「頤を解く」の意味とは?類語、英語や使い方、例文を紹介!
「頤を解く」という言葉を聞いたことはありますか?「願」や「頭」にも似ている「頤」という漢字ですが、この字に見覚えのない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、「頤を解く」という聞きなれない言葉についてご紹介していますので、興味のある方、この機会に覚えておこうという方はぜひ一読ください。
目次
- 「頤を解く」の意味とは?
- 「頤を解く」の読み方
- 「頤を解く」の英語
- 「頤を解く」を分解して解釈
- 「頤を解く」の言葉の使い方
- 「頤を解く」を使った例文・短文
- 「頤を解く」の類語や似た言葉
「頤を解く」の意味とは?
「頤を解く」とは、あごがはずれてしまいそうなくらいに、大きく口を開けて大笑いすること、という意味の言葉です。
これ以上ないくらいおかしくて、あごが痛くなるほど大笑いする、という経験がある方は多いのではないでしょうか。
そんなようすを、「頤を解く」といいます。
「頤を解く」の読み方
「頤を解く」は、「おとがい(を)と(く)」と読みます。
「おとがい」とは顔の下部にあたる、あごのことを意味します。
「頤」という漢字は、あご、やしなうという意味を持ち、「イ」「あご」「やしな-う」という読みを持っています。
たとえば「頤使(いし)する」というと、人のことをあごで使う、という意味になります。
「解」という漢字は、分ける、ほどく、ときはなつなどの意味を持ち、「カイ」「ゲ」「と-」「と-かす」「ほど-く」「ほど-ける」「ほぐ-れる」「さと-る」「わか-る」など、たくさんの読みを持っています。
「頤を解く」の英語
「頤を解く」は、大笑いする、と考えると英語にしやすいです。
大笑いする、は英語で“crack up”が一般的でしょう。
また、知っている単語を使っていうのであれば、“laugh hard”、“laugh a lot”などといってもいいでしょう。
また、英語圏のネットスラングとしてよく知られ、日本人でも使う人の多い“lol”は、“lagh(ing) out loud”または、“lots of loughs”の頭文字をとっていますので、これらも大声で笑うこと、大きな笑い声、を意味する英語として通じやすいでしょう。
「頤を解く」を分解して解釈
わかりづらい言葉は、熟語であれば分解して考えるといいでしょう。
ここでは「頤」と「解く」に分けて考えます。
- 「頤」
- 「解く」
「頤」
「おとがい」というのは、上下にあるあごの中でもとくに、「下あごの先端」を意味することが多い言葉です。
「おとがい」はヒト科の中でも、現在生きているわたしたち、現生人類にしか見られないパーツといわれています。
「解く」
「解く」にはほどく、や分ける、といった意味があることを先述しました。
あごには上下ありますが、笑うとき人は、下あごを上あごから離していくことで口を大きく開けます。
このことからも「頤を解く」というのが大笑いすることだとわかります。
「頤を解く」の言葉の使い方
実際に大笑いしているときに「頤を解く」という人はまずいません。
また、「おとがい」という言葉が一般的でないことからも、人に話してもなかなか理解されない場合もあります。
「頤を解く」は、小説などの創作の中で出会ったり、なにか日記などを書き記すときに使う、文語的な要素を強く持っている言葉、ということを踏まえて使われるといいでしょう。
「頤を解く」を使った例文・短文
それでは、具体的に「頤を解く」を使った文章を見ていきましょう。
例文を見ておくと、なるほどこのように使うのか、と腑に落ちることがあります。
- 「頤を解く」の例文1
- 「頤を解く」の例文2
- 「頤を解く」の例文3
「頤を解く」の例文1
「始めてお笑いを見に行ったが、彼らの漫才は心底ばかばかしく、頤を解くほどだった」
テレビで漫才など見ていると、本当におかしくて大笑いしてしまうことがありませんか。
コメディアンたちは人々が心底ばかばかしい、と感じて大笑いできるよう、緻密に練り上げたネタを演じているのですが、それでもやはり、聴衆はその人たちが本当におかしいことをやってのけているように笑うことができます。
「頤を解く」の例文2
「友人は、寝坊しただけのくせに、遅刻の理由を捏造し、その荒唐無稽な内容に一同、頤を解いた」
「頤を解く」ほどの内容ですから、相当おかしいつくり話といえます。
もしかすると友人の身ぶり手ぶりや、動揺した様子も含め、笑いを呼んだのかもしれません。
このレベルのユーモアになると、場合によっては呆れて許される、ということもありうるかもしれませんね。
「頤を解く」の例文3
「静粛な場だからと思ってこらえていたが、あとになって彼女とふたり、頤を解いた」
笑ってはいけないと思えば思うほど笑いたくなってしまう、という状況になったことはありませんか。
その場合、こらえていた分が蓄積されていたように爆発的な笑いを生むことがあります。
このような激しい笑いはなかなか衰えず、あとになって思い出し笑いをするほどのことも多いのではないでしょうか。
「頤を解く」の類語や似た言葉
それでは最後に、「頤を解く」に似た言葉や類語表現を見ておきましょう。
メディアでよく見ることのある「爆笑の渦」や「腹筋崩壊」というのも、類語といえます。
ほかにどのようなものがあるか、紹介していきます。
- 「抱腹絶倒」【ほうふくぜっとう】
- 「頤」を使った類語
「抱腹絶倒」【ほうふくぜっとう】
読んで字のごとく、腹を抱えて倒れこむほど笑うこと、という意味の言葉です。
ここでは腹を抱える、という動作が表されており、「おとがい」についての言及はありませんが、どちらも口を大きく開け、身をよじるほど笑う、という点ではかなり似た意味の言葉となります。
「仲間と面白動画を見ていると、笑いが増幅され、最後にはわけもわからず抱腹絶倒する」
「頤」を使った類語
「頤」を使用した、よく似た言葉には、「頤を放つ」や「頤をはずす」といったものがあり、どちらも大口を開けて笑う、という意味で使われています。
また、「頤を落とす」というよく似た言葉もありますが、こちらは寒すぎて震え上がることや口数が多いこと、また、ほっぺが落ちると似た意味で、おいしくてあごが落ちそうなほどであること、といった意味の言葉ですので、間違えないように留意してください。
「頤を解く」とは、下あごを大きく開けて笑うこと、という意味の言葉でした。
笑いは免疫力を高めることにも直結するといわれるほど、心身の健康にとって重要なものです。
あごが外れるほど笑う、ということは毎日のようにはないかもしれませんが、朗らかに、楽しいことを素直に楽しめる毎日を送っていきたいものですね。