「明確」の意味・読み方・英語【使い方や例文】
明確は聞く機会の多い言葉ですが、似た意味の言葉と意味を混同して使っていることも多いと言えるでしょう。
目次
- 「明確」の意味とは?
- 「明確」の語源や由来
- 「明確」の使い方
- 「明確」を使った例文と解釈
- 「明確」を英語にすると?
- 「明確」の類義語
- 「明確」の対義語
「明確」の意味とは?
明確とは、「はっきりそうだと分かっていて、間違いがない」ことを指す言葉です。
つまり、この言葉で何かを表した時には、それが絶対に正しいということです。
よって、そこまでの証拠などが明示できない場合に簡単に使う言葉ではありません。
その証拠に対しても、「明確な証拠」という使い方ができます。
もちろん、それだけしっかりとした裏付けのある間違いにない証拠だという意味です。
- 「明確」の読み方
- 「明確」と「明白」の違い
「明確」の読み方
「明確」は「めいかく」と発音してください。
それぞれの漢字を普通に音読みで読めばいいだけなので、まず間違えることはないでしょう。
尚、無理矢理「みょうかく」と読むことができなくもありませんが、その読みだと、仏教における「最上の悟り」を表す言葉になってしまうので注意してください。
(この「みょうかく」に漢字表現はありません)
「明確」と「明白」の違い
明確と混同されて使われている言葉に、この「明白」(めいはく)があります。
意味はほとんど同じで、「はっきりしていて、疑う余地がない」ことを指す言葉となっています。
しかし、「明確」と比較すると、若干意味の弱いニュアンスがある表現だと考えてください。
例えば、「明白だと思ったが、実は違ったようだ」といった使い方もされるように、「明確」のように「間違いがない」という意味は持っていません。
「疑う余地がない」ところまではきていても、「確証」までには至らない場合に使う言葉だと考えると分かりやすいと思います。
どんな些細なことであっても、少しでも疑念が残っているうちは「明確」ではなく、こちらを使った方が無難です。
「明確」の語源や由来
明確という言葉の由来は、「明らか」と「確実」という2つの言葉からです。
「確実」という時点で既に間違いがないことの意味になりますが、頭に「明らか」と付けて、更にその意味を強調しています。
「明確」の使い方
明確を使うなら、そこまでの自信がないといけません。
その内容に間違いがあっては、明確という言葉を使ったこと自体も間違いになってしまいます。
上にも書きましたが、そこまでではない時には「明白」を使う方がおすすめです。
しかし、この明白も、実質的にほとんど意味は変わらないので、思い付きだけの場合や勘、経験に頼った判断の時は、どちらも使わない方がいいでしょう。
「明確」を使った例文と解釈
明確を使う例文は、基本的には「そうだとはっきりしている」と言い切る表現になります。
疑問形として使えなくもありませんが、その場合には「明白」の方が向いています。
その「明白」と混同される(全く同じ意味だと思っている)ことが多い言葉なのは説明した通りですが、更に意味までそちら(明白と同じで、明確より弱い意味)だと思われているケースもあるようです。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
「あの部分の加工は○○さんがやったと明確に分かるね」
加工方法にその人独特の特徴があったり、ここまでできるのはその人だけだといった場合に使われる表現です。
仕事中や日常会話として使われる時に多い形だと言っていいでしょう。
例文2
「ここの意味がよく分からないので、もっと明確化して書き直して欲しい」
どっちともとれるような表現だったり、何が言いたいのかよく分からない部分を、誰にでも分かるように書き直すように求めている例文です。
このように、「明確化」とは「明確にすること」として使います。
例文3
「それだけの証拠では、まだ犯人があの男だと明確ではない」
この状況では、「明白」にまでも至っていない様子です。
それどころか、疑い程度の段階かも知れません。
「明確」という言葉を使うからには、もっとその男が犯人だという証拠固めが必要だと言えるでしょう。
このような例では、「明白」と混同していたとしても、あまり問題はありません。
ですが、そのように覚えてしまっていると、いざとなった時に困るかも知れないので、やはりきちんと覚えておくに越したことはないでしょう。
「明確」を英語にすると?
「明確」は英語では、“clear”でその意味になります。
もう少し凝った表現を求めるなら、“definite”がいいでしょう。
どちらも日本語の「明確」と訳すことができます。
そして、例文にもあった「明確化」は、“clarify”です。
これで「明確にすること」を表現できます。
「明確」の類義語
明確の類義語には、意味に含まれる「確実」や、既に何度も挙げている「明白」の他に以下があります。
どれも同じような意味ですが、やはり「明確」が一番意味が強いと考えていいでしょう。
- 「明瞭」【めいりょう】
- 「明快」【めいかい】
「明瞭」【めいりょう】
「はっきりして明らかなこと」という意味の言葉です。
「明確」や「明白」とほぼ一緒の説明になり、「明白」と同程度の信頼性(「明確」までには若干劣る)だと思ってください。
「明快」【めいかい】
主たる意味としては「明白」や「明瞭」と変わりませんが、それに加えて、「気持ちのよいほどそれが明らか」という解釈が含まれています。
この意味を含んでいることから、例として「〜な推理だ」などと使われます。
「明確」の対義語
明確の対義語となると、意味が「確実ではない」、「よく分かっていない」となる言葉が挙がります。
以下はいずれもそのような意味の言葉で、明確にはほど遠いと思われる時に使います。
- 「漠然」【ばくぜん】
- 「曖昧」【あいまい】
「漠然」【ばくぜん】
「ぼんやりとしていて、明らかでない様子」を表す言葉です。
「〜としている」と言えば、まだ何も分かっていない様子が表現できます。
「〜としていて何も分からない」などと用いられます。
「曖昧」【あいまい】
この言葉は、正確には「解釈がニ通り以上にとれる」という意味で使う言葉ですが、上の「漠然」と同じように使われることも多いです。
それでも特に誤用という訳ではなく、逆に、実際にはそのような意味で使うことの方が多いかも知れません。
明確は、そこまで確実だという時にこそ使う言葉です。
その為、簡単に使える言葉でもなく、使うからにはそれだけの自信と共に責任をもつ必要もあると言えるでしょう。