「無骨」の意味とは?類語、英語や使い方、例文を紹介!
よく聞く言葉ではありますが、「骨が無い」と書くと思うとよくわからない言葉でもあります。
意味が曖昧だ、どうして「無骨」というのだろう?と疑問に思った方はぜひこの機会に一読いただき、「無骨」という言葉について理解を深めてください。
目次
- 「無骨」の意味とは?
- 「無骨」の読み方
- 「無骨」の英語
- 「無骨」の言葉の使い方
- 「無骨」の例文
- 「無骨」の対義語
- 「無骨」の類語や類義表現
「無骨」の意味とは?
「無骨」には主に四つの意味があり、(とくに手について)骨ばってごつごつしていること、(振る舞いなどが)洗練されていないこと、役に立たないこと、都合の悪いこと、となります。
手のように、目に見えるものに関していう場合と、洗練されていないことなど、目に見えない状態に対して使われる場合とはある、ということがわかります。
- 「無骨」の語源
「無骨」の語源
「無骨」の意味の一つである洗練されていないこと、を言い換えると、無作法であること、ということができますが、この無作法であることを昔は「骨無し(こちなし)」といいました。
この「骨無し」を返り読みさせたもの、もしくは音読みしたもの、というのが語源といわれています。
「骨が無い」と書きますが、この場合の「無い」は、状態を表す語を形容詞化させるための接尾語であり、「骨が無い」ことをいうときには、「骨抜き」といいます。
「無骨」の読み方
「武骨」と書くこともあり、どちらも読みは「ぶこつ」となります。
「むこつ」と読むのは誤読となりますので留意しましょう。
「無」は存在しないことや打ち消しを意味する漢字ですが、先述のとおり、ここでは接尾語として使われています。
ほかに「む」や「な-い」といった読みがある漢字です。
「骨」は動物のほねのことや、からだ全体のこと、または物事のかなめとなるものや、気質といった意味があり、「コツ」のほか、一般的に知られている「ほね」という読みを持ちます。
「無骨」の英語
「無骨」には四つの意味があることを先に書きましたが、その中でとくによく使われる、「ごつごつしている」と、「洗練されていない」「無作法だ」という意味を表す英語をご紹介します。
「ごつごつしている」ことを表す英語には、“rough”や“rugged”があり、“rough hands”というと、「ごつごつした手」という意味になります。
また、「洗練されていない」「無作法だ」という意味ではすこし解釈を広げ、“uncouth”(野暮な、気が利かない、田舎者の)、“boor”、“boorish”(無作法な、がさつな)、“clunky”(不細工、格好が悪い、ださい)を挙げておきます。
「無骨」の言葉の使い方
「無骨」の意味からも、手などが骨ばっていてごつごつしているときに使われるほか、「無骨者」というかたちで、無作法な人についていうこともあります。
「無骨者」は「ぶこつもの」と読み、現代では面と向かって人にいうことはほとんどないでしょう。
「無骨」は人以外にも、洗練されていないフォルムをした物などに対していうこともあります。
「無骨」の例文
具体的に、「無骨」を使用した例文を見ておきましょう。
どの意味で使われている「無骨」なのかを考えながら読んでいくと理解が深まります。
- 「無骨」の例文1
- 「無骨」の例文2
- 「無骨」の例文3
「無骨」の例文1
「中学を出てすぐに職人として修行を始めたという父の無骨な手には、年輪を思わせる深みが感じられる」
ここでは骨ばっていてごつごつした手、という意味で「無骨」が使われています。
同じ父に対する「無骨」でも、次の例文では意味あいが変わってきますので着目してみてください。
「無骨」の例文2
「仕事に一本気に生きてきた父は、家族とであっても会話がすくなく、やりとりに無骨さがある」
今度の父は、手の状態ではなく、人との関わり方について、もしくは性格が、洗練されていない部分がある、ということを表しています。
「無骨な男」というと、どこか投げやりな振る舞いをしたり、言葉足らずなところのある男性を思い浮かべます。
「無骨」の例文3
「無骨者ですみません、田舎育ちなもので、というのは妻にとっては処世術のひとつであるのだと最近わかった」
ここでの「無骨者」は、都会的な出で立ちや振る舞いができず、洗練されていない様子をさします。
自分を謙遜していう場合に使うこともできますし、他人に対して「彼は無骨者だ」ということもできます。
「無骨」の対義語
「無骨者」であることは、人付き合いに対する不器用さを表すことも多く、その意味では「プレイボーイ」「軟派」「粋」といった言葉が対義語に当たります。
異性に対してのコミュニケーション能力に長けている場合などに使われることの多い言葉ばかりですね。
また、「無骨」を手などが骨ばっており、ごつごつしている様子、とする場合には、「すべすべした」「すべらかな」といった言葉が対義語に当たります。
「無骨な手や指」に関しては、「白魚のような手」といった言い方も、対義語に当たるでしょう。
「無骨」の類語や類義表現
最後に「無骨」の類語表現を見ておきましょう。
ほかに言葉も知っておくことで語彙が豊かになり、日本語の面白みを知ることができます。
- 「荒々しい」【あらあらしい】「粗い」【あらい】「筋張った」【すじばった】「粗野な」【そやな】
- 「無粋」【ぶすい】「野暮」【やぼ】「不躾」【ぶしつけ】
「荒々しい」【あらあらしい】「粗い」【あらい】「筋張った」【すじばった】「粗野な」【そやな】
ごつごつした、という意味あいで使われる「無骨」では、これらのような言葉が類語に当たります。
どれも、一筋縄ではいかず、凹凸のある状態をさします。
性格に関しての「無骨」さも、人付き合いなどに関してどこかに難があり、凹凸を感じさせるものをいうことからも、「粗野な」などが類語として挙げられます。
「無粋」【ぶすい】「野暮」【やぼ】「不躾」【ぶしつけ】
どれも、人の粋や情感、情味など、面白みを理解しない様子をさします。
最近ではあまり使われないかもしれませんが、教養のすくなさをいうときの言葉でもあります。
「無骨」の類語であり、「無骨者」の類語ともいえるでしょう。
つまり、ここでいう「無骨」は、洗練されていない、無作法である、という意味合いで使われる「無骨」となります。
「無骨」とは(手などが)骨ばってごつごつしていること、洗練されていないことを意味する言葉だとわかりました。
職人のように使い古され、誇りを感じさせる手についてならばいわれたいですが、「無骨者」とは呼ばれないよう、教養を身につけ、人生の面白みを味わい尽くしていきたいものですね。