「嘘八百」の意味・類語【使い方や例文】
「嘘八百」というと、それを言った人に対して非常に悪いイメージを持ちます。
実際にはどの様な意味で何故「八百」がついているのでしょうか。
「嘘八百」の意味と由来、使い方などについて紹介します。
目次
- 「嘘八百」の意味とは?
- 「嘘八百」の語源や由来
- 「嘘八百」の言葉の使い方
- 「嘘八百」を使った例文・短文(解釈)
- 「嘘八百」の英語と解釈
- 「嘘八百」の類語や類義表現の言い換え
- 「嘘八百」の対義語
「嘘八百」の意味とは?
まずは「嘘八百」の読み方と意味を紹介します。
- 「嘘八百」の読み方
- 「嘘八百」の意味
「嘘八百」の読み方
「嘘八百」は「うそはっぴゃく」と読みます。
慣用表現ですが「八百」は「やお」とは読みません。
「嘘八百」の意味
「嘘八百」とは「数多く嘘をつくこと」「全てにおいてでたらめなこと」を意味します。
嘘をついた回数が多いことの他に、ひとつのものごとに関して最初から最後まで全くでたらめである時に使います。
「嘘八百」の語源や由来
「嘘八百」の「八百」とは実際の数値ではなく、それだけ数が多いことを意味するものです。
また、複数回嘘をついたことを強調する意味も含まれています。
日本では古来から「八百万(やおよろず)の神」という言葉があります。
これは、世の中の全てのものに神が宿っているという意味で、実際に神様が八百人いる訳ではありません。
この様に、仏教や神道では「八」は縁起の良し悪しを表す数字で「数が多いこと」を象徴しています。
始めは神聖な意味を持つ「八百」でしたが、段々とその思想が庶民にも広がり「大江戸八百八町」や「八百屋」など、数が多いことに因んだ言い方をする様になりました。
そこから転じて何でも嘘をつく様な人に対して「嘘八百」と言われる様になったのです。
「嘘八百」の言葉の使い方
「嘘八百」は「嘘八百を並べる」として使うことがほとんどです。
人をだましたり、悪意を持っている時に使う言葉でネガティブな意味になります。
- 会社でいつも嘘をついている人に
- 婚活の場で
- 旅行などのサービスで
会社でいつも嘘をついている人に
会社でいつも遅刻をしてきたり、急に会社を休んだりする人がいます。
その時に毎回「途中で貧血を起こして」「叔母が急に亡くなって」など様々な理由を述べるのです。
しかし周囲から見ればバレバレで「嘘八百を並べて怠けている」と噂される様になるでしょう。
上司も最初は黙っていますがそのうちに「一体何人叔母さんがいるんだね」と突っ込む様になるでしょう。
婚活の場で
婚活の場では自分を良く見せる為にちょっとした「見栄」を張ろうとします。
ところが一つ小さなウソをつくとそれを隠す為に次々と嘘を積み重ねなければならなくなるのです。
例えば大手企業の子会社に勤めているのに、親会社に勤めていると嘘をついた場合、相手から質問される度に勤務先やオフィスの様子など、事実とは全く違う内容を作り上げていく必要があります。
これが積み重なると正に「嘘八百」の状態になり、バレた時に相手から一気に嫌われてしまいます。
そうなってしまうと「嘘八百だらけの人」と言われても仕方ありません。
旅行などのサービスで
旅行のパンフレットにはホテルの写真が掲載されていて、素晴らしい景色の中で豪華な食事を満喫できると期待します。
ところが実際に行ってみるとロビーは薄暗く、部屋は裏側の道路に面していたり、食事はパンフレットには最も料金の高いコースが掲載されていて、実際には品数が少なくお粗末な内容だったりします。
あまりにも事前にいいことばかり並べ立てて予約客を確保している旅行会社に「嘘八百だ」と文句を言う時に使います。
「嘘八百」を使った例文・短文(解釈)
より「嘘八百」を理解する為に、シチュエーション別の例文と解釈を紹介します。
- 「嘘八百」の例文1
- 「嘘八百」の例文2
- 「嘘八百」の例文3
「嘘八百」の例文1
「彼女は彼氏との旅行の為に嘘八百を並べて休暇を取った」
職場によっては繁忙期に休暇を取ると上司が「他の日にできないか」と言われることがあります。
その為に部下も一生懸命有休を取るべき事情を上司に説明します。
両親が病気になったと嘘をついた場合、自分が病院に連れて行く、兄弟姉妹は事情があって来られない、その日しか担当ドクターがいないなど、あらゆる嘘を並べて連休を取るのです。
「嘘八百」の例文2
「儲かるとか言って嘘八百で登録料をとられてそれっきりだ」
最近ではネット副業で儲かるという話に乗せられて悪徳企業に騙される人が増えています。
ネットで「誰でもできる」「月に10万円稼げる」等と副業を募集していて、問合せをするとメールで手順を送ってきます。
いかにも誰でも手軽に始められて儲かる仕事の様に記載されているのですが、いざ始めてみると登録料や材料費がかかったり、研修期間は時給が低かったり、ミスがあるとマイナスされたりしてほとんど稼げません。
結局持ち出す一方で赤字になり辞めてしまうケースも多く「嘘八百」なビジネスなのです。
「嘘八百」の例文3
「バレたらおしまいだと思い嘘八百を並べてその場を逃れた」
このフレーズは浮気がバレそうになった時のものです。
恋人に浮気を勘づかれてしまい「昨日は誰とどこにいたのか」と問い詰められることがあります。
親友の名前を出して一緒にいたことにしておき、後で口裏を合わせて貰う様に連絡をするでしょう。
中には友達と一緒にいたという証拠の画像をねつ造して嘘を付け加える狡猾な人もいます。
「嘘八百」の英語と解釈
「嘘八百」は英語で“full of lies”、“pack of lies”と言います。
非常に使い易いので機会があったら是非使って見ましょう。
“He told us a pack of lies. ”(彼は嘘八百を並べ立てた)となります。
「嘘八百」の類語や類義表現の言い換え
「嘘八百」に似た言葉は幾つかありますが「嘘八百」ほど大量に嘘をつくことを意味する言葉は少なくなります。
- 「絵空事」【えそらごと】
- 「根も葉もない」【ねもはもない】
- 「ホラを吹く」【ほらをふく】
「絵空事」【えそらごと】
「大げさでとても現実にはあり得ないこと」を意味します。
絵は描いた人の主観次第で変わるもので、大袈裟に表現したり実際にはないものを描き加えたりして全く違うものになってしまうことからきています。
「根も葉もない」【ねもはもない】
「何の根拠もないこと」を意味します。
「根も葉もない噂」として良く使われて、「事実無根」と言い換えることもできます。
「ホラを吹く」【ほらをふく】
「ものごとを大げさに言う人」を意味します。
「ホラ=法螺(ホラ貝)」のことで、思わぬ大きな音が出ることから上記の意味に使われる様になりました。
「嘘八百」の対義語
「嘘八百」の対義語は「正真正銘」で、嘘偽りのないことを意味します。
「正真」も「正銘」も本物であることを意味していて、似ている意味の言葉を重ねて意味を強調しています。
「嘘八百」は良い言葉ではないので、人に対し使わない方が良いでしょう。
誰かに悪意を持って嘘をつかれたときや、騙された時に使う言葉と覚えておいて下さい。