「吝嗇家」の意味とは?対義語、類語や英語、使い方や例文を紹介!
「吝嗇家」という言葉は、聞いたことがない、見たことがない、という方も多いかと思います。
ここでは、読み方もわからない、意味がわからないなど、知らない方も多い「吝嗇家」という言葉についてご紹介していますので、この機会にぜひ一読ください。
目次
- 「吝嗇家」の意味とは?
- 「吝嗇家」の読み方
- 「吝嗇家」の英語
- 「吝嗇家」と「倹約家」の違い
- 「吝嗇家」の言葉の使い方
- 「吝嗇家」を使った例文や短文・意味を解釈
- 「吝嗇家」の類語や類義の表現
- 「吝嗇家」の対義語・反対の表現
「吝嗇家」の意味とは?
「吝嗇家」とは、けち、ともいわれ、極度に金品を惜しむ人のことをいいます。
無駄にしないようにする、というよりも、必要なものでさえ惜しむほどのけち、という場合に、「吝嗇家」といえるでしょう。
快適さすら惜しみ、とにかくお金を溜め込みたい、という人のことをいいます。
「吝嗇家」の読み方
「吝嗇家」は「りんしょくか」と読みます。
「吝」という漢字はほかに、「お-しむ」「やぶさ-か」「けち」などの読みを持ち、おしむこと、ものおしみすること、けち、といった意味を持っています。
「嗇」という漢字にはほかに、「お-しむ」「やぶさ-か」「とりい-れ」といった読みがあり、おしむこと、ものおしみする、とりいれる、といった意味で使われます。
「家」という漢字はここでは、なにかを専門にする人、といった意味あいで使われています。
「吝嗇家」の英語
「吝嗇家」を英語にするならば、“stingy”や“miser”という単語を覚えておくと便利です。
“stingy”とはけちな、みみっちい、という意味の単語で、“stingy person”といえば、けちな人、つまり「吝嗇家」を表すことができます。
“miser”とはしみったれ、守銭奴といった意味の単語で、そのまま「吝嗇家」を表すことができます。
欲張り、というときにも使えるので、覚えておくといいでしょう。
「吝嗇家」と「倹約家」の違い
「倹約家」とは、生活の中にある無駄を省き、不要なものを増やさない、という行動を心がけている人のことをいいます。
なんとなく「吝嗇家」と似ている、同じなのでは、と思われるかもしれませんが、「吝嗇家」と「倹約家」には決定的な差があります。
「吝嗇家」の人は、必要なものにさえ、できればびた一文出したくない、出さない、という人のことをいいますが、「倹約家」の人は、必要に応じて金品を出すが、不要なものにまでは時間やお金を割かない、という人をいいます。
「吝嗇家」の言葉の使い方
「吝嗇家」という言葉は、意味通り、けちな人に対して使われます。
自分の支払うべきものでも、できることなら他人に出させたい、というほどけちな人は、面と向かっていわれることはないかもしれませんが、裏では「吝嗇家」と揶揄される可能性があります。
また、自ら「吝嗇家」と名乗ることで、けちを「清貧」のようにとらえ、自分の「吝嗇」を他人に強要する場合にも使われます。
「吝嗇家」を使った例文や短文・意味を解釈
それでは、「吝嗇家」を使用した例文をご覧ください。
具体例の中で見ておくことで、より理解が深まります。
- 「吝嗇家」の例文1
- 「吝嗇家」の例文2
- 「吝嗇家」の例文3
「吝嗇家」の例文1
「吝嗇家なもんでね、と彼はいつも余分に払わせようとする」
ご飯を食べに行ったとき、わざわざ支払いを同じにして、お釣りを余分にもらいたがるなど、「吝嗇家」は細かいお金の動きにも敏感なことが多くあります。
塵も積もれば山となるというように、一円にも厳しくジャッジを下し、すこしでも多くを自分の取り分にしたい、という気持ちを持っているようです。
「吝嗇家」の例文2
「吝嗇家の父のせいで、母は十年以上、同じ服ばかり着ている」
子どもは成長に応じて買い替えが必要ですが、大人になるとそこまで汚れることもなく、何年も同じ服を着られてしまいます。
家の中に「吝嗇家」の人がいると、なんとなく周りも「吝嗇」を強要される、ということがあります。
自分の財布と家族の財布を分けることができれば未然に防ぐことができそうですが、「吝嗇家」の夫を持つ専業主婦は、なかなか欲しいものを手に入れることができないかもしれません。
「吝嗇家」の例文3
「自分はどちらかというと浪費家の気があるので、吝嗇家の弟の気持ちがまったく理解できない」
同じ家で育った兄妹でも、気質やものの考え方には大きな差があり、真逆の性質を持つように育つこともあります。
どちらもほどほどであれば問題はないでしょうが、行き過ぎると周囲に迷惑をかけたり、利用されるおそれもありますので、注意が必要です。
「吝嗇家」の類語や類義の表現
「吝嗇家」の類語表現を見ておきましょう。
似たような言葉をいくつか知っていることで、使い分けができます。
- 「守銭奴」【しゅせんど】
- 「がめつい」【がめつい】
「守銭奴」【しゅせんど】
とくにお金に対して欲深く、貯金に執着があり、出し渋る傾向の強い人をいいます。
「吝嗇家」は時間など、お金以外に対しても使われますが、「守銭奴」はお金についてのけち、に対していう場合がほとんどですので、その点が違います。
「守銭奴ともいえるほどけちな彼は、デートも大概、割り勘だ」
「がめつい」【がめつい】
利己心が強く、金品など、利益を得ることに執着があり、押しが強いことをいいます。
「○○にがめつい」という言い方をすることで、なにについての執着が強いかを表すことができるため、汎用性の高い言葉です。
「あいつは合コンの話になると急にがめつくなる」
「吝嗇家」の対義語・反対の表現
最後に「吝嗇家」の対義語を見ておきましょう。
類語表現だけでなく、対義語を見ておくことでいっそう語彙の幅が広がります。
- 「浪費家」【ろうひか】
- 「恬淡」【てんたん】
「浪費家」【ろうひか】
必要なものさえ惜しむほどけちな人を「吝嗇家」といいますが、不要なものまで無駄に使いすぎる人を「浪費家」といい、「りうひか」と読みます。
どちらも極端に使いすぎ、使わなさすぎ、という意味で対義語に当たります。
また、金品だけでなく、時間などについてもいわれることがあります。
「時間の浪費家だと母に叱られたが、オンラインゲームをやめることはできない」
「恬淡」【てんたん】
「てんたん」と読み、物事に執着せず、あっさりしていることをいいます。
強欲でけちなことを四字熟語で「貪欲吝嗇(どんよくりんしょく)」といいますが、この対義語として、「無欲恬淡」という四字熟語が挙げられており、「吝嗇」と「恬淡」が対義の関係にあることがわかります。
「彼は仕事ができるのに欲がなく、恬淡としている」
「吝嗇家」とは、けちな人のことをいう言葉でした。
「浪費」のしすぎも身を滅ぼすことがありますが、必要なものまでけちっていると、困ったときに助けてくれるコネすらつくる機会を失ってしまいかねません。
「吝嗇」もほどほどにしておくと、「倹約」と前向きにいってもらえるのではないでしょうか。