「奈良判定」の意味・類語【使い方や例文】
世の中には様々な業界がありますが、それらの業界では、特有の専門用語やスラングがあります。
普通の人であれば、中々理解することがないような言葉でも、その世界に身を置いている人であれば、すぐに理解することができます。
しかし、その用語も決していい意味で使われていない場合もあります。
例えば、アマチュア日本ボクシングの世界で例を見ることができます。
日本ボクシング連盟の内紛問題が、メディアに取り沙汰されてから、大きくクローズアップされて、連日連夜、報じられていたのが、「奈良判定」という言葉です。
知る人ぞ知るというレベルの言葉なのですが、この「奈良判定」とは、一体どのような意味があるでしょうか?
今回は、この「奈良判定」について、見ていこうと思います。
目次
- 「奈良判定」の意味とは?
- 「奈良判定」の読み方
- 「奈良判定」の言葉の使い方
- 「奈良判定」を使った例文・短文(解釈)
- 「奈良判定」は流行語になった?
- 「奈良判定」の類語や類義表現
「奈良判定」の意味とは?
「奈良判定」とは、「アマチュアボクシングの試合で、山根元会長の出身県の奈良県の選手を不公平に勝たせる判定」という意味を持つ言葉です。
日本ボクシング連盟の不正を暴く告発状が12項目に渡り出されたのですが、その中に「審判不正問題」になったのが、まさに「奈良判定」という審判の不正問題だったのです。
簡単に言うと「奈良判定」とは、「日本アマチュアボクシングの試合における奈良県の選手に有利な判定が下されるという疑惑」と言うことができるでしょう。
日本ボクシング連盟の山根元会長が元奈良県連盟役員だったことから、地元びいきと受け止められても仕方のない疑惑です。
「奈良判定」の読み方
「奈良判定」は、「ならはんてい」という読み方になります。
「奈良判定」の言葉の使い方
「奈良判定」は、このアマチュアボクシングの試合で使われていましたが、その他にもスポーツの世界で偏った判定の時に使われることもあるかもしれません。
「奈良判定」を使った例文・短文(解釈)
では、「奈良判定」を使った例文をみていくことで、どのような場面で用いられるか理解を深めて行くことにします。
- 「奈良判定」の例文1
- 「奈良判定」の例文2
- 「奈良判定」の例文3
「奈良判定」の例文1
「ハードなトレーニングをしてきた選手がその努力も虚しく、奈良判定によって、負けることになったことは、とても不憫でならない」
このようにどんなにハードで地道なトレーニングをしても、結局、「奈良判定」のような偏った判定で負けることは、選手にとっては、悔しいものだということは言うまでもありません。
このような結果になることは、スポーツの世界では許されることではないはずです。
「奈良判定」の例文2
「今日の試合の判定はだれが見ても絶対に奈良判定だ」
このような一方の選手に肩を持つようなジャッジは決してやってはならないことです。
しかし、審判員も人の子ですから、内心は、どうしても「勝たせたい」という思いがあるかもしれません。
しかし、力量にあまりにも差がある場合では、試合の判定はハッキリするはずですが、露骨に「奈良判定」になってしまうと、明らかにえこひいきされた判定だと分かってしまうものです。
「奈良判定」の例文3
「奈良判定の問題で最も被害を受けている人は、明日の勝利を信じて努力してきた選手です」
選手は自分の勝利を信じて必死に歯を食い縛り厳しい練習に堪えて行くはずです。
その思いを踏みにじむがのごとく、「奈良判定」をすることは、スポーツマンシップを完全に無視した所業と言わざるをえません。
「奈良判定」は流行語になった?
「奈良判定」の由来は、前述の通り、アマチュアボクシングの試合における奈良県出身の山根氏の選手を勝たせる指示や恫喝に基づく問題でした。
これから端を発した「奈良判定」は、皮肉にも他のスポーツ界だけでなく、勝敗に関わることでも使われるようになっていくことになります。
流行語と言えば、それまでのことなのですが、決して好まれるような言葉ではありません。
「奈良判定」の類語や類義表現
では、ここから「奈良判定」の類語や関連した言葉を見ていくことにしましょう。
- 「恐怖政治」
- 「日韓W杯誤審疑惑」
- 「ホームタウンデシジョン」
「恐怖政治」
類義語の1つとして、「恐怖政治」を挙げてみました。
一見、「奈良判定」とは関係なさそうに思えるのですが、「奈良判定」の発端となったのは、山根元会長の「恐怖政治」が引き金です。
「恐怖政治」とは、「投獄や殺戮などの過激な手段によって反対者を弾圧する政治のこと」のことですが、今回の一連の流れを考慮すると、「奈良判定」の類義語として、扱いことができるかもしれません。
元々「恐怖政治」は、フランス語の「terreur」から来ており「恐怖」という意味だったのが、フランス革命時のロベスピエールの恐怖を引き起るさせる政治手法から、この言葉が生まれてきました。
「日韓W杯誤審疑惑」
「日韓W杯誤審疑惑」もある意味「奈良判定」と似ている疑惑であり類義語として位置付けることができるかもしれません。
この疑惑は、韓国対イタリアの試合で、誰からの目でも韓国側に有利な判定が続いたことで、審判の買収などの疑惑が報じられたことから、大きな問題となったことです。
但し、「奈良判定」のようにスラングとして使われることはないでしょう。
「ホームタウンデシジョン」
えこひいき的な判定としては、「ホームタウンデシジョン(Hometown Decision)」という言葉があります。
これは、「スポーツなどの審判員が出すホーム側に有利な判定のこと」です。
八百長の試合とは異なり、選手側には一切の非がないことですが、それだけに勝った方が非難されることは悩ましいことです。
「奈良判定」のような一方の選手やチームに有利な判定が下ることは、試合で必死に戦っている人にとっては、これほど悔しいことはないでしょう。
血がにじむようなトレーニングをしてきた選手にとっては、なおさら怒りの気持ちで一杯になるはずです。
プロスポーツの世界では、八百長は完全にご法度ですが、フェアな条件の下、汗がほとばしるような試合は、誰が見ても心が動かされるものです。
勝った方も負けた方も満足の行く試合となるはずですし、観客も勝者・敗者関係なく惜しみ無いエールと拍手を送るはずです。
これこそ、スポーツ本来の意義でもあるので、「奈良判定」のようなことは絶対に見過ごすことはできないのです。
もし、このようなことがまかり通っているのであれば、それはもはやスポーツではなく、単なる芝居以下の見せ物でしかありません。