「相まって」とは?意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
「相まって」はとてもシンプルな言葉ですが、意外に使い方が分らないという人もいるのではないでしょうか。
「相まって」の正しい意味と使い方について紹介しますので参考にして下さい。
目次
- 「相まって」の意味とは?
- 「相まって」の読み方
- 「相まって」の英語(解釈)
- 「相まって」の言葉の使い方
- 「相まって」の対義語
- 「相まって」を使った例文や短文(解釈)
- 「相まって」の類語や類義表現・言い換え
「相まって」の意味とは?
「相まって」の意味と解釈について紹介します。
- 「2つ以上のものごとが重なり合って作用すること」という意味
- 「お互いに影響し合うこと」の意味
- 「相まって」の解釈
「2つ以上のものごとが重なり合って作用すること」という意味
2つ以上のものごとが同時に重なり、それぞれの特徴が発揮されて結果につながることを言います。
それぞれの良い特徴と悪い特徴が、同じ方向へ働いて一つの結果に結びつく状態です。
「お互いに影響し合うこと」の意味
こちらはそれぞれの特徴が出るのではなく、片方の特徴がもう片方に影響してプラスアルファの特徴が生まれることを言います。
「1+1=2」でははなく「1+1=3」だったりそれ以上の結果になることもあります。
「相まって」の解釈
「相まって」は「相まつ」という動詞が変化した言葉で、漢字で書くと「相俟つ」です。
「相」は「互い」「共に」という意味で、「俟(し)」は「待ち受ける」「あてにする」という意味です。
この2つの漢字が組み合わさり「相俟つ:お互いに頼りにする」という意味から「相まって」として使われる様になりました。
「相まって」の読み方
「相まって」は「あいまって」と読みます。
読み方は簡単なのですが「相待って」と書き間違わないように注意しましょう。
「相まって」の英語(解釈)
「相まって」の英語には以下の2つがあります。
- “together with”
- “combined with”
“together with”
“togther with”は「一緒にいく」という意味ですが、「2つがうまくいく」という意味で使えます。
“Togeher with a cool name and shape, the new model became popular”(新モデルはカッコいい名称と形が相まって人気が出た)となります。
日本人がイメージし易い言葉と言えます。
“combined with”
“combined with”は「調和して」「組み合わさってうまくいく」という意味です。
「コンバイン」というと農業機械をイメージする人も多いでしょうが、全く違います。
“He successed combined with ability and luck.”(彼は実力と運が相まって成功した) となります。
「相まって」の言葉の使い方
「相まって」の使い方には以下のポイントがあります。
- 副詞として使う
- 2つ以上の理由となるものがあった方が分り易い
- 良い意味でも悪い意味でも使われる
副詞として使う
「相まって」はその後に続く言葉を必要とする副詞です。
変化形はなく「相まる」「相まく」などの動詞形はありません。
2つ以上の理由となるものがあった方が分り易い
人に分かり易く伝える為には「相まって」の前に「〇〇と××が」と理由となるものごとを明記した方が良いでしょう。
3つ以上になる時には文章を分けて書いた方がスッキリとします。
良い意味でも悪い意味でも使われる
「相まって」は「2つ以上のものが影響し合って一つの結果をもたらす」という意味で、それが良い意味か悪い意味かは関係ありません。
悪い結果になる時にも使えるのです。
「相まって」の対義語
「相まって」の対義語について紹介します。
- 「相殺」【そうさい】
- 「帳消し」【ちょうけし】
「相殺」【そうさい】
意味は「貸し借りや損得を差し引きしてなかったことにすること」です。
2つのものがお互いに帳消しにし合うことをあらわし「相まって」とは逆の意味です。
基本的に財務用語ですが、最近ではお金以外のことにも使われます。
「帳消し」【ちょうけし】
本来の意味は「借金を返済し終わって帳簿上から2重線で消されること」です。
ここから転じて「お金やものごとに関して、プラスとマイナスをぶつけてゼロにすること」という意味で使われる様になりました。
待ち合わせの時に「おごってくれたら遅刻した分帳消しにしてあげる」等と気軽に使われます。
「相まって」を使った例文や短文(解釈)
「相まって」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「相まって」の例文1
- 「相まって」の例文2
- 「相まって」の例文3
「相まって」の例文1
「嬉しさと感動が相まって思わず泣いてしまった」
人は感情が溢れると嬉しくても悲しくても泣いてしまうものです。
何か非常に嬉しいことがあり、しかもその過程で感動する様なことがあると、2つの感情が内面から湧き上がり思わず涙が出てしまうことがあります。
嬉しければ笑えば良いのですが、2つの感情でどうにもならずに泣いてしまっている様子を表しています。
「相まって」の例文2
「寒さと緊張感が相まって身体がガタガタと震えてきた」
面接を待っている時などに、手足が冷たくなって震えてしまうことがあります。
それは単に寒くて冷えてしまっているだけではなく、緊張して自律神経が刺激されてしまい、血管が収縮して余計に冷えを感じていることも理由かも知れません。
どちらにしても寒くて身体がガタガタと震えてしまっている様子を表しています。
「相まって」の例文3
「素直さと天然さが相まって別格的な魅力をかもし出している」
主に女性に対して使われる表現です。
顔はごく普通でも、性格が素直で、しかも天然っぽい面があると、女性はふんわりとした印象になります。
男性から見て「かわいい」と思う女性がこのタイプであり、非常に魅力的に見える様子を表しています。
この文章は男性目線で書かれたものと言って良いでしょう。
「相まって」の類語や類義表現・言い換え
「相まって」の類語には以下のものがあります。
- 「相乗効果」【そうじょうこうか】
- 「シナジー」【しなじー】
「相乗効果」【そうじょうこうか】
意味は「それぞれの特徴が生きて、単純に足し合わせるよりも更に大きな効き目が表れる様子」です。
良いことが影響し合ってまるで掛け算の様に大きく膨らんでいく時に使われます。
「相乗」はお互いに掛けあわせることでより大きな数値になることを意味します。
「シナジー」【しなじー】
「シナジー」は普段あまり使われない言葉ですが、ビジネス用語として覚えておきましょう。
英語では「synergy」と書きます。
意味は「相乗効果のこと」ですが、ビジネスでは更に奥深い意味があります。
「2つ以上の企業が提携して商品開発を進めたり、違う部門が協力して事業を進めることで、それぞれのメリットを生かしデメリットを克服する効果が出ること」で、経営者ならば知っておくべき言葉です。
「相まって」は幾つかのものごとが重なって思わぬ結果が出た時に使います。
それが良い意味でも悪い意味でも使えるのでとても便利な言葉です。
ものだけではなく感情や自然現象にも使えますので、日常会話で気軽に使ってみましょう。