「脳裏をよぎる」の意味・類語・対義語【使い方や例文】
「脳裏をよぎる」という言葉を耳にしたり目にしたりする機会があるかと思います。
しかし、この言葉のことを正しく理解して使いこなせている人は少ないのではないでしょうか。
ここでは、「脳裏をよぎる」という言葉について、意味や使い方、英語での表現、類語などを詳しく解説していきます。
目次
- 「脳裏をよぎる」の意味とは?
- 「脳裏をよぎる」を分解して解釈
- 「脳裏をよぎる」の言葉の使い方
- 「脳裏をよぎる」を使った例文・短文(解釈)
- 「脳裏をよぎる」の英語
- 「脳裏をよぎる」の似た意味・類語や言い換え
「脳裏をよぎる」の意味とは?
「脳裏をよぎる」には、ある考えがふと頭に浮かぶ、頭をかすめる、ふと気になる、チラッと思う、ふと思い浮かぶ、というように、ほんの一瞬だけある考えを持つという意味があります。
又、思いがよぎる、思い出される、脳裏をかすめる、情景が浮かぶ、というように、過去の思い出や記憶がよみがえってくるという意味もあります。
更には、まさかと思う、頭をかすめる、はっと考える、というように、思いもよらないことを考えるという意味でも使われます。
- 「脳裏をよぎる」の読み方
「脳裏をよぎる」の読み方
「脳裏をよぎる」は「のうりをよぎる」と読みます。
この場合「裏」は「うら」とは読まずに「り」と読みますので、注意をしましょう。
他にも、「表裏一体(ひょうりいったい)」、「裏面(りめん)」など、「裏」を「り」と読む言葉がありますので、併せて記憶しておくとよいでしょう。
「脳裏をよぎる」を分解して解釈
「脳裏をよぎる」を、「脳裏」と「よぎる」に分解して、それぞれの言葉について、詳しく解説していきます。
- 「脳裏」
- 「よぎる」
「脳裏」
「脳裏」という言葉には、頭の中、心の中という意味があります。
脳裏に焼き付く、脳裏に浮かぶ、脳裏に描く、脳裏に映る、脳裏に閃く、脳裏に残る、といった使い方がされます。
「脳裏」を、頭の中、記憶、心の中という言葉に置き換えてみると分かりやすいでしょう。
「よぎる」
「よぎる」は漢字では「過る」と書きますが、その意味は大きく分けて3つあります。
1つは、前を通り過ぎる、前を横切るといった意味で、ちらつく、かすめる、といった言葉で言いかえることができます。
2つ目は、途中で立ち寄るという意味、3つ目は、避けるという意味です。
「脳裏をよぎる」の場合には、1つ目の、前を通り過ぎるという意味になります。
「脳裏をよぎる」の言葉の使い方
「脳裏をよぎる」という言葉は、日常の会話で耳にしたり、小説や雑誌などでも目にすることもある言葉で、「嫌な予感が脳裏をよぎる」、「不安が脳裏をよぎる」など、ネガティブな意味合いの表現に使われることがありますが、ポジティブな意味合いの表現にも使うことができる言葉です。
「脳裏をよぎる」を使った例文・短文(解釈)
「脳裏をよぎる」という言葉を具体的にはどのように使えばよいのか、今一つ分からない人も少なくないでしょう。
例文をいくつかご紹介しますので、「脳裏をよぎる」という言葉のニュアンスの違いも併せてみていきましょう。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
テレビから懐かしい曲が流れてきました。
10年以上前に私がまだ学生だった頃の曲ですが、社会現象になるほど大ヒットした曲で、多くの人が夢中になりました。
この曲を耳にすると、当時の様子が脳裏をよぎります。
(この曲を耳にすると、当時の様子が思い出されます。)
例文2
いつもと同じように、出勤するために身支度を整えていた時のこと、長年愛用してきたネックレスのチェーンが突然切れました。
その時、なんとも言えない嫌な予感が脳裏をよぎりました。
(なんとも言えない嫌な予感が頭をかすめました。)
例文3
家電量販店の前を通り過ぎた時、部屋のエアコンをつけっぱなしにしてきたのではないかという考えが、ふと脳裏をよぎりました。
(部屋のエアコンをつけっぱなしにしてきたのではないかと、ふと気になりました。)
「脳裏をよぎる」の英語
「脳裏をよぎる」という言葉は、とても難解な言葉に思われますが、英語では分かりやすい表現になります。
英語に訳す場合は、cross one's mind(心に浮かぶ)や、flash through one's mind(考えが頭に閃く)、run through one’s mind(頭をよぎる)といった表現が使われます。
「脳裏をよぎる」の似た意味・類語や言い換え
「脳裏をよぎる」と似た意味を持つ言葉は幾つかありますが、その中から、「彷彿とさせる」、「思いが去来する」、「まぶたの裏に浮かぶ」の3つの言葉について詳しく解説します。
「脳裏をよぎる」と併せて覚えておくと、ボキャブラリーも増えて、会話や文章の幅も広がるでしょう。
- 「彷彿とさせる」【ほうふつとさせる】
- 「思いが去来する」【おもいがきょらいする】
- 「まぶたの裏に浮かぶ」【まぶたのうらにうかぶ】
「彷彿とさせる」【ほうふつとさせる】
「彷彿とさせる」は、あるものが何かを連想させる様子、脳裏に浮かぶ様子、といった意味を持つ言葉です。
「彷彿」は、よく似ている事という意味を持つ言葉で、「彷彿とさせる」という使い方の他に、「彷彿させる」という使い方もされます。
「髣髴(ほうふつ)」という漢字が使われることもありますが、「彷彿」の方が一般的です。
「メジャーデビューしたばかりの彼ですが、今や伝説となっている大物スターを彷彿とさせるルックスをしていることから、注目度の高さには目を見張るものがあります」というような使い方をします。
「思いが去来する」【おもいがきょらいする】
「思いが去来する」の「去来」には、行ったり来たりすること、過去と未来、という意味があります。
「思いが去来する」という言葉になると、記憶や思い出が蘇ってくるという意味になり、思い出される、思いがよぎる、情景が思い浮かぶ、脳裏に浮かぶ、といった言葉に置き換えることができます。
「未練を残したまま別れた彼女に対する思いが去来するのでした」というような使い方ができます。
「まぶたの裏に浮かぶ」【まぶたのうらにうかぶ】
「まぶたの裏に浮かぶ」という言葉には、ふいに何かが頭に浮かぶこと、という意味があります。
ふと思い出す、思い浮かべる、思い起こされる、頭をよぎる、といった言葉に言い換えることができます。
「かつての賑わいを取り戻した商店街を目にすると、彼女は目を潤ませました。閑散としていた商店街の復活を目指して奮闘していた頃の自分の姿が、ふとまぶたの裏に浮かんだのでしょう」
「脳裏をよぎる」という言葉について詳しく解説してきました。
この言葉を日頃からよく見聞きしていたものの、実はきちんと理解できていなかったという人も多いのではないでしょうか。
「脳裏をよぎる」という言葉に対して理解が深まれば、自信を持って使うことができます。