「閑古鳥が鳴く」とは?意味・読み方・英語【使い方や例文】
この「閑古鳥が鳴く」という表現は、田舎などでよく使われるだけでなく、場所によっては都会と呼ばれる地域でも使われることがあります。
目次
- 「閑古鳥が鳴く」の意味とは?
- 「閑古鳥が鳴く」の読み方
- 「閑古鳥が鳴く」の英語(解釈)
- 「閑古鳥が鳴く」の対義語は?
- 「閑古鳥が鳴く」の言葉の使い方
- 「閑古鳥が鳴く」を使った例文や短文(解釈)
- 「閑古鳥が鳴く」の類義語や置き換えられる表現
「閑古鳥が鳴く」の意味とは?
閑古鳥が鳴くとは、「寂れている様子」を表現する時に使う言葉です。
「閑古鳥が鳴いている」と使うと、「とても寂れている」という意味になり、その寂しさを存分に表現できます。
何故、この「閑古鳥が鳴く」が「寂れた様子」を表すのかと言うと、「閑古鳥」とはカッコウの別名で、そのカッコウの鳴き声がとても物寂しく聞こえることから、そのような意味で使われる言葉として定着しました。
カッコウが寂しげに(鳥として、本当はそうではありませんが、あくまで人間の聞こえ方から)鳴いている、つまり、周りにほとんど人が居なく、賑わっている場所もないという解釈です。
「閑古鳥が鳴く」の読み方
「閑古鳥が鳴く」は、「かんこどりがなく」と読んでください。
「閑古鳥」がカッコウの別名だと書きましたが、この漢字表現を無理に「カッコウ」と読む必要はありません。
「カッコウが鳴く」では、そのままカッコウという鳥が鳴いている様子の表現になってしまいます。
「閑古鳥が鳴く」の意味での故事成語にはならないので注意してください。
「閑古鳥が鳴く」の英語(解釈)
「閑古鳥が鳴く」の意味を英語で表現するとなると、“deserted”が一番適当です。
この“deserted”は、「寂れた」、「(既に)寂れている」という意味で使う言葉で、こちらもまた、比喩表現となっています。
“deserted”は“desert”を過去形にした形ですが、その“desert”の言葉としての意味は「砂漠」や「荒野」(荒れ果てた土地)です。
そのようになってしまったという意味を表す為に過去形にした“deserted”が、寂れた様子(「閑古鳥が鳴く」と同じ意味)の表現として使われているという訳です。
「閑古鳥が鳴く」の対義語は?
閑古鳥が鳴くという言葉の対義語は、その逆の意味で「賑わっている様子」を(比喩して)表現する言葉になります。
- 「満員御礼」【まんいんおんれい】
- 「千客万来」【せんきゃくばんらい】
- 「大盛況」【だいせいきょう】
「満員御礼」【まんいんおんれい】
大相撲で、客席が埋まった時によく使われている表現です。
見た目の通り、満員になった様子を感謝している表現で、「閑古鳥が鳴く」様子とは正反対です。
ただし、主に定員がある場所で使われる言葉なので、完全な対義語とまでは言えないかも知れません。
「千客万来」【せんきゃくばんらい】
こちらも、その場所に入り切れないほど人が押し寄せているという意味で使います。
「満員御礼」が定員まで人が集まったという表現なら、この「千客万来」はその上をいく表現だと考えていいでしょう。
「大盛況」【だいせいきょう】
「盛況」でも構いませんが、その前に「大」と付けることで、更に意味を強くしています。
「盛況」は「とても賑わっている様子」全般に使える表現で、「今日はお店が盛況だった」などとよく使われます。
定員などに関係なく、ともかく賑わっている様子を表して使うことができる言葉で、一番「閑古鳥が鳴く」の対義語として向いていると言えるでしょう。
「閑古鳥が鳴く」の言葉の使い方
閑古鳥が鳴くは、そのような様子を表現する為の言葉ですが、あまりに無闇に使ってはいけません。
例えば、人のお店がらがらな様子に対してそう言ってしまうと、大変失礼になってしまいます。
軽口を利ける間柄であれば構いませんが、間違っても取引先のお店などに対して使わないように注意してください。
どこかの土地や施設などを訪れてそう感じた場合にも、その場所に関係のある人の前では使わない方がいいでしょう。
「閑古鳥が鳴く」を使った例文や短文(解釈)
閑古鳥が鳴くを使った例文や短文です。
この言葉の意味から、どれも寂れている様子が絡む文章になりますが、応用した形での使い方も挙げてみます。
- 「閑古鳥が鳴く」の例文1
- 「閑古鳥が鳴く」の例文2
- 「閑古鳥が鳴く」の例文3
「閑古鳥が鳴く」の例文1
「このショッピングモールは、いつ来ても閑古鳥が鳴いている」
近くに団地などの集合住宅が建つと、それに合わせてショッピングセンターなどが誘致されて造られることが珍しくありません。
ですが、その団地などからの集客を目的として造られたのは明白なので、そこから人が出て行ってしまうと、途端に「閑古鳥が鳴く」状態になることも少なくないと言えるでしょう。
この例文は、そのような状態になってしまったショッピングモール(様々なお店が集合して作られた、いわゆるショッピング街)を差して使っています。
「閑古鳥が鳴く」の例文2
「閑古鳥が鳴くほど静かな場所だ」
寂れていることには違いありませんが、それを主に表現する為ではなく、人が居なかったり、賑わっている場所もないことで、静かだと言いたい為に使っています。
このように言った方は、それほど悪い意味で使ったとは思っていないかも知れませんが、「落ち着いている」といういい意味だと捉えるのも間違いです。
そのような意味にしたければ、「閑古鳥が鳴くほどの場所」ではなく、「静謐」な場所」(せいしつ、静かで落ち着いている)という言葉を使う方がいいでしょう。
「閑古鳥が鳴く」の例文3
「閑古鳥が鳴かないように、気合を入れて営業して欲しい」
これは、人が集まらない様子にはならないようにという比喩に使っている例になります。
「閑古鳥が鳴く」が寂れた様子を表すことから、こういった使い方もできる言葉です。
実際にも意外と見聞きする形の表現だと言うことができます。
「閑古鳥が鳴く」の類義語や置き換えられる表現
「閑古鳥が鳴く」と似た意味の言葉や表現です。
どれも物静かなことを表現する言葉で、上で挙げた「静謐な」はここには含めていません。
- 「閑静な」【かんせいな】
- 「長閑な」【のどかな】
「閑静な」【かんせいな】
「閑静な住宅街」と使い方は、誰でも一度は見聞きしたことがあるでしょう。
「静まり返った様子」を表現する言葉で、先の「静謐な」の方が幾分情緒がある表現ですが、こちらでも意味はほとんど変わりません。
その言葉と共に、静かなことを悪い意味ではなく、いい意味として表現したい場合に向いています。
「長閑な」【のどかな】
静かなことに加えて、「のんびりとしている様子」も表現できる言葉です。
「長閑な田園風景」などといった使い方をよく見掛けます。
基本的に悪い意味で用いる言葉ではなく、時が止まったかのような(日常の忙しさとは無縁の)状態を表現するのに向いています。
閑古鳥が鳴くは、あまりいい意味で使う言葉ではありません。
その為、寂しい様子を表現したい時でも、使う(この言葉が聞こえる)相手には注意が必要です。