「一辺倒」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「一辺倒」という言葉は、知っているが使ったことはない、という方が多いのではないでしょうか。
中には知らない、どう読むのかわからない、という方もおられるでしょう。
ここでは、「一辺倒」について意味、読み方、使い方などご紹介していますので、ぜひ一読ください。
目次
- 「一辺倒」の意味とは?
- 「一辺倒」と「通り一遍」の違い
- 「一辺倒」の言葉の使い方
- 「一辺倒」を使った言葉と解釈
- 「一辺倒」を使った例文や短文
- 「一辺倒」の類語や類義表現
「一辺倒」の意味とは?
「一辺倒」とは、ある一辺に向かって倒れていく、と書くとおり、ある方向へと傾いていくことを意味し、「いっぺんとう」と読みます。
特定のものにだけ興味を向け、ほかはまったく興味がない、という場合に、その特定のものに対して「一辺倒」である、ということができ、趣味嗜好から、政策などまで、個人団体等の別なく使えます。
「一辺倒」と「通り一遍」の違い
「一辺倒」があるものごとに傾倒することを意味するのに対し、「通り一遍」とは、一度しか通ったことがない、というところから、顔なじみでない、その後、うわべだけである、というように意味が転じて使われている言葉です。
似たような雰囲気を持つ言葉で読み方も似ているため、どちらでもいいじゃないか、と思われがちですが、まったく違った意味の言葉なので、間違えないようにしましょう。
- 「通り一辺倒」は誤用?
「通り一辺倒」は誤用?
また、「通り一辺倒」という使い方を、うわべだけである、といった意味で捉えている方もおられるようですが、先述したとおり、「一辺倒」と「通り一遍」はまったく別の言葉です。
「通り一辺倒」は、どちらもを混同してしまい、混乱した中でできた造語でしょうから、もしこれまで使っていた、という方は、ふたつの言葉の意味をきちんと分けて理解しておきましょう。
「一辺倒」の言葉の使い方
「一辺倒」は、「一辺倒である」「一辺倒な○○」「○○に一辺倒だ」「一辺倒の○○」のように使われ、多くの場合は文中で、なにに対して「一辺倒」であるかが明らかにされています。
わかりやすい語形としては、「○○(人)は△△(対象)に一辺倒だ」という形になり、人が省略された形などに派生していきます。
「一辺倒」を使った言葉と解釈
「一辺倒」を使った言葉をいくつか挙げましたので見ておきましょう。
「一辺倒」を使う場面の参考にもなります。
- 「一辺倒の回答」
- 「一辺倒な意見」
- 「一辺倒な返事」
「一辺倒の回答」
「一辺倒の○○」の形で、○○に「回答」という言葉が入っています。
たとえば、休日はなにをしていますか、や趣味はなんですか、というありふれた質問に対し、非常にマニアックな回答を長々と寄せることや、質問の内容に即さず、とにかく言いたいことを言う、という回答も、「一辺倒な回答」といえるでしょう。
喜ばれる場合といやがられる場合とがありそうですが、ひとつの物事に傾倒している人というのは、そのあたりの他人の機微を配慮できないほど、熱中していることもあります。
「一辺倒な意見」
仕事上の会議だけでなく、家族や友人と話しているだけでも、他人の意見を取り入れず、自分の偏った意見を押し通そうとする人はすくなからずいます。
議会など見ていても、明らかな強行採決などは、「一辺倒」であると言わざるをえない場面があるのではないでしょうか。
一般論や周囲との協調ということを加味せず、あるひとつの信念や信仰に近い意見だけを通すというのは、民主主義的でないこともありそうです。
「一辺倒な返事」
ある偏った物事しか受け入れないような返事をすることを、「一辺倒な返事」ということができます。
利己的な人に多いのは、すこしでも自分に不利益になることにはうなずかないなど、全体を見ることができていない、というケースです。
逆に、利他的であることに情熱を注ぐ人は、すこしも自分の懐に利益が残るようなことをしない、という「一辺倒」さが見受けられることもあります。
「一辺倒」を使った例文や短文
それでは例文の中で、「一辺倒」がどのように使われているか見ていきましょう。
具体例の中で見ていくことで理解が深まります。
- 「一辺倒」の例文1
- 「一辺倒」の例文2
- 「一辺倒」の例文3
「一辺倒」の例文1
「夏はビールという人が多いが、私は冷えたワイン一辺倒だ」
「ビール一辺倒」「洋酒一辺倒」「泡盛一辺倒」など、お酒に関して、これしか飲まない、と決めているようなこだわりを持っている場合には「一辺倒」がよく使われます。
ほかにも「ニュースはNHK一辺倒だ」「デパートコスメ一辺倒だ」など、嗜好品や日常の中の決め事についても「一辺倒」ということができますので、気負わず使える言葉といえるでしょう。
「一辺倒」の例文2
「攻めに一辺倒な戦い方ではいずれ負ける日が来るだろうから、攻防どちらも手堅い戦略を立て直す必要がある」
戦略というと戦のイメージが強いですが、ビジネスにもスポーツにも政治にも使われる言葉でしょう。
どこにも抜け目がなく、必勝をもたらすような戦略があるとするなら、どの方向にも偏っていないことをいうのかもしれません。
「一辺倒」の例文3
「釣り一辺倒だった彼がイクメンになるとは思わなかった」
なにかにつけて「一辺倒」になりやすい人というのは、どの分野でも研究社のように究めていく性質を持っていることが多々あります。
どんな物事にも突き進んでいくと道が見えてき、その奥深さを知れば知るほど面白い、と感じられる好奇心を持っていることは、生きることを楽しむ上で得な性質といえます。
「一辺倒」の類語や類義表現
最後に「一辺倒」の類語表現を見ておきましょう。
類語を知ることで、さらに「一辺倒」という言葉への理解が深まり、語彙も広がります。
- 「一途」【いちず】
- 「遮二無二」【しゃにむに】
「一途」【いちず】
ひたむき、ひたすら、といった言い換えができますので、これらも「一辺倒」の類語として覚えておかれるといいでしょう。
ほかのことを考えずに、ひとつの物事に打ちこむことをいいます。
「一途な片思いを半年以上つづけている」
「遮二無二」【しゃにむに】
ほかのことをあれこれ考えず、ひたすらあるひとつの物事をすることをいいます。
がむしゃら、という言い換えも可能です。
「高校三年間、遮二無二突っ走ってきたが、ついに甲子園の夢にはたどりつかなかった」
「一辺倒」とは、ある物事に偏っている、という意味だとわかりました。
人と話ができないほど固執することはかならずしもいいこととは限りませんが、どんなことにでも興味を持ち、探究心を発揮できるだけの好奇心があれば、どんな仕事や課題を前にしても、その中に楽しみが見つけられそうですね。