「適材適所」の意味・類語【使い方や例文】
会社に勤めている人は、「適材適所」という言葉を聞いたことかあるかと思います。
このような四字熟語は、普段の日常生活の会話の場面ではあまり使うことが少ないかもしれませんが、ビジネスの場面ではよく使われる言葉の1つです。
しかし、この言葉の意味を正確に理解していないままに流されて使っている人も少なくないでしょう。
今回は、この「適材適所」について説明を進めて行きたいと思います。
目次
- 「適材適所」の意味とは?
- 「適材適所」の読み方
- 「適材適所」の対義語
- 「適材適所」を使った例文・短文(解釈)
- 「適材適所」の英語と解釈
- 「適材適所」の類語や類義表現
「適材適所」の意味とは?
「適材適所」とは、「適材を適した地位や任務、業務に就けること」という意味になります。
もう少し付け加えると「その人自身の能力や性格、個性などに合わせて、その能力が最も発揮される地位や職場に就かせること」になります。
企業では入社してからの新人研修の後に配属したり、昇進・昇格、配置転換などがありますが、これも「適材適所」と一環です。
「適材適所」の読み方
「適材適所」は「てきざいてきしょ」という読み方になります。
「適材適所」の対義語
ここでは、「その人の能力を判断して適切な役目を与える」という意味の「適材適所」の対義語を見ていくことにしましょう。
- 「身の丈に合わない」
- 「大器小用」
- 「大材小用」
「身の丈に合わない」
「身の丈に合わない」とは、「能力や個性が立場に合っていないさま」という意味がある言葉で、「身の丈に合わない生活に疲れたしまった」というような使い方があります。
「大器小用」
「大器小用」も対義語の1つで、「素晴らしい才能を持ちながら低い地位にしか就けないこと」という意味になります。
「大器小用に文句をつけてばかりの同僚だった」このようなケースで用いることがあるのですが、企業でもかなりの力を持っていながら、正当に評価されない人が少なくありませんね。
「大材小用」
「才能がある人をくだらない仕事に就ける」という意味の「大材小用」も「対義語」になります。
「大材小用で、つまらない日々を送っているために転職を考えるようになった」という使い方がありますが、今の企業ではこのような処置で不満を持つ人が転職するケースが多いのではないでしょうか?
「適材適所」を使った例文・短文(解釈)
ここからは「適材適所」を使った例文を使いながら活用シーンのパターンを見ていきます。
- 「適材適所」の例文1
- 「適材適所」の例文2
- 「適材適所」の例文3
「適材適所」の例文1
「あの人をエンジニアリング部門から営業部署に移した判断は、本当に適材適所だったと言えます。そのおかけで生き生きとして仕事をしてくれているからです」
このように正しい「適材適所」が行われれば、人材活用は成功と言えます。
本人も仕事にやりがいを感じてくれるはずなので、上司は常に部下の能力を客観的に判断しなくてはなりません。
「適材適所」の例文2
「適材適所はとても大切なことだが、企業に入ったなら苦手な分野だと思われる仕事でも、やらされることもよくあることだ」
この例文のように、その人の能力や希望が活かされない分野の仕事をさせられることがあります。
しかし、これも経験やノウハウの蓄積と思い、前向きにポジティブに向き合うことが大切です。
その時の経験が後々活かされることになります。
「適材適所」の例文3
「人の性格は千差万別ですが、それがゆえに適材適所というものがあるのです」
人には色々なパーソナリティがありますので、その特徴を見ながら、適切な仕事を与えることが必要です。
但し、長期的な視点から本人には不向きだと思われる部署に就けることも、その人の成長を考えた時に必要な場合があります。
「適材適所」の英語と解釈
「適材適所」は“Right people”という言葉で使われます。
「適材適所」の類語や類義表現
ここからは、「適材適所」と同じような意味を持っている類義語を挙げてみました。
どのような言葉があるでしょうか?
- 「おあつらえ向き」【おあつらえむき】
- 「水を得た魚」【みずをえたうお】
- 「人心掌握」【じんしんしょうあく】
「おあつらえ向き」【おあつらえむき】
類義語の1つに「おあつらえ向き」という言葉があります。
「注文どおりであること」、あるいは「希望どおりであることや、そのような状態やさま」ということ指しています。
「注文して服や道具などの物を作らせること」、「注文して作らせた物」という意味合いが強いこと表現ですが、「君におあつらえ向きのいい部署があるよ」というように「その人の特性が発揮できる、その人に向いているぴったりの仕事がある」という意味で「おあつらえ向き」が使われます。
そのような観点から「適材適所」に近い意味を持つ言葉と思われます。
「水を得た魚」【みずをえたうお】
「水を得た魚」とは、「自分に合った環境や、自分の得意な状況などになって、生き生きとしているさま」や、「よく活躍している様子」といったような意味を持つことわざです。
「前の職場では思うように仕事をできなかった彼は、転職先では水を得た魚のように働いている」というような使い方になります。
それまで塞ぎこんでいた人が環境が変わったってことで、見違えるように変身する時にこの言葉が当てはまります。
「人心掌握」【じんしんしょうあく】
「人心掌握」は、「他人の心を意のままに操ること」を意味しています。
自分が考えている方向へと人を誘導していいながら、その人の心をうまくある方向へ導くことです。
「人心掌握」に長けている人は、人生で大変な状況の中から人を救ったり、情けなく落ち込んでいる人のそばにいて味方になったりしてくれます。
人はこのような人に対しては、何とかその人の力になりたいと思い、恩返しの意味でも頑張ろうとします。
そのような意味で、「適材適所」の類義語としては挙げることができます。
「適材適所」とは、「その人に合った部署に配置させること」と言っても過言ではありません。
それだけに4月の移動時期になると、社員はそれぞれ自分の配置先、移動先にドキドキするものです。
しかし、このような移動は、自分にとって最大のチャンスだと受け止めるべきです。
そうすることよって、仕事のノウハウが蓄積されて、数年後には大きな成果を生み出すことができるようになるはずです。
たとえその時は不本意に感じても、プラス思考に生ることで先々の展望が開けて行くことになります。
「適材適所」を行う上司もその日とのことを思ってやっているのですから。
これから新たな部門に移る人は、心新たな気持ちで頑張ってもらいたいものです。