言いたい時の表現です。
このように、使い方によって意味が大分異なるので、これだという決まった意味はない言葉です。
「通して」の読み方
「通して」は、「とおして」と発音します。
この言葉の4つ目の意味となる、「そこをちょっと通して(通らせて)欲しい」という使い方は、一度は聞いたことがあるでしょう。
この使い形もあることから、余計に難しい言葉となっていますが、分かってくると、逆に便利な言葉だとも言えるでしょう。
「通して」の英語(解釈)
通しては、英語では“through”と表記します。
日本語では色々な使い方のある言葉ですが、そのほとんどの使い方をこの表現で表すことができます。
例えば、「24時間を通して」は、“through 24hours”となります。
そして、「この物語を通して」と使いたい時には“through this story”です。
「彼を経由して」という意味で使いたい時も、“through him”とすればその意味が表現できます。
最後に付け加えた「そこを通して欲しい」という意味の場合にも、“please through”で通ります。
この“through”がそのまま日本語の「通して」だと考えてください。
「通して」と「通じて」の違い
「通じて」は、「つうじて」と発音し、「通して」と同様の意味だったり、若干違った意味でも使える言葉です。
主な使い方は2つで、最初は先に挙げた「通して」の1つ目と2つ目の意味として使えます。
「1週間を通して」は、置き換えて「通じて」としても同じ意味になります。
「24時間を通して」という形でも同様で、これらの使い方では「通して」と変わらないと考えて構いません。
ただし、「誰かや組織などを通して」という使い方の代わりにはなりません。
また、「そこを通して欲しい」という意味で使うこともできないので、この点に注意してください。
その代わり、「誰かに通じている」(誰かと関係がある)、「この道はお寺に通じている」(お寺まで通っている)といった「通して」とは全く違う意味でも使える言葉です。
「通して」の言葉の使い方
通しての使い方については、ここまでに色々と挙げてきましたが、英語の“through”(通る)でほぼ全ての意味がカバーできてしまうことから、単純に「通る」という言葉の代わりに使えると考えると分かりやすいでしょう。
「話が通る」(何かを経由してという意味での使い方)がいい例になります。
道など通して欲しいという時にも同様で、意味こそ違うものの、どちらも「通る」という表現が使えます。
難しいのは、「共通して」というニュアンスで使う場合ですが、その時にもそれら全てを共通して「通る」ことだと解釈するといいでしょう。
「通して」を使った言葉・慣用句や熟語・サービスなど(意味を解釈)
先でこの「通して」の主な3つの意味として挙げたそれぞれの、具体的な使い方になります。
4つ目の「そこを通して欲しい」といった使い方は、特に解説は必要ないでしょう。
- 「期間を通して」
- 「全編を通して」
- 「誰々を通して」
「期間を通して」
「その期間に共通して」という意味になる使い方です。
「バーゲン期間を通して、すごい人ごみだった」などという使い方になることが多く、時間の流れに対して使っている例になります。
「全編を通して」
意味としては、上と同じく「共通して」となりますが、こちらは存在があるものに対して使っています。
「この作品は、全編を通してとても読みやすかった」といった場合、全編とも共通して読みやすい内容だったと言っています。
「誰々を通して」
その人や組織などを経由してと使う場合です。
「その件は、誰々(具体的な人や組織)を通してくれないと困るよ」と言えば、その誰々が許可しないと認める訳にはいかないと解釈できます。
「通して」を使った例文や短文など(意味を解釈)
通してを使った例文や短文です。
ここまでに紹介したものとは違った形の例を挙げていきます。
- 「通して」を使った例文1
- 「通して」を使った例文2
「通して」を使った例文1
「この中に入るには、ゲートに入場券を通してください」
この使い方は、「そこを通して欲しい」という意味で使う場合の応用です。
「入場券を通過させる」という意味が、「通して」という言葉で表現できています。
この場合も、英語では“through”で表現できます。
“please through the ticket”が、「入場券を通してください」の英訳です。
「通して」を使った例文2
「何とか彼に話を通して欲しい」
こちらは、「誰かを通して」という使い方の応用と言っていいでしょう。
意味としては、「その彼の納得が得たい(もしくは、知っておくだけ知っておいて欲しい)」となりますが、許可を求めているのとほとんど同じように使っているのが分かります。
「通して」の類語や類義表現
通してと同じような意味で使うことができる言葉や表現です。
「通じて」は既に説明しているので、ここには含めていません。
- 「介して」【かいして】
- 「かけて」【かけて】
「介して」【かいして】
「通して」は、この「介して」で置き換えられることがあります。
「誰かや組織などを通して」という使い方は、「介して」と変えてもほとんど同じ意味で使えます。
ただし、それ以外の意味には使えないので、この場合だけの置き換え表現だと考えてください。
「かけて」【かけて】
「3日から10日を通して」という使い方は、この「かけて」に変えて、「3日から10日にかけて」としても同じ意味になります。
やはり、これ以外の意味で使う場合には使えない「通して」の意味を限定した置き換え表現です。
「通して」と「渡って」の違い
「渡って」という言葉も、「通して」の置き換えに使える場合があり、上の「かけて」と同様に、「この1週間に渡って」と使えば、「この1週間を通して」と同じ意味になります。
それ以外の意味に使うことはできないので、「かけて」と同様の置き換え候補の1つだと覚えておけばいいでしょう。
通しては、意味や使い方のとても広い言葉です。
しかし、英語では“through”がちょうどこれに該当する言葉で、複雑な言葉の割には、英訳する場合には特に難しいことはないという変わった特徴をもっている言葉でもあります。