「懲戒免職」の意味・対義語【使い方や例文】
「懲戒免職」というと非常に不名誉な言葉だということは分ります。
しかしただの「クビ」とはどう違うのかなど、詳しいことまで知っている人は少ないでしょう。
「懲戒免職」の意味や使い方について紹介しますので参考にして下さい。
目次
- 「懲戒免職」の意味とは?
- 「懲戒免職」「懲戒解雇」の違い
- 「懲戒免職」の言葉の使い方
- 「懲戒免職」を使った例文・短文(解釈)
- 「懲戒免職」の英語
- 「懲戒免職」になった人の具体例
「懲戒免職」の意味とは?
- 「懲戒免職」の読み方
- 「懲戒免職」の意味
「懲戒免職」の読み方
「ちょうかいめんしょく」と読みます。
「ちょうかい」と「めんしょく」とを分けると読み易くなります。
「懲戒免職」の意味
「懲戒免職」とは、公務員が職場で重大な過ちを犯したり、法律違反となる行為をした時に、公務員としての職を解雇することを言います。
職場にもよりますが、犯罪性がなくても無断欠勤や不倫などで懲戒免職になるケースもあります。
公務員の「クビ」の中では最も重い処分に当たり、退職手当や失業保険が下りないだけではなく、2年間は公務員として再就職はできません。
更に、重大な罪を犯した場合には実名が公表されることもあります。
再就職をする時に公務員はもちろん、民間企業でも大手や好条件の会社に採用される可能性はほぼなくなります。
教師も公務員ですが、この場合には教員免許がはく奪される場合もあるのです。
「懲戒免職」「懲戒解雇」の違い
「懲戒免職」と「懲戒解雇」は、どちらも「悪いことをしてクビになること」で、結果は変わりません。
その違いは対象となる人の属性によるものです。
- 「懲戒免職」の場合
- 「懲戒解雇」の場合
「懲戒免職」の場合
「懲戒免職」は、「公務員」に対して使われます。
公務員が悪いことをすると懲戒処分を受けますが、その種類は「免職・後任・停職・減給・戒告」という5つがあります。
その中で最も重い処分となるのが「懲戒免職」なのです。
こちらは法律で退職金に関する規定があり、懲戒免職となった場合には「企業は退職手当等の全部又は一部を支給しなくても良い」とされています。
「懲戒解雇」の場合
一方「懲戒解雇」は、「一般企業に勤務する人」に対して使われます。
一般企業に努める人が悪いことをすると、懲戒処分として「解雇」されることがあります。
余程のことがないとクビになるまでのことはなく、労働組合がある企業では雇用を守ってくれることもあります。
解雇されるというのは非常に重い処分だと言えます。
但し「懲戒解雇」は法律で定義されている訳ではなく、単なる「クビ」の名称です。
退職金などに関しての規定はその会社の就業規則に従うことになり、支払われるところもあれば「不支給」となるところもあります。
「懲戒免職」の言葉の使い方
- 公務員だった筈の人が一般企業に転職した時
- 公務員で上司に対して不満がある時
- PTAや保護者が教師に不満がある時
公務員だった筈の人が一般企業に転職した時
公務員として安定した収入があった人が、一般企業に転職、しかも未経験の職種で給与も低く、どう見ても幸せそうに見えない時に「何か悪事をはたらいて懲戒免職になったのか」と疑われます。
本来貰える筈の退職金も貰えないので生活も貧しそうな時に使います。
公務員で上司に対して不満がある時
公務員で、横暴な上司に対して不満がある時には、上司のあら捜しをするものです。
セクハラやパワハラなどの言動があれば「懲戒免職にしてやりたい」と思うことでしょう。
最近の公務員の失態は多くが内部告発によるもので、肩書があっても安心していられません。
PTAや保護者が教師に不満がある時
教師は公務員ですが、学校ではPTAの方が強い立場にあります。
親のネットワークで特定の教師への不満が炎上して「懲戒免職にするべき」と教育委員会に訴えることもあるのです。
教師は常に子供だけではなくその背後にいる保護者のことも考える必要があるのです。
「懲戒免職」を使った例文・短文(解釈)
- 「懲戒免職」の例文1
- 「懲戒免職」の例文2
- 「懲戒免職」の例文3
「懲戒免職」の例文1
「彼は懲戒免職となり教師としての職を失った」
最近では教師の不適切な行為がニュースで取り上げられることが増えています。
暴力や暴言だけではなく、盗撮や窃盗など犯罪を犯す教師も多いのです。
犯罪の場合、テレビのニュースで顔も名前も公表されるので、すぐに分かってしまいこの様に言われます。
「懲戒免職」の例文2
「上司をパワハラで訴えれば懲戒免職になるかも知れないけどね」
最近では公務員の意識の低下が問題視されています。
役所に努める公務員の中では、上司からのパワハラで辛い思いをしている人もいるでしょう。
同じ被害を受けている公務員が協力して何とかしたいと思うのですが、実際にはパワハラを止めて貰えればいいだけで、懲戒免職にまでしたいと思う程恨みを持っている人は少ないのではないでしょうか。
「懲戒免職」の例文3
「国会議員って懲戒免職にならないの?」
国会議員は定義上公務員という位置づけになっていますが、「懲戒免職」になったという話は聞きません。
国会議員は特別職であり、公務員法は当てはまりません。
汚職をしたり悪いことをすれば「失職」或いは「除名」処分となるか、自ら辞職する人がほとんどです。
「懲戒免職」の英語
「懲戒免職」の英語はとても難しく形式的には“disciplinary dismissal”となります。
これを文章にすると“He was given disciplinary dismissal. ”(彼は懲戒免職になった)と言います。
もう少し優しい言い方で“be dismissed”を使うことも多く、“She was dismissed. ”となります。
「懲戒免職」になった人の具体例
- 横領
- パワハラ・セクハラ
- 無断欠勤
横領
使ってもいない経費を請求したり、架空の出張費を計上したりして、横領を繰り返すことにより懲戒免職になった人がいます。
管理体制の曖昧さが引き起こした犯罪です。
パワハラ・セクハラ
部下に対して残業を強制したり、飲み会の場で女性に執拗にお酌を強要したりなど、パワハラやセクハラを繰り返します。
通常一度で処分されることはないのですが、証拠が残り恐喝や強制わいせつと見なされて懲戒解雇になったケースがあります。
無断欠勤
正当な理由なく1ヵ月以上の長期間無断欠勤が続き、度重なる出勤命令を拒否することで懲戒解雇となったケースがあります。
例え本人が在籍したくても病気などの因果関係が認められない場合、服務規程違反と見なされるのです。
懲戒免職は非常に不名誉なことで、再就職が困難になります。
しかし余程悪いことをしない限りは一度でクビになることはなく、まずは注意勧告されます。
自分が公務員の場合、「マズイ」と気付いた時点で行動を改める様にしましょう。