「舌を巻く」とは?意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
「舌を巻く」という言葉がありますが、実際に舌を巻くと何も喋れないし、人から見て分るものではありません。
これは慣用句なのですが、一体どの様な時に使う言葉なのでしょうか。
目次
- 「舌を巻く」の意味とは?
- 「舌を巻く」の読み方
- 「舌を巻く」の英語(解釈)
- 「舌を巻く」の語源や由来
- 「舌を巻く」の言葉の使い方
- 「舌を巻く」を使った例文や短文(解釈)
- 「舌を巻く」の類語や類義表現
「舌を巻く」の意味とは?
「舌を巻く」の意味と「巻き舌」との違いについて紹介します。
- 「素晴らしかったり圧巻であったりして声が出ない様子」の意味
- 「呆れて言葉が出ない様子」
- 「巻き舌」との違い
「素晴らしかったり圧巻であったりして声が出ない様子」の意味
こちらは良い意味で使われます。
相手の言動に対して非常に感動して思わず言葉を失う状態を表しています。
最初は「まさかそこまでできないだろう」と期待をしていなかったのに、いざ相手が行動してみると想像を超えて良いものを見せられた時にこの様に感じます。
相手を認めざるを得ず「やられたよ」と心の中で思っている状態です。
「呆れて言葉が出ない様子」
こちらの意味は悪い意味で使われます。
相手があまりにも常識外れな行為をしたり、想定外のことをしてきた時の表現です。
自分の常識の中に全くないことなので、驚くと共に呆れて何も言えなくなってしまでしょう。
わざわざ指摘するも時間の無駄、手の付けようがないと思っている時に使います。
「巻き舌」との違い
「舌を巻く」と良く似た言葉に「巻き舌」があります。
「巻き舌」とは、舌の先を丸めて口の中に当てて「トゥルッ」とした音を出すことです。
「舌を巻く」は「感動したり呆れたりして言葉が出なくなること」ですので全く意味が違います。
混同しない様に注意しましょう。
「舌を巻く」の読み方
「舌を巻く」は「したをまく」と読みます。
特に難しい漢字ではないので、スムーズに読み書きできる様にしておきましょう。
「舌を巻く」の英語(解釈)
「舌を巻く」は日本独特の慣用句であり、英語の直訳はありません。
その時の状況により以下の様な表現があります。
- “be impressed”
- “be astonished”
“be impressed”
“be impressed”は「非常に感動した」という意味で使われます。
“I was deeply impressed by his presentation”(私は彼のプレゼンテーションに舌を巻いた)となります。
こちらは良い意味で使うことが多くなります。
“be astonished”
“be astonished”は「驚いた」という意味で使われます。
“I was astonished by her ignorance.”(彼女の無知ぶりに舌を巻いた) となります。
こちらは良い意味と悪い意味両方に使われる言葉です。
「舌を巻く」の語源や由来
「舌を巻く」の語源は、中国の漢時代の書物に書かれている「舌巻」という言葉からきています。
「舌巻」とは、舌の先を口の奥に折り曲げることで、言葉を話せない状態になります。
これはあくまで慣用句の比喩表現であり、「舌を巻いて話せなくなってしまうことの例え」です。
つまり、「舌を巻く」の舌は「言葉」を表していて、何かに強く感動したり呆れてしまった時に「言葉が出せなくなってしまう状態」を表しているのです。
感動した時やびっくりしたり呆れた時に、言葉を出したくても頭の中が一杯で何を言っていいのか分からない、その気持ちを「舌を巻く」と比喩した言葉です。
「舌を巻く」の言葉の使い方
「舌を巻く」の言葉の使い方は以下のポイントがあります。
- 前後の文章の意味をきちんとすること
- カジュアルな言葉として使う
- 女性はあまり使わない方が良い
前後の文章の意味をきちんとすること
「舌を巻く」は良い意味と悪い意味の両方に使われる為に、どちらの意味になるのか前後の文章をはっきりとさせることが大切です。
短文で「舌を巻いた」と言うよりも、「〇〇さんの〇〇が素晴らしくて舌を巻いた」と言った方が相手を納得させられます。
カジュアルな言葉として使う
「舌を巻く」は表現からしてもかなりカジュアルな雰囲気ですので、目上の人に対しては使わない方が良いでしょう。
自分と同等或いは先輩程度に留めて置き、更に肩書の高い上司や社長に対しては「言葉を失う程感銘を受けました」と言った方が丁寧です。
女性はあまり使わない方が良い
「舌を巻く」は比喩的表現ですが、かなりリアルな描写で上品とは言えません。
女性はビジネスや目上の人がいる場であまり使わない方が良いでしょう。
「舌を巻く」を使った例文や短文(解釈)
「舌を巻く」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「舌を巻く」の例文1
- 「舌を巻く」の例文2
- 「舌を巻く」の例文3
「舌を巻く」の例文1
「彼の理路整然とした意見に皆が舌を巻いた」
その人は何かに対してはっきりとした意見を持っていたのでしょう。
客観的かつ理路整然としていて、周囲の人に反論の余地がない程しっかりとしていました。
皆がその意見に納得してしまい、賛成するしかないと思った様子が伝わります。
「舌を巻く」の例文2
「彼のプレイには敵のチームも舌を巻いた」
そのチームには絶対的なプレイヤーがいて、全体を引っ張っています。
試合をした時にその人のプレイがあまりにも素晴らしく、敵のチームが手も足も出ない状態でした。
「舌を巻く」には言葉が出ないだけではなく、何もできない様子も含まれていることが分ります。
「舌を巻く」の例文3
「彼女の毒舌には優しい彼氏も舌を巻いた」
その女性は非常に毒舌が得意で、嫌味を言ったりチクリと差す様なことを言ったりしていたのでしょう。
普段は優しい彼氏がいるのですが、彼女の機嫌が悪い時にその毒舌が出てしまいました。
さすがの彼氏も呆れて何も言えずに黙ってしまった様子を表しています。
この場合は悪い意味で使われますが、険悪な雰囲気になるまでは至らないでしょう。
「舌を巻く」の類語や類義表現
「舌を巻く」の類語には以下のものがあります。
- 「言葉を呑む」【ことばをのむ】
- 「絶句する」【ぜっくする】
「言葉を呑む」【ことばをのむ】
意味は「非常に感動をしたり驚いた時や、相手に気持ちを汲んだりした時などに、言いたいことが言えなくなってしまうこと」です。
こちらは「舌を巻く」よりも素直に感情移入している意味が強く、幅広いシーンで使えます。
「呑む」を「飲む」と書く人もいますが、比喩的表現の場合は「呑む」を使うのが正解です。
「絶句する」【ぜっくする】
意味は「驚きや恐怖のあまりに言葉が出なくなってしまうこと」です。
こちらはどちらかというと悪い結果に繋がる時に使われます。
「舌を巻く」は相手の言動に対して「感動する」「呆れる」という2つの使い方をします。
ライバルに対して「舌を巻いた」と使うと相手は「認めさせた」と満足感を得るでしょう。
上手に使いこなして相手のプライドを満足させて、仕事をスムーズに進められる様にしましょう。