「復旧」とは?意味・読み方・英語【使い方や例文】
復旧という言葉は、テレビなどでよく聞きます。
自然災害が多い最近では特に聞くことが多くなりました。
目次
- 「復旧」の意味とは?
- 「復旧」と「復興」の違い
- 「復旧」の使い方
- 「復旧」を使った例文と解釈
- 「復旧」を英語にすると?
- 「復旧」の類義語や置き換えられる表現
「復旧」の意味とは?
復旧とは、「元の状態に戻すこと」を意味する言葉です。
痛んでしまったり、壊れてしまった対象をその前の状態に回復させること全般に対して使えます。
失ったものを回復させる時にも使われることがあります。
冒頭で挙げたような自然災害(台風、地震など)の爪跡からの回復工事から、消えたデータを復活させるような場合までその用途は幅広く、日々の生活中でもよく使われている言葉です。
- 「復旧」の読み方
- 「復旧」の語源や由来
「復旧」の読み方
「復旧」は「ふっきゅう」と発音します。
特に難しい言葉ではないので、初見でもそのまま読めるでしょう。
間違えるとすれば、「復」を「ふく」と呼んでしまうことくらいですが、それだと「ふくきゅう」となってしまい、語呂のが悪さから、これは間違いだと分かると思います。
また、以下の紹介するこの言葉の語源が分かれば、そのように間違えて読むこともなくなるでしょう。
「復旧」の語源や由来
「復旧」は、「復活」と「旧」という2つの言葉からできています。
「復活」は復活させること、「旧」には古いものという意味の他に、「古いものを捨てて新しくすること」という意味があります。
「旧」はそちらの意味で解釈し、「復活」と組み合わせ、「元の状態に戻すこと」を指す言葉となっています。
「復活」(ふっかつ)の「復」を使っているので、読みも「ふっきゅう」だという訳です。
「復旧」と「復興」の違い
「復旧」とよく混同される言葉に「復興」があります。
この復興とは、「古びてしまったものを回復させること」で、「復旧」とよく似た意味ですが、若干のニュアンスの違いがあります。
それは、「復旧」は自然災害による影響から、誤って壊してしまった場合まで、壊れた対象を元に戻すこと全般に使える言葉なのに対し、「復興」は自然に古くなってしまったり、廃れてしまったものが対象だからです。
その為、「震災からの復興」という言葉は厳密には誤用な訳ですが、ごく普通にニュースなどでもそのように使われているように、最近の解釈では「大規模な被害からの回復」という意味にも使えるとされています。
「復旧」の使い方
復旧は使い勝手によい言葉だと言っていいでしょう。
ただし、この言葉を使う時には、その対象が壊れていたり、失っている訳なので、あまり使うことはないに限ります。
そして、それなりに修理などの規模が伴わないと、大袈裟な表現になってしまうので、多少のことでは使わない方がいいでしょう。
「復旧」を使った例文と解釈
いくら「壊れたものの回復」にも使う言葉だと言っても、それほど大きくない対象(家庭用の電化製品など)には使うべきではありません。
「壊れたテレビを復旧させた」は、さすがにおかしい表現で、普通に「修理した」の方がいかにもスムーズです。
データの回復の場合も、かなりの量だったり、複雑な作業が伴っていなければ、そのまま「回復させた」の方がいいでしょう。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
「東日本大震災からで倒壊した家屋の復旧は、困難を極めているようだ」
震災で被害を受けた被害全般に対してであれば、先の「復興」も使えますが、家屋と限定しているなら「復旧」の方が合っています。
「復興」はその他に文化に対しても使える言葉で、復旧の代わりに使うのであれば、「復旧」より大掛かりなものが対象になると考えてください。
例文2
「丸1ヶ月分のデータがとんでしまったので、日夜を通した復旧作業が行われている」
このように、膨大なデータが対象であれば、普通に「復旧」と使って構いません。
よく見る「USBメモリのデータの復旧サービス」などという表現は、間違ってこそいませんが、些か大袈裟だと言わざるを得ません。
その程度の対象であれば、「回復サービス」で充分です。
例文3
「さっきの地震で停電していたが、やっと復旧したようだ」
これも普通に「復旧」という言葉で構わない例ですが、ほんの1時間程度であれば、「回復したようだ」の方がいいでしょう。
「復旧」を使う場合、それなりに大きな被害で、回復までに時間が掛かる(掛かった)ことが条件だと考えると分かりやすいと思います。
「復旧」を英語にすると?
復旧を英語で表現すると、“restoration”が一番適している言葉です。
この中に含まれる「レストア」という言葉は、ITの世界では普通に「回復させる」ことを指して使っています。
そして、震災による被害からの復旧など、大掛かりな対象には“reconstruction”の方が向いています。
また、この“reconstruction”は「復興」の英訳としても使える言葉です。
「復旧」の類義語や置き換えられる表現
「復旧」の一番の類義語は、ここまでに何度も挙げた「復興」ですが、他の言葉もいくつか紹介します。
- 「修復」【しゅうふく】
- 「補修」【ほしゅう】
- 「原状回復」【げんじょうかいふく】
「修復」【しゅうふく】
この言葉は、「復旧」の規模が小さい時に置き換えとして使えます。
「破れた服を修復した」などと使っている例がよく見られます。
物理的ではない対象にも使える言葉で、「あの人との関係を修復した」といった使い方もよくされています。
「補修」【ほしゅう】
勉学の方の「補習」(読みは同じ)と混同されることが多いですが、この言葉は「修復」より更に小さい対象に使うと考えてください。
「ぶつけてしまった傷の補修」、「穴が開いたところを補修した」という具合に使います。
上の「修復」と一緒で、対人関係に対してに使っても構いません。
「原状回復」【げんじょうかいふく】
こちらは、「元通りに戻す」という意味合いが強い言葉となります。
「現状回復には時間が掛かる」などと用いられることが多く、「復旧」というまでには及ばない対象に使います。
また、原則的に物理的なものが対象です。
ここまでに挙げてきた類義語などを対象の規模が大きな順に並べると、復興>復旧>原状回復(物理的なものに限る)>修復>補修という順番になります。
復旧は、その対象があるからこそ使う言葉なので、できれば使わない方に越したことはない言葉です。
使う場合には、対象の規模などから、類義語の方を使うことも考えてみましょう。