「大見得を切る」とは?意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
世の中には、色々な行動スタイルを持っている人がたくさんいます。
仕事でもプライベートな生活でも、コツコツと努力をしたり、几帳面な性格なのか、分刻みのスケジュールで行動しないと気が済まない人がいるかと思えば、その日暮らしの場当たり的なスタイルで自由気ままな感じしない人もいます。
その一方で、周りの人達に大袈裟な表現で注目を集めて行動する人も少なくありません。
そんな人はもしかすると、大見得を切っているだけかもしれません。
今回は、この「大見得を切る」について説明をしていくことにします。
どのような意味があり、どんなケースで使われているのでしょうか?
目次
- 「大見得を切る」の意味とは?
- 「大見得を切る」の読み方
- 「大見得を切る」の英語(解釈)
- 「大見得を切る」の語源
- 「大見得を切る」の言葉の使い方
- 「大見得を切る」を使った例文や短文(解釈)
- 「大見得を切る」の類語や類義表現
「大見得を切る」の意味とは?
「大見得を切る」とは、「自信や得意な気持ちをさらに誇示するように大袈裟な態度や言葉遣いで表現する」という意味がある言葉です。
言っていることは、とても大きなスケールの話だったり、多くの人を期待させるようなことを言っているのですが、実際にその中身を見てみると、大したことのなかったとうようなことがよくあります。
「大見得を切る」の読み方
「大見得を切る」は、「おおみえをきる」という読み方になります。
「大見得を切る」の英語(解釈)
「大見得を切る」を英語で表現する場合、この言葉の語源ともなっている「芝居で役者が大見得を切る」の訳としては、「pose for dramatic effect」、「strike an attitude」となりますが、「大袈裟なことを言う大見得を切る」の場合は、「declare proudly」、「theatrically」となります。
「大見得を切る」の語源
前項でもふれましたが、「大見得を切る」の「大見得」は、元々、歌舞伎で、俳優が強調したい場面で見せる大げさな表情や演技のことを指しています。
このことから、大げさな見得をする場合に、「大見得を切る」を使うようになったと言われています。
「大見得を切る」の言葉の使い方
「大見得を切る」とは、「実際のことよりもさらに大きなことを言ったりすること」になりますが、このような言動は仕事やプライベートの場面でも、よく使われています。
彼女に自分を格好よく見せたり、職場ではたいそうなことを言って、いかにも「仕事ができる」自分を演出する場合に、「大見得を切る」が使われます。
「大見得を切る」を使った例文や短文(解釈)
では、ここから「大見得を切る」を使った例文を見ていくことにしましょう。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
「あれだけ大見得を切ったのに、こんな有り様なのだから立場がないよ」
こんな場面はよくあるものです。
仕事でも、大きなイベントを計画した時に、中心人物となった人が関係者の協力を得るために、「大見得を切る」ことで、何とか皆が付いていくことになることがあります。
しかし、皮肉なことにイベントの結果が、全く良くなく、惨憺たるものになってしまうのです。
この例文の場面はそんなシチュエーションで使われている言葉かもしれません。
例文2
「1人でやると大見得を切ったけど、本当にできるのか、なんだか心配になってきた」
こんな場面もビジネスシーンでよくあることです。
計画を進めるのに、何とか頑張ろうとしているのですが、周りの理解が得られず、思わず「1人でやり遂げてみせる」と大見得を切ってしまったのではないでしょうか?
勢いで言ってしまったものの冷静に考えると、とても成功することが難しいことが分かってくるのです。
このような時は、冷静に大局を見極める必要があります。
例文3
「彼女には大見得を切ったものの、僕はスキーがあまり得意じゃないんだ」
この例文のでは、彼女から「スキーに連れていって」とでもお願いされたのでしょう。
「俺に任せておいて。スキーは得意だから」そんなふうに言ったのかもしれません。
でも、本当はろくにスキーをしたことがなくて、実は困っているのではないかと思います。
彼女の前で「格好よくスキーができる」なんて言わずに正直に言うことですね。
「大見得を切る」の類語や類義表現
「大見得を切る」は、他にも次のような言葉で言い換えることができるかもしれません。
- 「オーバー」【おーばー】
- 「はったり」【はったり】
「オーバー」【おーばー】
「オーバー」が、「大見得を切る」の類義語の1つとして挙げられます。
「度を越えること」や「越すこと」という意味がある他に、「大袈裟なこと」、「度が過ぎること」という意味があります。
「あいつはいつもオーバーなことばかり言っているから、誰も信用していないんだ」こんなふうに使われます。
確かに「オーバー」なことばかり言っていると、その内容が見透かされて、誰も見向きもしなくなるのです。
普段から地に足が付いた発言をしておくことが大切ですね。
「はったり」【はったり】
「はったり」も類義語になりますが、「いい加減なことを大胆に本当らしく大げさに話すこと」という意味を持っている言葉です。
「はったりを利かせる」というような使い方になり、よくケンカの場面で出てきそうなフレーズですが、仕事でも使われることがあります。
仕事で自信のない人は、自分の実力以上の仕事が中々できないことがあります。
しかし、そんな時に決して嘘にならない程度の「はったりを利かして」、それを証明していく方法があります。
高い目標を立てることで、自分の実力以上の結果を出すということです。
また、相手に「はったりを利かす」ことで 、自分自身にも「はったりをかける」ことがあり、一種の自己暗示のようなもので、自分の実力を伸ばすことができます。
「大見得を切る」ということは、自分の実力以上のことをアピールすることになりますが、時としてそれが大きな成功につながることになります。
普段はいつも60%の力しか出せていないのに、「大見得を切る」ことで、100%以上の力を発揮することができる場合があります。
「大見得を切った以上は、何とかやり遂げないとまずい」という心理が働くのか、結果的に良い結果が生まれるということがあるのです。
一般的に「大見得を切る」は、あまり良くないケースで使われることが多いのですが、このように自分を奮起させる意味でも、「大見得を切る」こともいいのかもしれませんね。
ビジネスでは、自分の実力以上のことにチャレンジし続けないと、これからの成長は見込めないでしょう。
そのように考えると、「大見得を切る」ことも必要ではないかと思います。