「ご助力を仰ぐ」とは?意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
ビジネスシーンで困ったことが起きた時には頼れる人に「ご助力を仰ぐ」ことがあります。
正しい意味や使い方を覚えておき、万が一の時にスムーズに使える様にしておきましょう。
目次
- 「ご助力を仰ぐ」の意味とは?
- 「ご助力を仰ぐ」の読み方
- 「ご助力を仰ぐ」の英語(解釈)
- 「ご助力を仰ぐ」の言葉の使い方
- 「ご助力」と「ご尽力」の違い
- 「ご助力を仰ぐ」を使った例文や短文(解釈)
- 「ご助力を仰ぐ」の類語や類義表現
「ご助力を仰ぐ」の意味とは?
「ご助力を仰ぐ」の意味と言葉の成り立ちについて紹介します。
- 「ご助力を仰ぐ」の意味
- 「ご助力を仰ぐ」の言葉の成り立ち
「ご助力を仰ぐ」の意味
「ご助力を仰ぐ」の意味は「助けて貰う様にお願いする丁寧な言い方」「教えや指示を乞う時の丁寧な言い方」になります。
ビジネスではピンチになった時に、普段はあまり関わり合いのない立場の人や社外の人の助けや協力が必要になることがあります。
その様な時に直接「助けて下さい」と言うのは失礼になりますので、相手を尊敬して、尚且つ自分を謙遜する表現で頼まなければなりません。
それにより相手も気持ち良く支援をしてくれることでしょう。
個人同士ではなく組織が絡んでくる程援助する規模が大きくなりますので、低姿勢になることが大切なのです。
「ご助力を仰ぐ」はその様な時に最も丁寧なお願いの仕方となります。
「ご助力を仰ぐ」の言葉の成り立ち
「ご助力を仰ぐ」は「ご・助力+を(助詞)+仰ぐ」で成り立ってます。
「ご」は漢字では「御」と書き、相手に対する敬意を表す接頭辞です。
「ご助力」は「助力」の敬語表現で、意味は「力を貸すこと」「手助けすること」です。
「仰ぐ」は「教えや助けを乞うこと」「目上の人からの教えを得ようとすること」という意味があります。
これらの言葉が組み合わさり「力を貸して貰える様に相手に対して懇願すること」という意味になったのです。
「ご助力を仰ぐ」の読み方
「ご助力を仰ぐ」は「ごじょりょくをあおぐ」と読みます。
読み間違いはあまりありませんが、「仰ぐ」を「煽ぐ」の意味に取らない様に注意しましょう。
「ご助力を仰ぐ」の英語(解釈)
「ご助力を仰ぐ」は英語でも数多くの言い方があります。
殆どの場合、素直に“cooperation”、“help”、“assistance”を使います。
主な言い方は以下の通りです。
- 先にお礼を言う場合
- 丁重にお願いする場合
先にお礼を言う場合
英語の言い回しで独特なのは、日本では丁寧にお願いするのに対して海外では「先にお礼を言ってしまう」ことです。
「どうぞご理解願えますか=ご理解頂きありがとうございます」「ご迷惑をかけてすみません=フォローしてくれてありがとう」という非常にポジティブな表現をします。
「ご助力を仰ぐ」の場合も、相手が何もアクションをしていないにもかかわらず先に“I appreciate your assistance. ”(ご助力頂き感謝しております)と言い、これでお願いをする意味になるのです。
丁重にお願いする場合
相手が自分達よりも立場が強く、簡単にお願いできない様な相手の場合は低姿勢にならざるを得ません。
その様な場合には“I would like to receive your help for that issue. ”(その案件に対してご助力を仰ぎた意と思います)となります。
「ご助力を仰ぐ」の言葉の使い方
「ご助力を仰ぐ」の言葉の使い方には以下のポイントがあります。
- 「ご助力を仰ぎたくお願い申し上げます」として使う
- 「賜る」に言い換えられる
- お礼を言う時には「お力添え」
「ご助力を仰ぎたくお願い申し上げます」として使う
「ご助力を仰ぐ」だけでは単に「相手に協力をお願いする」という事実のみです。
これを相手に伝えるには、お願いをする表現にしなければなりません。
ビジネス文書では「ご助力を仰ぎたくお願い申し上げます」とするのが一般的です。
「賜る」に言い換えられる
「ご助力を仰ぐ」は「ご助力を賜る」に言い換えができます。
「賜る」は「たまわる」と読み、意味は「もらうの謙譲語=いただく」です。
こちらの場合もお願いをする時には「ご助力を賜りたくお願い申し上げます」となります。
お礼を言う時には「お力添え」
目上の人に対して「ご助力を仰ぎたくお願い申し上げます」と言い、本当に支援をして貰った時にはお礼を言うのがマナーです。
この時には「ご助力を賜りありがとうございます」と言うと、何となく無理矢理権力を行使して問題を解決した様な響きになります。
お礼を言う時には「お力添えを賜り」とした方が、柔らかい雰囲気になるのでおすすめです。
「ご助力」と「ご尽力」の違い
「ご助力」と似たような言葉に「ご尽力」があります。
どちらも「ご」が付くので、話題の対象となる人への尊敬の意味がある言葉です。
「ご助力」は「誰かを助ける為に力を貸すこと」です。
これに対して「ご尽力」は「何かの為に力を尽くすこと」になり、対象となる相手の行動に対して「労をねぎらう意味」があります。
自分が困って誰かに助けて欲しい時に使うのが「ご助力を仰ぐ」であり、出来る限りの支援をして貰った時に「ご尽力を賜る」と言います。
「ご尽力を仰ぐ」とは使いません。
「ご助力を仰ぐ」を使った例文や短文(解釈)
「ご助力を仰ぐ」を使った例文を紹介します。
- 「ご助力を仰ぐ」の例文1
- 「ご助力を仰ぐ」の例文2
- 「ご助力を仰ぐ」の例文3
「ご助力を仰ぐ」の例文1
「この度の件につき是非ご助力を仰ぎたくメール致します」
他社に対して支援や協力をお願いする時のメール文書です。
何か困っていることがあるのですが、自社で解決できずに困っている様子が伝わります。
「ご助力を仰ぐ」の例文2
「ご助力を仰ぎたく本日参りました」
何か困ったことやお願い事があった時に、メールや電話で伝えるのは失礼だと思い、直接訪問した時の文です。
内容が複雑な時には直接会って話した方が意図は伝わり易くなります。
「ご助力を仰ぐ」の例文3
「是非あなた様のご助力を仰ごうと思い連絡致しました」
何かお願いしたいことがあって電話をした時の言葉です。
相手が社会的な地位のある人で、頼りにしていることが伝わります。
「ご助力を仰ぐ」の類語や類義表現
- 「お力添えを賜る」【おちからぞえをたまわる】
- 「ご協力を仰ぐ」【ごきょうりょくをあおぐ】
「お力添えを賜る」【おちからぞえをたまわる】
意味は「手助け・援助をして貰うこと」で、「お=御」が付くので尊敬語となります。
但し「お力添え」の場合はお願いする時に「仰ぐ」は使わず、「お力添えを賜る」「お力添えを頂く」という表現になります。
「ご協力を仰ぐ」【ごきょうりょくをあおぐ】
意味は「力を貸して貰うこと」で、同業者の間では「ご助力」がよく使われますが、顧客に対するお願いにはこちらが使われるのが一般的です。
「ご助力を仰ぐ」は、同業者間で援助や協力が欲しい時に使える言葉です。
ビジネスで困った時にメールで丁寧にお願いしてみましょう。
但し、協力をして貰ったらその後しっかりとお礼を述べることも忘れない様にしましょう。