「反故」の意味とは?・対義語・読み方・英語・類語【使い方や例文】
「反故」とは難しい法律用語というイメージですが、実はビジネスではよく使われる言葉です。
正しい意味と読み方を知っておき、いざという時に理解できる様にしましょう。
目次
- 「反故」の意味とは?
- 「反故」の読み方
- 「反故」の英語(解釈)
- 「反故」と「反古」は同じ意味?
- 「反故」の言葉の使い方
- 「反故」を使った言葉・慣用句や熟語・サービスなど(意味を解釈)
- 「反故」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「反故」の対義語
- 「反故」の類語や類義表現
- 「反故」の語源
「反故」の意味とは?
「反故」の意味は以下の2つがあります。
- 「書き損じたりして無用になったり、ムダになった紙」の意味
- 「約束やルールを破ったり、契約を無効にしたりすること」の意味
「書き損じたりして無用になったり、ムダになった紙」の意味
古くは書道や水墨画、現在では手紙や資料など、書き損なったり何かの事情で不要になってしまった「紙」のことを言います。
もう使われずにあとは破って捨てられたり、まとめてリサイクルゴミとして出されるだけの状態です。
この意味から転じて「役に立たなくなったもの」を意味することもあります。
「約束やルールを破ったり、契約を無効にしたりすること」の意味
相手との約束を破ったり、決められたルールを撤回したり、契約をなかったことにすることを言います。
基本的にどちらかが一方的にこの様な行動をとることを表します。
ビジネスでよく使われるのはこちらの意味になります。
「反故」の読み方
「反故」は一般的には「ほご」と読みます。
但し、辞書やネットで検索をすると「ほうご」「ほうぐ」「ほぐ」「ほんぐ」「ほんご」などと実に多くの読み方が出てきます。
これらは全て昔の読み方で、時が流れるに連れて読み方が変わってきたことが分ります。
但し「はんご」というのは完全に読み間違いですので注意しましょう。
「反故」の英語(解釈)
「反故」は日本語独特の表現ですので、対応する英語はありません。
その時の状況により「何を反故にするのか」という意味の英語訳になります。
- 「break one's promise」
- 「scrap」
「break one's promise」
“breaak promise”で「約束を破る」という意味になり、「約束を反故する」として使えます。
“He always breaks his promises. ”で「彼はいつも約束を反故にする」となります。
「scrap」
“scrap”は「スクラップ:廃棄する=反故にする」で、計画などを廃案にすることを意味します。
“They scrapped the offer we have alreday worked on. ”で「彼らは既に我々が動いているオファーを反故にした」となります。
「反故」と「反古」は同じ意味?
ネットや辞書を参照すると「反故」の隣に「反古」と書かれていることがあります。
実は「反故」と「反古」は全く同じ意味の言葉です。
「故」は「昔のこと」「古いこと」で、「古」文字通り「古い」であり、ほぼ同じ意味です。
但し、一般的には「反故」と表記する場合が多く、「反古」となっているのはキーボード変換で出てきたのをそのまま使っていることが多くなります。
「反故」の言葉の使い方
「反故」は名詞として使います。
使い方はほぼ限定されていて「反故にする」「反故にされる」「反故になる」など、自動詞・他動詞が付きます。
法律やビジネスで「約束を破った」「契約を撤回した」というとストレート過ぎるので、和らげる為に「反故」という言葉を使っているのです。
「反故」を使った言葉・慣用句や熟語・サービスなど(意味を解釈)
「反故」を使った言葉を幾つか紹介します。
- 「反故紙」【ほごし・ほごがみ】
- 「反故にする」【ほごにする】
- 「反故にされる」【ほごにされる】
「反故紙」【ほごし・ほごがみ】
「ほごし」「ほごがみ」どちらの読み方もあります。
意味は「書き損なったり余ったりしていらなくなった紙」のことで、「ムダ紙」「裏紙」と言い換えられます。
オフィスでも年配の人や博識な人はコピーの際に「反故紙(裏紙)でいいよ」と指示することがあります。
「反故にする」【ほごにする】
ものごとを「一方的になかったことにする」という意味です。
「約束を反故にする」という時には「約束を守らないこと」を表し、「契約を反故にする」は「契約を白紙撤回すること」を表します。
こちらは動作を起こす主体として自分と他人両方に使われます。
「反故にされる」【ほごにされる】
上述の「一方的になかったことにする」という行為を受けることを表します。
相手の方から約束を守らなかったり、契約を撤回してくる時に使われます。
「反故」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「反故」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「反故」を使った例文1
- 「反故」を使った例文2
「反故」を使った例文1
「A社に契約を反故にされた」
ビジネスで契約は重要で、会社として印鑑を押して書類を交わすものです。
その契約を一方的になかったことにされたとなると怒って当然なのですが、A社が重要取引先であることから強く言えない状態を表しています。
「反故」を使った例文2
「旅行の約束を反故にされて全てのセッティングがムダになった」
人と旅行に行く約束をして、移動から宿泊まで全て手配したのに約束を取り消されてしまい、ショックを受けている状態を表しています。
おそらく相手の方が立場は上で強く文句を言えないのでしょう。
「反故」の対義語
「反故」の対義語は以下の通りです。
- 「遂行する」【すいこうする】
- 「果たす」【はたす】
「遂行する」【すいこうする】
意味は「与えられた任務や仕事を最後までやり遂げること」です。
「果たす」【はたす】
意味は「やらなければならないこと、或いは計画を立てたことを実行してやり遂げること」です。
「約束を果たす」として使われ「反故」の反対の意味になります。
「反故」の類語や類義表現
「反故」の類語は以下の通りです。
- 「撤回」【てっかい】
- 「白紙に戻す」【はくしにもどす】
「撤回」【てっかい】
「てっかい」と読みます。
意味は「一度決まったことや出した意見などを取り消すこと」です。
法律用語として使う場合には「一度提出・公示したものの効果を当人が取り消すこと」を意味します。
「白紙に戻す」【はくしにもどす】
意味は「目的に向けて動いていたものごとを、何もなかったもとの状態に返すこと」です。
なかったことにして新しくやり直すという意味が含まれています。
「反故」の語源
「反故」は元々漢語で、それぞれの意味は「反:裏返すこと」「故:使用済の紙」です。
昔も今もものを大切にする心は変わらず、書き損なった紙や使用済みの紙は、裏返して再利用することを「反故」と言っていました。
このことから「反故」は「書き損じた紙」という意味から「不要になった紙や契約書」となり、更には「無駄になったものごと」として使われる様になったのです。
「反故」は難しい言葉ですが「なかったことにする」と覚えておくと使い易くなります。
但し、自分から約束や計画を反故にする様な行動を取っていると信用を失ってしまうことになるので注意しましょう。