「曖昧模糊」の意味・類語・対義語【使い方や例文】
「曖昧模糊」という四字熟語を文章で目にしたり、会話などで耳にしたりする機会は時々あるでしょう。
しかし、その言葉について詳しく説明できるという人は、意外に少ないのではないでしょうか。
ここでは、そんな「曖昧模糊」という言葉の意味、語源、使い方、対義語や類語について詳しく解説します。
目次
- 「曖昧模糊」の意味とは?
- 「曖昧模糊」の語源
- 「曖昧模糊」の言葉の使い方
- 「曖昧模糊」を使った例文・短文(解釈)
- 「曖昧模糊」の対義語
- 「曖昧模糊」の類語
「曖昧模糊」の意味とは?
「曖昧模糊」という四字熟語には、物事があやふやで不明瞭な様子、ぼんやりしてはっきりしない様子、といった意味があります。
「曖昧模糊」の「曖昧」は、不明確な、不明瞭な、はっきりしない、ぼんやりしている様を表す言葉で、「模糊」も、同様の意味を持つ言葉です。
「模糊」は「糢糊」と書かれることもあります。
「曖昧な〜」は、はっきりとしない様子を表す時によく使われる言葉ですが、「曖昧模糊」になると、はっきりとしない、ぼんやりしているという意味合いの言葉が2つ重ねられていますので、はっきりとしない様が、より一層強調されることになります。
- 「曖昧模糊」の読み方
「曖昧模糊」の読み方
「曖昧模糊」は、「あいまいもこ」と読みます。
会話などで聞いて、なんとなく意味は想像できても、どんな漢字を書くのかまでは分からないという人が少なからずいる言葉の1つでしょう。
「曖昧模糊」の語源
「曖昧模糊」という四字熟語は、中国から日本に伝えられた言葉であるとされています。
「曖昧」の「曖」と「昧」は、どちらも「暗い」という意味を持つ漢字で、暗くてはっきりと分からない様子から、はっきりしない、ぼんやりとした、不確かな、という意味で使われるようになりました。
そして、「糢糊」という言葉には、本当の姿か、実体がよく分からないという意味があり、そこから、はっきりとしない、ぼんやりとした、もやもやした、といった意味合いで使われるようになりました。
「曖昧模糊」の言葉の使い方
「曖昧模糊」という四字熟語は、物事がはっきりせず、不確かで、ぼんやりとした状態を表すときに使われる言葉です。
「曖昧模糊とした状況」や、「曖昧模糊な説明」、「曖昧模糊としている回答」などという使われ方をします。
あやふやな状況や、不明瞭な説明、ぼんやりとして不明確な回答を表現する時などに使えますので、ビジネスシーンで使われることもあるのではないでしょうか。
「曖昧模糊」を使った例文・短文(解釈)
「曖昧模糊」という四字熟語の意味や由来、使い方について解説してきました。
この項では、実際にどのような文章で使うことができるのかを、例文を使って説明します。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
「彼女の言うことは曖昧模糊としていて分かりにくいので、こちらの想像力をフルに働かせる必要があります。
そのため、彼女と長年付き合っているうちに、想像する力が鍛えられました」
(彼女の言うことは、はっきりとせず分かりにくいので、こちらの想像力をフルに働かせる必要があります。)
例文2
「明確な回答を得ることができず、状況は相変わらず曖昧模糊としています。
こちらとしては、どのような対応をするべきなのか、決断しかねています」
(明確な回答を得ることができず、状況は相変わらずはっきりしていません。)
例文3
「社内改革について曖昧模糊とした説明を繰り返すだけの経営陣に対して、強引な改革の本質を問いたい部下たちは辟易しています」
(社内改革についてぼんやりとした説明を繰り返すだけの経営陣に対して、)
「曖昧模糊」の英語
「曖昧模糊」を英訳する時には、obscureなどが使われます。
obscureは、はっきりしない、理解しがたい、曖昧な、不明瞭な、ぼんやりとした、といった意味を持つ単語です。
「曖昧模糊」の対義語
はっきりしない、不明瞭な様を表す「曖昧模糊」の対義語としては、「明明白白」という四字熟語があります。
「明明白白」は、「めいめいはくはく」と読み、疑いの余地がまるでない、極めてはっきりとしている様子を表す言葉で、「明々白々」とも書かれます。
「明明」は、きわめて明らかな様子を表し、「白白」は、真っ白いという意味が転じて、明らかな事を意味しています。
「曖昧模糊」の類語
「曖昧模糊」に似た意味を持つ四字熟語はいくつかありますが、代表的なものとしては、「暗中模索」、「有耶無耶」、「五里霧中」があります。
ここでは、それらの四字熟語について詳しく解説していきます。
- 「暗中模索」【あんちゅうもさく】
- 「有耶無耶」【うやむや】
- 「五里霧中」【ごりむちゅう】
「暗中模索」【あんちゅうもさく】
「暗中模索」は、
何も見えない真っ暗闇の中で、手探りで物を探し回るというのが転じて、何の手がかりもないまま、あれこれ試してみる、あれこれやってみる、という意味で使われます。
「暗中模索しながら新しい事にチャレンジしています」
などと使うことができます。
「有耶無耶」【うやむや】
「有耶無耶」は、
はっきりしない、曖昧な、ぼんやりとした様を表す四字熟語で、いいかげんな様子を表す時にも使われます。
「耶」は、疑問の意を表しており、「有耶無耶」は、「有りや無しや(あるのかないのかはっきりしない)」という意味になります。
「約束を有耶無耶にされてしまいました」、「そのように有耶無耶な態度ばかりとっていては、誰にも相手にされなくなりますよ」などと使うことができます。
「五里霧中」【ごりむちゅう】
「五里霧中」は、
「五里霧」は、五里四方に立ち込める深い霧という意味で、そのような霧の中で、前後左右がまったく見えない、という意味から、物事の手がかりがないために、どのような手段を取るべきか迷うこと、といった意味で使われる四字熟語です。
又、状況がはっきりしない中、手探りで何かをする、という意味で使われることもあります。
このように、「五里霧中」は、「五里」と「霧中」を合わせた言葉ではなく、「五里霧」と「中」を合わせた言葉ということになります。
「縁もゆかりもない土地に引っ越して来た当初は、まさに五里霧中で苦労しました」
などと使うことができます。
「曖昧模糊」という四字熟語について解説してきましたが、はっきりしない様子を、より強調した表現ですので、よく使われている「曖昧」という言葉と上手く使い分けてみてはいかがでしょうか。