「大顰蹙」の意味・類語【使い方や例文】
ビジネスではバリバリと仕事をこなして大きな成果を産み出している人でも、少なからず協力者や支援者がいて初めて成功するはずです。
しかし、このように成功している人が、「自分で勝ち得た成果なんだ」と増長していると、不遜な態度に変化していき次第に周りの人から疎まれるようになったり、嫌われてしまうようになっていきます。
その時に初めて周囲の人の存在に気が付くことになるかもしれません。
たった一言の発言や横柄な態度を見せることで、周りから批判にさらさせることもあります。
このような時に使われるのが、「大顰蹙」という言葉でしょう。
この言葉は、身近な場面でも使われている言葉なので、特別に違和感を感じる表現ではないものの、果たして正しく意味を理解して使っているかは疑問です。
そのようなことから、今回はこの「大顰蹙」について説明をしていきます。
目次
- 「大顰蹙」の意味とは?
- 「大顰蹙」の読み方
- 「大顰蹙」の英語(解釈)
- 「大顰蹙を買う」の意味「大顰蹙」の言葉の使い方
- 「大顰蹙」の言葉の使い方
- 「大顰蹙」を使った例文や短文(解釈)
- 「大顰蹙」の類語や類義表現・言い換え
「大顰蹙」の意味とは?
「大顰蹙」とは、「大いに嫌がられること」という意味を持つ言葉です。
人は、周りの人達からの理解を得ることによって自分の存在が活かされてくると言っても過言ではありません。
したがって「大顰蹙」の対象となる人は、自分の発言や行動を見直して改める必要があります。
「大顰蹙」の読み方
「大顰蹙」は「だいひんしゅく」という読み方になりますが、発音するとよく聞く言葉ですが、漢字はかなり難しい書き方なので、ここでしっかりとチェックしておきましょう。
「大顰蹙」の英語(解釈)
「大顰蹙」を英語で表現するなら、「顰蹙を買う」という表現をベースに“be frowned upon (by someone)”という英訳がポピュラーな表現でしょう。
“frown”という単語は「眉をひそめる」という意味になり、嫌な気持ちを表現する時に使われます。
「大顰蹙を買う」の意味「大顰蹙」の言葉の使い方
「嫌がれること」を単純に「顰蹙」で言うこともありますが、「買う」とは、一般的にショッピングなどで、自分の欲しい物や必要な物を購入することを指しています。
「大顰蹙を買う」となると、「自分の行ったことや言ったことで、周りから批判されることになること」を意味しているので、ここで言う「買う」とは、「大顰蹙」=「周りからの批判」を「受ける」(=「買う」)ということになります。
「大顰蹙」の言葉の使い方
この言葉は、人から大きな非難の的になった時に使われることになります。
「大顰蹙」を使った例文や短文(解釈)
では、ここで「大顰蹙」を使った例文を見ていくことにしましょう。
- 「大顰蹙」の例文1
- 「大顰蹙」の例文2
「大顰蹙」の例文1
「山中教授の発言は、世界中のメディアで報道されたが、大顰蹙を買うことになってしまった」
どんなに権威のある人物でも、場違いな発言をしたり、人の感情を逆撫でするようなコメントは、「大顰蹙を買う」ことがあります。
よくテレビでもコメンテーターが全く流れとは関係のないことを言ったり、人の怒りを買うようなことを言って「大顰蹙」となることがありますが、このような時に使われる言葉です。
「大顰蹙」の例文2
「世紀の大他流試合と銘打った試合が単なる茶番劇だったことで、八坂選手は、ファンから大顰蹙を買うことになった」
これは格闘技の試合に関しての文章でしょう。
「世紀の大他流試合」と大々的にキャンペーンをはったのかもしれませんが、あっという間に負けてしまい、ファンを楽しませるどころか、がっかりさせてしまったのかもしれません。
ある意味、ショー的なイベント要素もあるのなら、短時間であっけなく終わった試合に多くのファンが怒ったのだと思われます。
「大顰蹙」の類語や類義表現・言い換え
では、ここから「大顰蹙」に似ている意味の言葉をいくつか挙げてみることにしました。
「大顰蹙」の類義語は、次の通りです。
- 「総すかんを食う」
- 「大反発を食らう」
「総すかんを食う」
「総すかんを食う」という表現は「大顰蹙」の類義語として扱いをことができます。
この言葉の意味は、「意見や主張に対して、周りからさんざんな評価を受けること」となりますが、「大顰蹙」より身近な言葉として、よく耳にするものです。
「すかん」とは、「好かん」から来ていると思われますが、「好きでない」という意味があります。
「総」が「全て」という意味があるので、「総すかん」とは「多くの人達」という解釈になります。
たった一言の発言で、周りの人達から批判されてしまうことは、よくあることです。
最近、怖いと感じることはSNSの使い方で、Twitterでちょっとしたつぶやきで、炎上してしまうことがあります。
自分では特別に意識している言葉ではないのに、過激に反応した人達が、批判することがあり、まさに「総すかんを食らう」状態になるので、発言には注意が必要です。
「大反発を食らう」
「大反発を食らう」も「大顰蹙」と同じ意味を持つ言葉でしょう。
「行いに対して否定的な意見が数多く伝えられること」ですが、1つの意見や行動が大きな非難の的となり、抗議が殺到したり、非難の嵐にさらされることは、珍しいことではありません。
企業でもあることですが、今まで好調な業績を残してきたカリスマ経営者がいつの間にか、放漫経営を行うようになり、社員から「大反発を食らう」ことになります。
経営が好調な時はいいのですが、悪くなっていくと、トップの強引な経営手腕が非難にさらされることになります。
このようにならないためにも、経営者は普段から社内の風通しを良くしておくことに意識を傾けなければなりません。
「大顰蹙」ということは、私達の身近な場面でもよくあることです。
普段はあまり意識していないことでも、ちょっとしたことから、大きな波紋を呼ぶことがあります。
その波紋がよい意味で広がるのであれば、まだいいのですが、周りに悪影響を及ぼしてしまうようなことであれば、由々しきことです。
このようなことは、身近なところに隠れていることがあるので、普段から物事のあり方や発言、行動に注意しておくことが重要です。
たとえ力のある人でも、社会的に名声の高い人でも、たった1つの言葉で「大顰蹙を買う」ことがあるのですから、自分を常に律する気持ちでいなければなりません。
社会的に地位の高い人であれば、なおさらそのような意識を保ち続けることです。